全国各地を舞台にした感動あふれるストーリーに、各都道府県をロケ地として美しい風景をバックに撮影される「ご当地映画」。
実話をもとにした作品やロケにこだわった作品など様々で、映画を見て楽しんだ上に「ロケ地めぐり」で観光も一層楽しくなります。
今回は、全国各地を舞台とロケ地にした「ご当地映画」を紹介していきます。
セシモ コイ
目次
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東北地方を舞台にした映画
01.奇跡のリンゴ(青森県)
世界で初めて無農薬のリンゴ栽培を実現した、青森県岩木町(現・弘前市)のリンゴ農家の実話をもとにした映画。
1970年代の青森県弘前にて、婿養子としてリンゴ農家に嫁いだ木村秋則(阿部サダヲ)。妻の美栄子(菅野美穂)は年に十数回も散布する農薬の影響で数日寝込むこともあるほどで、そんな妻のために秋則は無農薬によるリンゴ栽培を決意。
しかし、リンゴの無農薬栽培は前例がなく不可能と言われる栽培方法。数えきれない失敗、周囲の反対、そしてリンゴ収穫ができないことで極貧生活に。それでも諦めることなく10年ほどにわたって試行錯誤を重ねたある日、リンゴ栽培の常識をくつがえす方法を発見し……。
2013年公開で、ロケは青森県弘前市で実施。リンゴ畑や遠くに見える岩木山など弘前らしさのある風景が登場し、弘前市の観光案内所などで「弘前ロケーションガイドマップ」を手に入れることができます。
02.いしゃ先生(山形県)
かつて無医村だった山形県大井沢村(現・西川町)にて、実在した女医の志田周子(しだちかこ)の生涯を映画化した作品。
かつて「日本のチベット」と揶揄されるほどの僻地だった山形県大井沢村から上京し、東京で恋人と生活する志田周子(平山あや)。ある日、父親から連絡があり村へ帰ってみると、父親はすでに周子の名義で診療所を建てるためのお金を借りてしまっていた。
医者がおらず死亡診断書も出せない村にて、戸惑いながらも女医として過ごし始める周子。村民から時には誹謗中傷を受けながらも、次第に村民の信頼を得ていき……。
2015年公開。ロケは山形県内で、西川町や鶴岡市をはじめとして県内各地で広く実施。セットや実在の古民家で撮影されて、最上川など自然豊かな風景も登場します。
03.フラガール(福島県)
福島県いわき市にある常磐ハワイアンセンター(現・スパリゾートハワイアンズ)の新規オープンにまつわる実話をもとにした映画。
石炭から石油へと燃料が移り変わる「エネルギー革命」を迎えた昭和40年代。全国にある炭鉱の町は次々と閉鎖へと追いやられ、いわきの町も炭鉱の閉鎖が迫られていた。
そこで、町の起死回生策として北国のいわきをハワイに変えて、フラダンスショーを目玉とするプロジェクトを立ち上げることに。ダンス講師として東京からダンサーの平山まどか(松雪泰子)を迎えることになった。
最初はド素人のいわきの少女たちへダンスを教えることを嫌がる平山だったが、次第にダンサーとしての情熱を取り戻す。果たして常磐ハワイアンセンターは無事オープンできるのか……。
2006年公開。ロケは福島県いわき市を中心に茨城県北部なども使われて、スパリゾートハワイアンズだけでなくレッスンや披露シーンで各種施設が登場します。
関東地方を舞台にした映画
04.海街diary(神奈川県)
四季折々の鎌倉を舞台に、三姉妹と腹違いの妹の4人が暮らすストーリー。吉田秋生による漫画作品を映画化したものです。
しっかり者の幸(綾瀬はるか)、姉と何かとぶつかる佳乃(長澤まさみ)、マイペースな千佳(夏帆)は、鎌倉で暮らす三姉妹。父親は15年前に女と出ていき、母親も再婚して家を去り、三姉妹を育てた祖母も他界。
夏の朝、三姉妹のもとに届いた父親の訃報。その葬儀で出会った腹違いの妹すず(広瀬すず)は母親もすでに亡くしており、幸はそんなすずを誘って一緒に暮らすことに。
