神奈川の箱根でスポーツカー専門レンタカーを利用してみた

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かつてスポーツカーが人気を博していた時代の名車、AE86、スカイラインGT-R、RX-7など。今でも根強い人気があり、年数が経って玉数も少ない貴重な車種でもあります。

そんな名車たちが揃う往年のスポーツカー専門のレンタカー屋さんが神奈川県の箱根エリアにあります。

芦ノ湖スカイラインなどのドライブコースが走行圏内にある立地。そして1.5時間のちょい乗りプランもあり。

今回、車好きの友人と一緒にAE86、S2000、R32を借りてみたので、ドライブの感想やレンタカー屋さんの雰囲気などをレポートしてみます。

御殿場ICから車で乙女峠を越えた先、金時山登山口付近にあるレンタカー屋さん。マイカーで来訪してスポーツカーをレンタルして気分一転、という使い方を主体としたお店です。
箱根の芦ノ湖エリアが近くて周遊も楽しいエリア。サーキットに通った経験があって乗り比べしたいという本格派の人はもちろん、久々にMT車を味わいたいというライトユーザーにもオススメの内容になっています。(もちろんサーキット走行や危険行為は禁止です)

1.お店の公式Webサイトと事前の予約

関東にあるスポーツカーのレンタカーで検索していて見つかったのが、今回のレンタカー屋さん「fun2drive」。

お店の公式サイトには車種情報と利用料金だけでなく、レンタカー屋さんを起点にした豊富なドライブコースが掲載されておりプランも立てやすくて便利です。

このレンタカー屋さんでは、予約の前に会員登録が必要。

最初に店舗Webサイトのフォームで会員仮登録を実施。あとはFAXで「免許証」「社会保険証」を提示して会員本登録するとともに、レンタルしたい車種を予約すればOK。

会員登録では勤め先を記入する必要があり、自営業系の健康保険ではなく会社経由の社会保険証が必要な点も注意。サイトにQ&Aが掲載されているので、そこまで手間はかからず予約できます。

2.車好き必見!車種ラインナップ

肝心の車種ですが、国産スポーツカーを主体とした10種類前後が用意されています。ラインナップはこちら

ノーマルの車種だけでなく、チューニングが施されたS2000改も用意されています。

ハコスカ、R32、R34、R35のGT-R乗り比べや、AE86とFD3S(RX-8)の頭文字D聖地巡礼などのプランも時折組まれていますし、自身で好きな車種を組み合わせた乗り比べも可。

ラインナップの入れ替えも比較的早く、車検切れなどのタイミングで売り払って新しい車種に入れ替えることもあるとか。

3.現地へ来訪、手続き

友人のマイカーで東名高速道路を走り、御殿場ICを下りてから箱根方面へ。乙女峠を越えた先の道路沿い、金時神社などのある仙石原エリアにお店があります。

道路から見える、ズラリと並んだ名車たち。黄色のFC3S(RX-8)やダークレッドのNSXが目立ちます。

店舗は事務所的な雰囲気ではなくオープンなカフェスペースの印象。コーヒーやホットドッグもあるようで、待ち時間だけでなく乗り比べのインターバルとしても利用できます。

現地手続きは一般のレンタカー屋さんと大体同じで、予約プランの再確認、規約類の説明、お金の支払い、という流れ。預り金や周遊コースの注意点があるところは独特。

そして実車のキズ確認をしてから乗車。クセのある車種が多いこともあって、給油口の開け方、パワステの有無、操作系の説明などをしっかりしてもらえるのが嬉しい。

4.実際に走行!芦ノ湖スカイラインの走行ルート

1.5時間ちょい乗りプランだと走行距離50km以内(超えると追加料金)の制限が加わるので、店舗オススメの周遊ルートで楽しむのが一番です。

幾つかオススメドライブルートがある中で、今回は芦ノ湖スカイライン(写真)を走行する周遊ルートにしました。芦ノ湖スカイラインの公式サイトは「こちら」。

仙石原から小さめの湖尻料金所で100円を払い、箱根峠料金所を目指すルート。様々なロールのコーナーと長短それぞれの直線でワインディングが楽しい区間です。

芦ノ湖スカイラインの途中にある駐車場からは芦ノ湖や富士山の絶景を楽しめます。

駐車場のひとつにはレストラン「レイクビュー」があり、飲み物で一息つくのもオススメ。ゆったりした雰囲気が心地よくて、高原牛乳のソフトクリームが乗ったカフェラテフロートが旨い!甘すぎずスッキリとした口当たり。

