夜の湾岸地帯できらびやかな照明が美しく、人々を魅了する工場夜景。人気が出てきたジャンルのひとつとして、オススメの観光スポットです。
海から眺めるクルーズ船やバスでめぐる観光ツアーが組まれる日もあるなど、各都市でも盛り上げる機運が高まってきました。
ただ、意外と「全国で工業地帯を持つ都市」がどこにあるのか知らないという方も多いのでは、と思います。
今回は、全国にある工場夜景の美しい都市を紹介していきます。
目次
北海道の工場夜景都市
01.苫小牧(北海道)
1910年の王子製紙苫小牧工場の操業を皮切りにして製紙業を主力に発展してきた苫小牧。
街の中心に工場群があるため徒歩で鑑賞できるスポットも多く、出光製油所などの石油工場を筆頭に工業製品の工場の夜景を楽しめます。
緑ヶ丘公園の無料展望台から夜景を俯瞰して見ることもできます。
02.室蘭(北海道)
苫小牧市に次ぐ製造業の盛んな都市で、国際拠点港湾も有する工業地帯。
白鳥大橋を中心として夜景の名所としてPRしており、バスツアーでしか入れない工場も。
東北地方の工場夜景都市
03.八戸(青森県)
発電所、セメント工場、金属工場、製紙工場など工場がたくさん存在する八戸。
展望台「グレットタワーみなと」など遠景で楽しめるスポットから、近くで撮影できるスポットまであります。
04.いわき(福島県)
小名浜に工場が集積する、いわき市。東日本大震災から年数を経て工場夜景を楽しめるまでに復興し、撮影ツアーが開催されることも。
関東地方の工場夜景都市
05.鹿嶋(茨城県)
鹿嶋市と神栖市にまたがって広がる鹿島臨海工業地帯。鉄鋼業、発電所、石油化学等の工場が多数存在します。
06.京葉(千葉県)
浦安市から富津市まで、鉄鋼業、石油化学などの工場が広範囲に広がる京葉工業地域。
千葉港や木更津港などの港湾施設に加えて、千葉市のJFEスチール東日本製鉄所や君津市の新日鐵住金君津製鐵所などがあります。
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07.川崎(神奈川県)
京浜工業地帯の主要地として工場が広範囲に並ぶ、川崎エリア。
工場夜景ブームの発祥地とも言われ、名所となる千鳥町を筆頭に撮影スポットが点在します。
08.横浜(神奈川県)
京浜工業地帯のひとつとして、根岸地区と鶴見地区に工場が立地する横浜。
JX日鉱日石エネルギーの製油所がある根岸地区など、いろいろな工場夜景スポットがあります。
中部地方の工場夜景都市
09.富士(静岡県)
豊富な地下水を利用した製紙業が盛んで、製紙工場の数が日本一となる工業の街、富士市。
富士山を背景に工場夜景を撮影できるスポットがあります。
10.新潟(新潟県)
1964年に新産業都市に指定された新潟市。
新潟東工業港に臨海重化学コンビナートが形成されています。
11.四日市(三重県)
石炭を使った工業地帯から石油を使用した「日本初の石油化学コンビナート」として、最新鋭の設備で1960年代にできた四日市コンビナート。
塩浜地区、午起地区、富田浜地区と大きく3つの地区から構成された広い工業地帯で、道路や公園に加えて展望室からも工場夜景を楽しめます。
関西地方の工場夜景都市
12.有田(和歌山県)
みかんで有名な有田ですが、みかん畑から工場夜景を見ることができるスポットがあります。
メインとなるのが、東燃ゼネラル石油和歌山工場(現JXTG)。海と半島を背景に工場が広がる光景を楽しめます。
13.堺・泉北(大阪府)
堺市、高石市、泉大津市に広がる堺泉北臨海工業地帯には、製油所や製鉄所が多く存在します。
堺市と高石市は全国工場夜景都市に加盟しており、工場夜景ツアーやスポット紹介が積極的に行われています。
14.尼崎(兵庫県)
阪神工業地帯のひとつ、尼崎。新日鐵住金尼崎製造所をはじめとして製鉄所などがあります。
レンゴー尼崎工場前や関西熱化学など近くで撮影できるスポットや、遠景を楽しめるスポットなどがあります。
15.姫路(兵庫県)
戦前から新日鐵住金広畑製鐵所や山陽特殊製鋼などの工場が操業し、製鉄業が発展した播磨臨海工業地帯の中心地。
網干なぎさ公園、網干臨海大橋、エコパークあぼしあ、といった遠景を楽しめるスポットの整備がされています。
中国地方の工場夜景都市
16.倉敷・水島(岡山県)
有名な水島コンビナートを含む水島臨海工業地帯は、倉敷市の水島地区を中心として児島、玉島まで広がります。
鷲羽山スカイラインの水島展望台から見る絶景に加えて、棚田とともに遠景の工場を撮影できる児島宇野津も名スポットです。
17.大竹(広島県)
広島南西部に位置する大竹市から山口県の岩国市にかけて、沿岸部に石油コンビナートを持つ瀬戸内工業地域の一拠点。
三菱化学、三井化学、日本製紙大竹工場などがあり、コンビナートを通る国道から工場を間近で見ることができます。
18.周南・宇部(山口県)
瀬戸内工業地域のひとつとして、旧徳山海軍燃料廠から発展した石油の周南コンビナート。
徳山駅を中心として東西に広がる工場は、駅から徒歩で行けるスポットだけでなく山の公園から俯瞰して見るスポットも充実しています。
四国地方の工場夜景都市
19.四国中央(愛媛県)
紙の原料となる楮(こうぞ)の自生地として江戸時代から製紙業が盛んで、宇摩の製紙として発展し機械化も果たした四国中央の工業地帯。
紙製品の出荷額日本一を誇り、大王製紙を筆頭に製紙工場の夜景スポットが点在します。
20.今治(愛媛県)
東予新産業都市として、造船とタオル製造を中心に発展した今治。特に日本一の生産量を誇る今治タオルは一大ブランドとして有名。
四国で唯一の製油所として、国道196号線沿いの太陽石油の製油所を間近で見れます。
九州地方の工場夜景都市
21.北九州(福岡県)
1901年に官営八幡製鉄所が操業。筑豊や宇部の石炭をエネルギーとして、鉄鉱石などの材料の輸入港湾とともに発展した北九州工業地帯。
関門海峡から洞海湾沿岸にかけて工場が広がり、新日鐵住金小倉製鐵所の煙突がライトアップされる「北九州アイアンツリー」が名物。
補足:太平洋ベルト地帯
1960年12月に第2次池田内閣で閣議決定された「国民所得倍増計画」において、重化学工業で経済成長を目指す「太平洋ベルト地帯」という構想が今の工業地帯の立地につながっています。
既存の四大工業地帯(京浜工業地帯、中京工業地帯、阪神工業地帯、北九州工業地帯)の周辺にコンビナートを造り、日本列島に大きなベルトを結ぶ「太平洋ベルト地帯」計画により多くの工業地帯が作られました。
まとめ
主要となる工場夜景の都市を紹介してきましたが、他にも小規模ながら工場夜景を楽しめる都市はあります。
間近で楽しめる工場から、遠景で俯瞰できる工場まで様々です。
以上、工場夜景を楽しめる全国の都市の紹介でした。