名古屋めしと称する美味しいグルメがたくさんある、名古屋市を中心とした愛知県。
三河地方名産の濃厚な八丁味噌を使用した味噌カツや味噌煮込みうどんなど、濃いめで日常的に楽しめるグルメが豊富です。
今回は愛知県の旅行者に向けて、愛知県の飲食店で楽しめるご当地グルメを紹介します。
セシモ コイ
愛知県のグルメ分布図
愛知県のグルメはこんなに豊富!番号順に紹介していきます。
A.愛知県全域のグルメ
まずは県全域で楽しめるグルメを紹介します。
01.味噌カツ(県全域)
八丁味噌で仕立てた味噌ソースをかけて食べるとんかつ「味噌カツ」は、名古屋めしのひとつであるとともに東海地方で広く提供されています。
愛知県三河地方の名産となる八丁味噌を用いた黒色に近い濃厚な味噌で、お店によってカツオなどのダシや砂糖などを加えた独自の味噌ダレを使うところもあります。
カツ定食、カツ丼、串カツ、カツサンドなどで食べることができ、千切りキャベツを添えるシンプルな盛り付けが一般的でネギや白ゴマが添えられることも。
発祥は諸説ありますが、戦後に名古屋の屋台で客が串カツをどて煮(赤味噌で煮込んだもつ煮)につけて食べていたのが由来と言われ、現在もこの食べ方は健在です。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 愛知県で100店舗以上
[推奨店] 味福 – 有松駅近くで味噌カツ丼のある定食屋さん
02.味噌煮込みうどん(県全域)
八丁味噌仕立ての汁でうどんを煮込んだ、名古屋や愛知県で広く食べられている「味噌煮込みうどん」。土鍋で提供されることの多い、鍋焼きうどんの一種です。
味噌を使用した煮込みうどん自体は全国的にありますが、八丁味噌は煮込んでも風味が落ちにくい利点があるため代表的な「味噌煮込み」と認知されています。
八丁味噌と合わせるダシはカツオ節を使用することが多く、塩気が強くならないよう塩を使わずに打つ太めのうどんが一般的。愛知県名物のきしめんを使用するお店も。
具材は鶏肉、ネギ、シイタケ、かまぼこなどが定番で、餅やエビ天が入ることも。仕上げとして、鍋の中心に生卵を落とした月見卵トッピング。
愛知県のうどん屋では大抵存在するメニューで、定食屋さんなどの食事処にも提供店多々あり。名古屋に本社を持つチェーン店「山本屋」なども有名です。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 愛知県で100店舗以上
[推奨店] 宮きしめん竹三郎 – きしめんの名店で食べる味噌煮込み
03.手羽先唐揚げ(県全域)
鶏の手の先端近くとなる部位「手羽先」に衣を付けて揚げた唐揚げで、揚げた後にタレを塗って塩コショウや白ゴマを振りかけた料理です。
全国的な料理ですが、名古屋や東海地方で多く食べられているもの。名古屋市に本社を持つチェーン店「世界の山ちゃん」により、名古屋めしとして知名度アップ。
ゼラチン質と脂肪が多い、骨主体の部位。両端を持って関節部分を折って食べる方法などがあり、名古屋などで居酒屋の定番メニューとなっています。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 愛知県で100店舗以上
[推奨店] 世界の山ちゃん 栄店 – 矢場町駅近くで定番チェーンの手羽先
04.どて煮(県全域)
牛すじや豚ホルモン(臓物)を八丁味噌仕立ての汁で煮込んだ、もつ煮の一種となる土手煮(どてに)。名古屋めしのひとつで、愛知県から静岡県西部にかけての名物。
大阪をはじめとした全国的な「どて焼き」は牛すじ肉を使用するものに対し、愛知県では「どて煮」の呼び方で八丁味噌に豚ホルモンを使用するのが主流です。
具材としては角切りのこんにゃく、ゆで卵、豆腐などが定番で、薬味として刻みネギを乗せて出来上がりです。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 愛知県で100店舗以上
[推奨店] かわよし – ビジネス街の居酒屋でもつ煮など
05.名古屋コーチン鶏(県全域)
愛知県の尾張地方で明治時代に作り出された地鶏「名古屋コーチン」は、愛知県を中心に100万羽以上飼育されており高級食材とも言われる鶏です。
他の鶏と交配させず純血のまま保っており120~150日かけて育成することで、コクのある旨みと締まった歯応えが特徴となる肉質が売りです。
串焼き、鍋物、手羽先、鳥めしなどで楽しめるほか、郷土料理「かしわのひきずり」というすき焼き風の食べ方もあります。
卵肉兼用種として卵も評価が高く、卵黄の比率が高くて色が濃くて味の濃厚さが特徴。鶏肉と卵を使用した親子丼も定番の食べ方です。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 愛知県で100店舗以上
[推奨店] 伍味酉 錦店 – 繁華街の居酒屋で〆の親子丼
06.きしめん(県全域)
幅が広くて薄い、平たい形状のうどん「きしめん」。かけうどんのように、醤油タイプの温かいつゆで食べるのが一般的です。
うどんと同じく水、小麦粉、塩を練って麺を打ちますが、うどんより平たく延ばして作るもの。コシが弱めで柔らかく、表面は滑らかでツルっとした口当たりです。