もちろん、芦ノ湖スカイライン以外の周遊も全体的に楽しいもの。大型バスが結構多くて、つかまるとノロノロ追従になりイマイチなんですが。

5.乗り比べ!個性豊かな各車種のクセと魅力

今回、馬力の低い車種から順にAE86、S2000改、R32GT-Rを1.5時間ずつ乗りました。

(1)トヨタ スプリンタートレノ AE86 GT-APEX

まずは、頭文字Dで有名になった通称「ハチロク」。最高出力130馬力で、藤原とうふ店のロゴが入ったパンダトレノです。

パワーステアリング無し。意外にも軽めのコーナーでは力いらずで、軽く拳1個分程度のステアを切るだけでスッと曲がれます。しかし、きつめのコーナーになった途端にずしりと重さが腕にかかってきます。

非力そうなイメージをいい意味で裏切る加速の良さにビックリ。ゼロ発進加速だけでなく、コーナー立ち上がりや登り坂でもグッと力強く押してくれるパワーが心強い。

原作と同じFUJITSUBOのマフラーを装備しているそうで、エンジンの回転を上げたときのブワッとくる音がなんとも心地よいもの。

速度が乗った状態でコーナーに入ると、そのまま真っ直ぐ飛んでいきそうな怖い感覚。

店員さんからも「アンダーステアが出やすい車」と説明があり、慣れないうちは無理な走行を控えるのが吉。

5速MTのシフトはFRながら長めのレバーで、1速に入れていても「ニュートラルかな」というくらい左右に揺れます。

年式は昭和59年ということでレトロさをいい具合に感じ取れる内装ですが、清潔感があり質感の良いシートを用意してくれていて不便なし。

とはいえ古い車ゆえのギシギシときしむ室内音と硬いサスによる振動があり、特に助手席に乗っていると「古いんだなぁ」と感慨深くなります。助手席ダッシュボードあたりでエアコン用の水が清流のような音を立てるのが独特です。

(2)ホンダ S2000改 AP1

ホンダが本気で作ったFR車として名高い、2シーターのオープンカー。ハードトップ固定なのでオープンにはできませんが。最高出力250馬力で、フロントミッドシップエンジン。

1速のクラッチをつなぐ段階からビンビンに過剰回転するエンジン。過去におとなしくNB8Cロードスターに乗っていた筆者の私からするとジャジャ馬で実に乗りにくく扱いにくい車ですが、ジムカーナによく行く熟練者の友人のテンションは上がりまくりで「これほど楽しい車だとは」と感心したくらい。

友人いわく「ノーマルのS2000とは全く別物」だとか。前オーナーが様々なチューニングを施こしたジムカーナ用の改造マシンだそうで、常識の枠を超えているのは運転席だけでなく助手席でも感じ取れるものです。

いつの間に、というくらい一気に加速。いわゆるVTECで5000回転あたりからググッとくるのだとか。異質すぎて、そこまで回せなかった…。

後輪が巻き上げる砂や砂利の音が車内をシャリシャリと駆け抜ける音の大きさ。エアコン排除、ロールバー装備、小さい鞄すら置けない狭い居住性。数十万円もするMoTeCのECU(エンジン制御ユニット)が搭載されているという、完全にサーキット仕様の車です。

シフトは手首のスナップで扱える短いものですが、スコッと入る感じではなくカチッと入る感じ。ちょっと違和感のあるシフト操作の感覚ではありますが慣れればそこそこいい具合。