4人で始める鎌倉での生活。街での出来事に姉妹それぞれが複雑な想いを抱えて……。
2015年公開。ロケは神奈川県鎌倉市で、四季それぞれの景色を演出するために2年かけて撮影されたもの。観光地とは異なる鎌倉の日常をとらえた作品です。
中部地方を舞台にした映画
05.マリと子犬の物語(新潟県)
2004年に発生した新潟県中越地震にて、新潟県山古志村(現・長岡市)で実際に起きたエピソードをもとにした映画。災害時における人間と動物に焦点を当てた物語です。
山古志村で暮らす石川家。兄妹の亮太(広田亮平)と彩(佐々木麻緒)は幼くして母親を亡くし、村役場職員の父親(船越英一郎)と75歳の祖父(宇津井健)の4人家族で生活する。
ある日、兄妹が原っぱで見つけた捨て犬を拾ってマリと名付けて、翌年に3匹の子犬を産む。幸せに暮らす中、10月23日夕方にマグニチュード6.8の大地震が発生し……。
2007年公開で、新潟県でも特に長岡市と三条市がロケに協力した作品です。
06.RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ(富山県)
鉄道会社を舞台にした映画「RAILWAYS」シリーズ三部作の第2弾で、富山県に実在する「富山地方鉄道」を舞台にして運転士の人生を描くドラマ。
1ヶ月後に定年退職を迎える鉄道運転士の滝島徹(三浦友和)は、専業主婦としてずっと支えてきた妻の佐和子(余貴美子)と第2の人生を歩もうとしていた。しかし、佐和子はかつて結婚を機に辞めた看護師の仕事を再開すると宣言。ふたりは口論となり、佐和子は家を飛び出してしまう。
徹の同僚、部下、娘、そして佐和子が担当する患者たちとの出来事。そして、すれ違う夫婦の想いは、やがて思いがけない展開に……。
2011年公開で、ロケはすべて富山県で実施した作品。北アルプスの立山連峰をのぞむ富山地方鉄道の列車や駅などが登場します。
近畿地方を舞台にした映画
07.舞妓はレディ(京都府)
京都の舞妓を目指して見習いから始める女性のストーリー。アメリカのミュージカル映画「マイフェアレディ」のオマージュ作品で、舞妓をテーマにしたミュージカル映画として歌唱とダンスを挟みながら物語が進みます。
鹿児島弁と津軽弁を話す西郷春子(上白石萌音)は、京都の花街で舞妓として12年ほど活動する小島千春(富司純子)のブログを見て舞妓になることを決意。言語学者の京野(長谷川博己)に興味を示されて、京野の推薦により春子は舞妓の見習いになることができた。
しかし、三味線、長唄、踊りなど舞妓としての修行に苦労。さらに、京言葉を話すところで鹿児島弁が出てしまうことで大きな失敗をする始末。果たして、春子は一人前の舞妓になることができるのか……。
2014年公開で、ロケは京都市。北野天満宮、平安神宮、清水寺、随心院など京都の寺社仏閣が多く登場し、美術館や小学校も使用されています。
中国地方を舞台にした映画
08.砂時計(富山県)
島根県の仁摩サンドミュージアムにある世界一の砂時計(1年に1回ひっくり返す1年計)をモチーフとして、島根に引っ越してきた少女の家庭環境の物語。漫画家の芦原妃名子による少女漫画を原作として、テレビドラマや小説とともに映画化された作品です。
両親の離婚によって、母親とともに実家の島根へと越してきた14歳の水瀬杏(夏帆)。近所に住む北村大悟(池松壮亮)と仲良くなり、田舎独特の雰囲気に戸惑いつつも自然豊かな暮らしに慣れていく。
そんな中、杏の母親が生きることに疲れて自殺してしまう。大悟は杏に「ずっと一緒にいる」と約束したが、杏の父親が迎えに来たことで杏は東京で暮らすことになる。心の奥底に自殺した母親の影が残る杏は、大悟との遠距離恋愛も次第にこじれるように。
それから12年後、大人になった杏(松下奈緒)と大悟(井坂俊哉)は……。
2008年公開で、ロケは島根県。仁摩サンドミュージアムの砂時計をはじめとして、里山の自然豊かな風景がたくさん登場します。
