地域活性化、地方創生で参考にすべき書籍オススメ3選

地方創生の書籍特集

2014年9月に掲げられた「地方創生」と従来の「地域活性化」ですが、期待する効果があがらないまま5年が経過。

地方創生とは何か理解しにくく、地域活性化のために何をすればいいかわからないという人も多いように思います。

まずは知識をつけることが第一歩で、そのための書籍も色々と出版されています。今回は、地方創生や地域活性化にかかわる書籍について、紹介していきます。

実際に私が読んだ本や著者の講演を中心としつつ、書評レビューなども踏まえてオススメ本を選出してみました。なお、各書籍の解説における要約部分も、私が頑張って書いてみました。

初級編

01.地方は活性化するか否か(著者:こばやしたけし)

マンガ形式で地方活性化の現状と対策を知るための、初心者向きな1冊。ゆるふわな女子高生たちが繰り広げる、コミカルさも交えつつ真剣な内容です。

☆ ストーリー ☆

秋田県のとある都市にて、自分の将来と上京するかを漠然と考える女子高生たち。ふと「私たちの街って最近にぎわいが無くなったよね」という疑問から、地元の活性化に興味を持ち始める。地元のために何かしたいという気持ちが芽生えたとき、同級生から「すでに地元の失敗事例があるから行動するだけ無駄」と指摘があり……。

地域活性化は色々な地域や性格の人間が関わることで、客観的視点やアイデアが出るもの。それを「よそもの、わかもの、ばかもの」と表現する点に触れており、登場人物がそれぞれの役割を持っていることで色々な角度から会話が弾んでいきます。

マンガの各章の終わりにはミニコラムがあり「地方の人は歩かない」「空きテナントに葬儀店が入る」などの話も書かれています。

秋田県出身の漫画家である著者の経験も踏まえた内容。2016年2月開催「地方創生サミット」にて、初代地方創生担当大臣の石破茂氏と著者の対談でも用いられた本です。

こんな人にピッタリ!

・経済系の文章や本が苦手で抵抗感なく軽めに知識を得たい人
・無知識で最初のきっかけとして地方活性化の現状を知りたい人
・地域に貢献したいけれど具体的に何をすればいいかわからない人

笑いがあって登場人物もかわいい!本編とコラムともに共感と納得のできる内容で、失敗例にも触れられていてわかりやすいです。

中級編

02.凡人のための地域再生入門(著者:木下斉)

書籍「凡人のための地域再生入門」写真 ストーリーに登場する欅屋のイラストで和む表紙

地方で起業して商店街を再生していく物語をライトな小説形式で楽しめる、初心者から上級者まで幅広く勉強になる1冊。

☆ ストーリー ☆

東京の中堅メーカーで働く33歳の瀬戸(主人公)。母親から「実家の店を閉める」と相談があり、廃業手続きのために新幹線で実家へ足を運ぶ。市役所での手続きの際に、元高校同級生で市役所に勤める森本から地域イベントの手伝いを押し付けられて、地元の疲弊した現状を知る。
そんな折、地元で大人気と噂のレストランに訪れると、元高校同級生で店のオーナーである佐田の姿が。店の人気の理由を聞くと、商売成功のコツを知る佐田の受け答えに圧倒。そして、実家を廃業せず活用できないかという話に発展し……。

高校の同級生だった3人が三者三様に活躍する話。筆者によると、地域再生におけるロジック(手法)に加えて、現場で活動する人たちのエモーション(気持ち)の部分に重点を置いた内容とのことです。

本の内容は創作(フィクション)ですが、そのベースは20年以上に及ぶ筆者の苦労した実体験が元。高校在学中に早稲田商店会の活動に参画して以来、事業開発や地方政策に関わり続けている筆者による「地域再生のための実践本」に仕上がっています。

なお、ストーリーに登場する「株式会社ままま」は、筆者が関わっている愛知県春日井市の勝川商店街にある小さな複合商業施設「ままま勝川」が由来のようです。

こんな人にピッタリ!

・地方交付税や補助金の使われ方と根本課題について知りたい人
・地方で起業する際のスタートから事業拡大への流れを知りたい人
・地域貢献の実践的な方法と回避すべき失敗事例を網羅的に得たい人

面白く読み進められる内容に加えて、地方の現状や裏事情にまで精通した注釈解説がスゴイ!官と民の違いや立ち位置に起因する問題点をしっかりえぐれている名著です。

上級編

03.これからの地域再生(著者:飯田泰之、他6名)

書籍「これからの地域再生」写真 黄色のシンプルデザインに著者7氏名が載る表紙

土地、商業、農業、起業家などの分野における地域再生の現状課題と対策について、各分野のエキスパートとなる7名の専門家が各パートを執筆して1冊にまとめた専門書。

☆ 概要 ☆

当著は、中心市街地人口10万人規模の中規模都市がメインターゲット。スケールメリットを活かしつつ大規模都市の過密非効率さも無い、最も効果的な地域再生を図れるのが中規模都市であることを序章で解説。
そして、センスある都市に人が集まることを論じた1章、農工商の都市開発の歴史と発生問題をひも解く2章、不動産オーナーではなく商売の担い手にフォーカスした建物利活用の3章、観光でフォーカスされにくい夜の経済活動による活性化を提唱する4章、地方で強固な地盤を持つ地方豪族にスポットを当てた5章、山口県山口市で実践されている地域住民のための農業を解説した6章。

マクロ経済学の分野でテレビ出演や明治大学准教授を担う、経済学者の飯田泰之がリーダーとして序章解説しつつ各章ごと約30ページを取りまとめた1冊。専門家視点の分析だけでなく事例を紹介した解説も徹底されています。

こんな人にピッタリ!

・農業、商業、芸術など特化した分野の地域再生手法を知りたい人
・地域再生や地方創生を職業にして活動する個人や企業担当者
・地域再生で一般的にもてはやされている手法に違和感を持つ人

個人的には農業ブランド化や就農政策に異を唱える6章の読み応えが最高だった!福岡市の高島市長、五城目町の丑田さんなど私が知っている事例も載っていましたし、本格派の書籍です。

まとめ

私たちの生活や将来において密接にかかわる地方創生ですが、小難しい書籍もありますので選定できるようレベル別に分類してみました。

私も最初は無知な初心者でステップを踏みつつ地方にも足を運んで理解していきましたので、自身のレベルをもとに書籍を選ぶのがオススメです。

以上、地方創生・地域活性化のオススメ書籍の紹介でした。