(3)日産 スカイラインGT-R BNR32

バブル期の日産の最高傑作「R32」。

今回の個体は外装をカーボンで覆ったカーボンラッピングで、正直なところ見た目としてはイマイチ。やはり漆黒のボディに憧れる…。とはいえカーボン自体の質感は悪くないですし、R32のかっこいいフォルムは健在。

クラッチのつながりが良くて、自然体でスーッと加速できる1速。そして車体の重さを感じさせない2速の力強さはコーナーでも心強いもの。前述の2車種とは異なり、思い切った加速でも車体が左右にブレない安定感、安心感がスゴイ。

最高出力280馬力のターボ車。俗に言う「どっかんターボ」ではなく、4000回転付近からスムースに力が加わってくる感じが好印象のツインターボ。

ノーマルで体感では特別驚くパワーではないものの、いつの間にか圧倒的な速度に到達するのはさすがGT-R。

加速していくと背後からシューッという音がしてくるのはターボ発動に併せてエアクリーナーが動くためだとか。加速後にアクセルを離したときのプシュッという音もまた一興。初めてのターボ車でメチャクチャ楽しめてお気に入り。

車内はオーソドックスな昭和のセダンといった印象です。

乗り比べの感想

3車種とも新鮮な発見があって実に楽しい経験。個人的にはR32がドンピシャにハマり、友人は断然S2000が面白かったとのこと。もちろん頭文字Dで憧れていたAE86にも乗れて満足。

MT車の運転経験があるくらいのライトユーザーはR32のほうがオススメできますし、ジムカーナなどのサーキットの常連の熟練者はS2000のほうが楽しめるのだと思います。

また、店主からは「R32、R34、R35と乗り比べると時代の進化を感じることができる」とのこと。楽しみ方の幅が広いレンタカー屋さんだと実感できました。

6.お店のコンセプトや事情など

この手のレンタカー屋さんは珍しい存在で、色々と特殊な面もあるようです。

まず、会員登録制にしている点ですが、これは「事故を起こさないようにする意識を持たせるため」というのが理由のひとつだとか。

確かに誰でも安易に借りれる状況だと事故が起きるリスクも高くなるので、公式サイトの注意事項などの趣旨をお客さんに理解してもらうことや運転歴や勤め先などの確認があるのは事故の抑止効果につながりそうです。

対人免責10万円、対物免責10万円、NOC20万円とかなり高めの金額設定ですが、これでも事故が起こってしまえばマイナスなのだとか。これも考えてみれば当然で、保険に入っていても事故処理の手続きに人手(人件費)がかかりますし事故による等級ダウンも発生します。

タイヤにも気をつかってお金をかけているそうで、多少高くても事故のリスクを回避することを優先しているとのこと。

自動車事故はお客としても楽しみが吹っ飛びますし、お店としても営業を苦しくする要因。
くれぐれも「無謀な運転はせずに事故のないよう安全に楽しむ」ことが大事です。

ちなみに「駅前で借りて観光の足として利用」といった一般的なレンタカー屋さんとは少々異なるコンセプトのため、送迎などは仙石原エリア内くらいの範囲でかつ有償。「マイカーで来訪」したほうが便利な立地と言えます。もちろん、箱根湯本駅からバスに乗って金時登山口あたりで下車して徒歩でお店に入るという手段も可です。

店長さんはサーキットでの運転などもされているようで、車の知識が豊富。車好きの友人とパーツの話などで盛り上がっていて、知識の浅い私は聞いて理解するのがやっとでした。聞いてて楽しくて勉強になるのですが、熱意が違いすぎる…。

以上です。というか知識の無い私が書いた素人目線のレポートですみません…。
少しでも雰囲気を感じ取っていただけたなら幸いです。

記事を書いた人&運営者
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セシモ コイ(瀬下 恋衣)
趣味の国内旅行ライター

国内旅行が大好き。NIKON一眼レフで主に花や絶景を撮影し、写真を活かして当旅行サイトを運営。
旅行系Vチューバーとしても活動予定で、国内情報を解説するため勉強中。