四国地方を舞台にした映画
09.世界の中心で、愛をさけぶ(香川県)
高校時代に白血病で亡くなった少女の思い出にまつわる物語。片山恭一氏の青春恋愛小説が原作で、映画化ののちテレビドラマ化も行われた作品です。
朔太郎(大沢たかお)の恋人の律子(柴咲コウ)は、引越準備中に一本のカセットテープを見つける。家電店でカセットウォークマンを購入してテープを聴くと、聞き覚えのある少女の声が流れて古い記憶を思い出して涙を流す。
そして突然いなくなった律子の置手紙を見つけた朔太郎は、偶然テレビのニュース映像で香川県高松に映る律子の姿を見つける。高松は朔太郎の故郷。高校時代の恋人だった亜紀(長澤まさみ)のことを思い出し、朔太郎も高松へと向かう。
高校時代の朔太郎(森山未來)と恋人の亜紀に何があったのか……。
2004年公開。原作の舞台は諸説ありますが、映画のロケ地は香川県庵治町をメインとして愛媛県なども使用されています。
10.海すずめ(愛媛県)
図書館の自転車課として自転車で本を運ぶ仕事にまつわる映画。
小説家を目指す赤松雀(武田梨奈)は地元の図書館の自転車課で働き始め、元ロードレーサーの岡崎(小林豊)たちと自転車で図書を運ぶ。
街では伊達400年祭の準備でにぎわい、武者行列で使用される着物の刺繍模様の復元のために必要な「御家伝来の本」が見つからず騒ぎとなっていた。雀はその本を探すことになる一方、自転車課の廃止案も浮上して……。
2016年公開で、ロケ地は愛媛県宇和島市。自転車課自体は実在しませんが、宇和島城など宇和島市の風景とともに自転車で走る主人公の姿がたくさん登場します。
九州地方を舞台にした映画
11.種まく旅人 みのりの茶(大分県)
農業をテーマとした映画「種まく旅人」シリーズの大分編。大分県臼杵(うすき)市のお茶農家を舞台にして、農薬普及など農業の厳しさをテーマにした映画。
農林水産省の官房企画官として、全国各地の農家の意見を聞いてまわる大宮金次郎(陣内孝則)。ある日、金次郎に大分県臼杵市役所への異動辞令があり、市の農政局長として農林水産省が開発した農薬を普及させる役割を担うことに。
お茶農家を営む知人の森川修造(柄本明)に協力を仰いで取り組み始めることにしたが、修造が突然の心臓発作で入院する事態に。修造の孫娘のみのり(田中麗奈)が、修造の代わりを担うことになったが……。
2012年公開で、ロケは大分県内で臼杵市や佐伯市など。茶畑や製茶工場が登場し、お茶以外にも大分県の農産物が登場します。
12.奇跡(鹿児島県)
九州新幹線全線開通を舞台にした創作ストーリーで、離婚で離ればなれになった兄弟による家族再生をテーマとした映画。子どもの兄弟漫才師「まえだまえだ」主演。
母親と鹿児島で暮らす兄の航一(前田航基)と、福岡で父親と暮らす弟の龍之介(前田旺志郎)。両親が離婚して離ればなれになった兄弟は、家族を元通りにするために連絡を取り合っていた。
彼らが暮らす鹿児島と博多は九州新幹線全線開通に向けてにぎわい、そんな中で航一と龍之介はある噂を耳にする。それは、新幹線開業式の日に博多から南下する一番列車「つばめ」と鹿児島から北上する「さくら」の一番列車が行き交う瞬間に奇跡が起こるというもの。
航一と龍之介はその奇跡に家族再生の望みをかけて、壮大な計画を立て始め……。
2011年公開で、九州新幹線全線開通の3か月後に全国公開となった作品。ロケ地は福岡県、熊本県、鹿児島県の3県にまたがり、JR九州の全面協力。特に鹿児島県でのロケ地が多く、鹿児島中央駅や桜島などが登場します。
まとめ
以上のとおり、全国各地を舞台とした作品やロケ地の撮影にこだわった作品がたくさんあります。映画を見た後はロケ地めぐりを楽しむことができ、各市町村で配布されているロケ地マップを片手に映画で登場した場所におとずれるのも楽しいものです。
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