本日の焼酎レポートは、熊本県球磨郡あさぎり町にある高田酒造の球磨焼酎「秋穂」です。この焼酎は限定番号が付与された、地元にしか出回らない希少なもの。詳しく紹介していきましょう。
1.銘柄の情報
昔ながらの石蔵の麹室とカメ仕込みによる、手作りの焼酎造りにこだわる高田酒造。少量生産にこだわる酒蔵です。
この「秋穂」も地元でしか出回らない焼酎とされています。人吉駅前の観光土産屋さんで購入したのですが、確かに店頭でも「人吉球磨限定」の記載がありました。
角瓶が粋な見た目のボトル。ラベルも昭和30年代に普及したデザインを利用した復刻版で、住所も現在のものではなく当時使用されていた旧住所の風格ある記載になっています。(裏ラベルに現住所と注意書きの記載あり)
瓶の蓋には紙シールにて「厳封之証」と記載された封が付けてあり、シールには限定番号(シリアルナンバー)が割り振られています。私が購入したのは、640本限定のうちの243番。
地元産の食用米「ヒノヒカリ」を使用し、カメ仕込みでかつカメ貯蔵による熟成を行った一品。3年間熟成した数種類の原酒をブレンドしたものだそうで、常圧蒸留です。
2.気になる味は
封を切るとほのかに広がってくる、どこか芋焼酎を思わせる香り。しかしながら米焼酎だというから不思議なもの。香りを感じてみると、アルコールの突く感じがなく上品さだけが鼻に入って中へと広がっていく印象です。コクを感じる香りは常圧蒸留であることを思わせてくれるものです。
実際の味わいは、これまた麦焼酎のようにも感じるもの。香りからは想像つかないアルコールのいい具合の刺激が心地よく、舌で転がすとまろやかさを感じつつどこか苦さも出てきます。
熟成させている効果ゆえか、全体的に丸みのある味わいに仕上がっています。そして、常圧ながら減圧のようなアルコールのシャープさを兼ね備えています。突飛でなくバランスがよい焼酎です。
個人的なおすすめは水割り。割ってもトロリとした濃厚さが失われず、むしろいい具合に出るのが実に魅力的。お湯割りも結構いけるもので、アルコールのおだやかさが生きてきます。何にせよ、割ってもなお味わい深いのがこの焼酎の魅力のように感じます。
商品名称 | 秋穂 | 原材料名 | 米、米麹(あさぎり産ヒノヒカリ) |
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商品分類 | 本格焼酎 米焼酎 | 蒸留方式 | 常圧蒸留 |
酒造名称 | 高田酒造 | 度数 | 25% |
酒造所在 | 熊本県球磨郡あさぎり町 | 容量 | 720ml |