地方の活性化、移住といった話題をトークセッションという形で聞けるイベント「地方創生フェスinヒカリエ」に参加してきました。
2016年2月27日(土曜)に開催されたこのイベント。なんと言っても目玉は地方創生担当大臣「石破 茂」さんをメインにしたトークセッション。
なかなか聴き応えのある内容でしたし、他にも地方移住者のパネルディスカッションもあって実に濃い内容でした。
ということで、メモしてきた内容を中心にレポートしてみます。
この記事の目次
地方創生とは?地方創生フェスとは?
2014年9月に発足した第2次安倍改造内閣にて新設された「地方創生担当大臣」。
地方創生というのは、ざっくり言うと
・東京への一極集中をやめること
・人口減少を食い止めること
を目的として、地方の活性化や地方への移住を促進するための施策を打っています。(違ったらゴメンナサイ)
そんな背景の中で、内閣府の組織が共催する形で読売新聞社が主催したイベントが今回の「地方創生フェス」。
地方創生について知り、考え、自分ゴト化する場として、国民に少しでも地方創生に興味、関心を持ってもらうために国のバックアップで開催されたイベントです。
イベントのアジェンダは
・政府広報の特設サイト(Web魚拓)
・読売新聞の特設サイト
に掲載されています。
いざ来訪!会場の雰囲気は?
今回の会場は、最近できて話題となっている渋谷の商業施設「ヒカリエ」の9階「ヒカリエホール」。
イベントは600名参加の事前抽選で、当選者が当日来訪して入口で当選メールを提示。入館証と資料を受け取ってホール内へと入っていきます。
ホールの外では地方の物産販売や各種情報提供ブースがあり、スペースが小さめなこともあって終始混雑して大賑わいな状況。
ホール内は着席式。指定席ではなく早い者順で前から埋まっていく感じで、結構な客入りです。
外の混雑と対照的で、おとなしい印象ですね。
サイド、後方に取材用のカメラあり。確か、ニコニコ生放送だったかリアルタイム発信もなされていて、インターネットで閲覧できるイベントだったと思います。
第1部-1 イベント開始!石破大臣の冒頭挨拶
13時開始の第1部。まずは盛大な拍手に迎えられて、石破さんが檀上に登場。
「田中角栄さんや竹下登さんなど過去の総理大臣も実施してきたことだが、改めて今回……」「決して都心の人口を地方に移すだけの単純な施策ではなく……」的な話をされていました。(すみませんメモ不足です)
冒頭挨拶は短めにサクッと。いつものゆったり丁寧に理路整然とした話し方は健在。この人柄、結構好きです。
第1部-2 トークセッション
冒頭挨拶の後、今回のメインとなるトークセッション。石破さんに加えて、漫画「地方は活性化するか否か」の作者である漫画家「こばやしたけし」さん、そして読売新聞社の方が進行役(質問役)を担ってスタート。
最初に出身地の方言で挨拶をするというユニークな導入でトークが始まりました。
(1)親しみやすい女子高生が主人公の地方活性化漫画
まずは、漫画書籍「地方は活性化するか否か」の話題。
こばやしさんの出身地である秋田県の某都市をモチーフにした話で、主人公は女子高生。
「女子高生を主人公にしたほうが親しみやすく訴求力もある」と、こばやしさん。
石破さんもこの書籍を読んだそうで「まず、登場する女の子がかわいい」と笑いを誘いつつ、「役所や議員が出てこないので、堅苦しさが無いのがいい」「うちの街でも出てきそうな日常的なセリフが出てくる」と、おだやかに絶賛。
(2)出産のメイン世代の女性が激減する自治体の多さ
出産のメインとなる20~39歳の女性の人口が半分以下になる自治体の割合のグラフがスクリーンに。鳥取県(石破さんの出身地)、秋田県がかなり突出しています。
「上京や海外へ一時的に出るのは見聞が広がるので良いことだが、いざ出身地へ帰るときに受け皿が無くなってしまうことが問題」と、こばやしさん。
「今でも地元にいるのは、役所の職員、教師、地元の銀行くらい。どうやったら地元へ人が戻ってくるのか、それと、県から県への流入なども考えていく必要がある」と、石破さん。
(3)上に意見を通しやすいのが地方の良さ
石破さんいわく「地方のほうが県知事との距離が近い」とのこと。
例として「東京都の舛添知事に会おうとすると1年はかかるけれども、鳥取県の平井知事に会おうと思えば2日で会うことができる」だとか。
地方のほうが都市の規模が小さいぶん、上へ意見を通すための調整がしやすいそうです。
(4)都市へのあらゆる人の関わり合いが地域を活性化させる
先述の漫画に「よそもの、わかもの、ばかもの」というキーワードが出てくるとのこと。
よそものは「客観視する人」、わかものは「勢いのある人」、ばかものは「発想力のある人」、これら3タイプの人が相互補完することで、地方は活性化するのだとか。
さらに、きれもの(3者を束ねてバックアップする人)がいると、さらに地方活性化は促進されるという意見が出ていました。
(5)他人任せではなくジブンゴト化が地域を活性化させる
「おまかせ民主主義」というキーワード。投票率が低いことに代表される「上が何かやってくれる」という発想では地方創生は成り立たないと、石破さんの意見。
「地元は人が少ないので金で賑わいを作るのが難しいが、賑わいで金を作りだすことはできる」「今だけ、ここだけ、あなただけ、の施策が必ずある」とのこと。
B級グルメやゆるキャラなど行政が考えると安易なものができるが、より地元を知る地元の人だからできることがあって、行政よりも民間の住人のほうが詳しい点を活かして欲しい、と石破さん。
これらの資源をどう活かすかは各自治体次第、という意味です。(決して国や議員が国民に課題を丸投げしていると誤解しないよう、補足です)
(6)まとめ
昔は「よそもの」「わかもの」の意見は生意気だと突っぱねていたものだったが、今は「よそもの」「わかもの」の意見が重宝される時代。
自分の地域を自分のこととして考えることが地方創生の大事なポイント、というのが意見として強調されていました。
地元資本によるアイデアやイベントは、決して大手資本に作ることができないもの。みんなが主体となって動いて欲しい、という言葉で締めくくり。
第1部-3 ワークショップの報告
第1部の最後は、内閣府大臣政務官の「牧島かれん」さんによるプレゼンテーションと、今回のフェスに先駆けて3回行われたワークショップの様子のVTR放映。
ハキハキとした語り口調で、物語を朗読して読み聞かせるような丁寧なプレゼンをする牧島かれん政務官。
「ピアスが取れて失くしてしまった実体験をもとに、落ちないピアスのブランドを立ち上げた話」「課の縦割りをやめるためのIT化で、市民にわかりやすく情報提供」などの事例を冒頭で語っていただいて、つい引き込まれてしまいました。
プレゼンの後に過去のワークショップのまとめVTRが流れて、地方創生ワークショップの写真、動画が本格的なVTRとして流れました。
出演者(ワークショップ参加者)の熱意が伝わってくる面白い内容。見応えがありました。
まとめ
以上の感じで、あっという間ながら内容の濃い第1部でした。第2部の様子は追って記載してみます。
(読売新聞社からも当日の様子の記事がUPされる予定ですので、そちらも楽しみですね)