江戸時代の鎖国下で唯一の窓口だった長崎の出島で、荷揚げされた砂糖が小倉へと運ばれるシュガーロード由来の菓子文化が濃い九州。
砂糖を使用した南蛮菓子、芋を使用した濃厚な西洋菓子など、味わい豊かな銘菓が各県で歴史を持っています。
今回は、九州のお土産やお取り寄せにピッタリの銘菓を紹介します。
セシモ コイ
目次
A.福岡県の銘菓
01.苺一笑(博多風味庵)
福岡名産のいちご「あまおう」を使用したクリームを、ふんわりと柔らかい口当たりの生地で包んだケーキ。個包装でお土産向きです。
博多あまおう苺を100%使用した自家製ジャム入りの苺クリームと、なめらかなカスタードクリームが2層で入っています。国産小麦粉と卵による生地もふわふわ柔らかいもの。
博多の和菓子洋菓子を扱う「博多風味庵」の製品で、特に洋菓子が強い企業。あまおうを使用したサンドクッキーやバウムクーヘンなど魅力的な製品を色々作っているメーカーです。
Amazonでは扱っていないようですが、楽天市場に色々と用意されています。
B.佐賀県の銘菓
02.黒糖丸ぼうろ(クロボー)
佐賀県の銘菓として有名な「丸芳露(まるぼうろ)」は、小麦粉、鶏卵、砂糖を基本材料として円盤状に焼き上げた菓子。丸い形をしたボーロ(海外の焼き菓子)など語源は諸説あり。
佐賀市の代表銘菓とされている一方、県内や県外で製造する老舗もあります。メーカーによって基本材料の配合、重曹など膨らまし用の材料、蜂蜜などの味付けなど様々です。
発祥店やルーツも様々な説があり、南蛮菓子のひとつとしてキリスト教とともに広まったと伝えられています。当時貴重だった砂糖の輸入などとの関連も深いものです。
老舗として「北島」や「鶴屋」などが有名ですが、ネット購入だとそこそこの値段。福岡県のメーカーですが、安くて大量買いのできる「クロボー」が評判もいい感じです。
C.長崎県の銘菓
03.クルス(小浜食糧)
教会が多くて文化も深い長崎県を象徴するような、十字架の絵柄が表面に形どられたゴーフレット。平たく焼き上げた小麦粉せんべいでクリームをサンドした洋菓子です。
味はいくつかあり、ノーマル、苺(しあわせ)、抹茶、コーヒーなど。
特にノーマルの最大とも言える特徴は、生姜(ジンジャー粉末)を使用した独特ながらも心地よい味わい。ココアバターに砂糖などを使用したチョコレートクリームです。
Amazonであればノーマル12枚あたりが送料込みでお値打ち。色々な味が組み合わさったパッケージもあります。
D.熊本県の銘菓
04.黒糖ドーナツ棒(フジバンビ)
熊本県を代表する銘菓のひとつ、フジバンビが手掛ける「黒糖ドーナツ棒」。外はサクッと中はしっとり、やさしい甘さのドーナツ生地が棒状に仕上がっています。
使用されている黒糖(含蜜黒糖)は沖縄産で、伝統的な製法で作られたもの。国内産小麦粉を使用した生地の中にまで黒糖の黒蜜が染み込んでいます。
フジバンビの熊本工場で1961年から製造していた「かりんとう」の原材料をヒントにして、日本ならではのドーナツとして長細い形状と黒糖を使用。試行錯誤の末、1987年に登場。
基本的に個包装されているため大人数で楽しめて、大量に入った箱販売もあります。くまモンが描かれたパッケージもあります。
E.大分県の銘菓
05.ざびえる(ざびえる本舗)
大分市に本社を置く菓子メーカー「ざびえる本舗」の代表銘菓「ざびえる」は、50年以上にわたり大分の代表銘菓のひとつとして愛され続けているもの。
1551年に豊後(大分県)を訪れたフランシスコ・ザビエルにちなんで命名された銘菓は、南蛮文化をモチーフに砂糖を用いた南蛮菓子です。
純和風の白餡「銀餡」とラムレーズンを刻み込んだ「金餡」の2種類があり、バター風味豊かな洋風の生地で包んで焼き上げた菓子です。
Amazonは個数のバリエーションが少なくて値段高めなので、楽天市場で探したほうがいい印象です。
F.宮崎県の銘菓
06.チーズ饅頭(タマチャン)
クリームチーズを小麦粉系の生地で包んだ「チーズ饅頭」は、宮崎県生まれで平成初期に登場したとされる宮崎の代表銘菓。
色々なメーカーや菓子店の商品があり、各店こだわりのチーズと生地でかなり幅広い見た目の違いがあります。シンプルな饅頭生地からアーモンド使用のクッキー生地など。
有名どころとしては菓子店「お菓子の日高」がありますが、ネット通販に特化した「タマチャンショップ」のチーズ饅頭は見た目や材料にこだわりがある印象です。
要冷蔵となる商品が多いため、発送や保存はしっかり見ておくといいです。
G.鹿児島県の銘菓
07.奄美の里 薩摩芋タルト(山福製菓)
鹿児島は薩摩の国として、その名前どおりサツマイモのお土産が色々とあります。その中で、菓子博での受賞歴もある山福製菓「薩摩芋タルト」が代表的な商品のひとつです。
個包装のミニタルトとして小麦粉生地の土台の上に、鹿児島のさつま芋を100%使用したペースト餡を詰めたもの。白芋タイプと紅芋タイプの2種類が1箱に半分ずつ入っています。
薩摩南蛮洋菓子、薩摩ハイカラ洋菓子とパッケージ箱に記載されており、西郷隆盛などの絵柄と黄色いパッケージが明治からの西洋化の歴史を物語っています。
H.沖縄県の銘菓
08.雪塩ちんすこう(南風堂)
琉球王朝から伝えられた伝統菓子「ちんすこう」は、沖縄の代表的な銘菓。小麦粉を硬めの棒状に焼き上げたクッキー風の菓子で、各メーカーが色々な味付けで製造販売しています。
その中でもよく見かける商品として、宮古島の天然地下海水「雪塩」を使用した「雪塩ちんすこう」があります。南風堂というメーカーが独自の製法で造りあげたものです。
砂糖の使用量を抑えた上で、上質な塩が上品な甘さを引き出すのが特徴。宮古島の琉球石灰岩を通過した海水から採る天然塩は、不純物が取り除かれてカルシウムが溶けだした塩です。
ちんすこうは2本を1袋で個包装するのが一般的。ネット通販だとAmazonで48個(2本×24袋)あたりがお値打ちです。ミルク風味タイプも登場。
まとめ
九州の銘菓は白餡や芋を使用したスイートポテト風の洋菓子が多く、個包装で購入しやすい商品も多々ある印象。南蛮文化として伝来した砂糖を使用した銘菓もあり、文化や歴史を感じさせるパッケージや商品は魅力的です。
以上、九州銘菓の紹介でした。