茹で時間が短くなる利点がある一方、途中で切れやすい上に水分を吸いやすいのが欠点。出来上がり後は早めに食べきるのが肝要です。
具材は肉、ネギ、かつお節、油揚げなどが定番。きしめんを使用してカレーうどんや味噌煮込みうどんで食べる方法もあります。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 愛知県で100店舗以上
[推奨店] みのや アピタ店 – 瀬戸のスーパーで専門のきしめん店
07.香露[ころ](県全域)
温かいつゆで食べるのが定番のきしめんですが、主に夏場は冷たい食べ方もあります。
かけうどんのように冷たい汁に麺を入れて薬味を乗せて食べる「香露(ころ)」。きしめんを使用した「きしころ」とも呼ばれ、天ぷらなどを乗せることもあります。
他にも、茹でた麺を冷水で締めてざるに盛り、ざるうどんのようにつけ汁で食べる「ざるきしめん」の食べ方も。
通年提供するお店もあり、愛知県では大抵のきしめん店で食べることができるとのこと。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 愛知県で数十店舗
[推奨店] 驛釜きしめん – 名古屋駅のきしめん店で香露もあり
08.台湾ラーメン(県全域)
豚挽き肉、ニラ、モヤシなどを炒めて大量のニンニクと丸ごとの唐辛子で味付けをし、具材として醤油ベースのスープと中華麺のラーメンに乗せたもの。
名古屋市千種区今池に現存する台湾料理店「味仙(みせん)」の台湾人店主が、1970年頃に台南名物の担仔麺(タンツーメン)を元に賄い料理として作ったのが発祥。
担仔麺とは異なり、唐辛子とニンニクを使用して具材を炒めるなど試行錯誤のアレンジが加わったもの。
現在では名古屋市内をはじめ、東海地方の中華料理店やラーメン屋で広く食べられています。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 愛知県で100店舗以上
[推奨店] 豊龍園 半田店 – 半田運河近くで台湾ラーメンや餃子のある店
09.台湾まぜそば(県全域)
極太の小麦麺に具材を乗せた油そば(汁無し麺)の一種で、かき混ぜて食べる麺料理。豚挽き肉、ニラ、青ネギ、刻み海苔、魚粉、卵黄、おろしにんにくが定番の具材です。
2008年に名古屋市にある「麺屋はなび」にて、名古屋市発祥の台湾ラーメンを作る際に作ったスープの出来が悪かったことからスープ無しで具材を活用して作ったのが由来。
挽き肉自体も鷹の爪、ニンニク、醤油などで味付けされており、ラーメン店で卓上の醤油、お酢、ラー油、おろしニンニクなどをお好みで加えて食べ進めていくものです。
麺を食べ終わった後は、ご飯を投入する「追い飯」も可能です。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 愛知県で100店舗以上
[推奨店] はなび 名駅店 – 台湾まぜそばチェーンで名古屋駅から徒歩圏
10.あんかけスパゲッティ(県全域)
茹でたスパゲッティ麺を油で炒めて、トマトベースにコショウの辛みを付けたあんかけソースをかけた料理。「あんかけスパ」「あんかけパスタ」とも呼ばれます。
ウインナー、タマネギ、ピーマンなどナポリタン系の具材に揚げ物トッピングが定番ですが、店によって具材は異なりトッピングを選べるメニュー構成の店も。
肉類トッピングを「ミラネーゼ」、野菜トッピングを「カントリー」、そして肉と野菜の両方を盛ったものは「ミラカン」と呼ぶ店が多いです。
ミートソースを名古屋人の味覚に合わせてアレンジしてできた料理と言われ、名古屋市「ヨコイ」の店主が1961年に名古屋市「そーれ」で働いている際に考案。
名古屋市に提供店が多い名古屋めしですが、名古屋市以外でも提供店はそこそこあります。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 名古屋市に100店舗以上、他にも県全域に提供店あり
[推奨店] あんかけ亭 – 色々なトッピングのあるあんかけパスタ専門店
11.小倉トースト(県全域)
トースターで焼いた食パンに、小豆のつぶ餡を乗せた「小倉(おぐら)トースト」。モーニングなど独自の喫茶店文化を持つ東海地方で、定番となる軽食のひとつです。
お店によって4~8枚切りサイズのトーストに餡を乗せるものと、サンドウィッチのように餡を挟むもので大きく分かれます。
餡と一緒にバターや生クリームなどをシンプルに乗せるものが定番ですが、バニラアイス、シナモンパウダー、ジャム、フルーツなどを乗せた豪華版まで様々です。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 名古屋市に100店舗以上、他にも県全域に提供店あり
[推奨店] 喫茶ニューポピー – 小鉄板の小倉トーストにこだわり珈琲
12.名古屋カレーうどん(県全域)
全国的に食べられているカレーうどんですが、名古屋を中心とした東海地方のカレーうどんはダシやスパイスが異なる特徴を持ちます。
一般のカレーうどんはかつお節などの和風だしにカレー粉を溶いて片栗粉でとろみをつけますが、名古屋では鶏ガラスープも加えてスパイスで味を整えて小麦粉でとろみ付け。
具は油揚げ、ねぎ、豚肉、かまぼこなどが定番。片栗粉ではなく小麦粉のルーは麺に絡みやすく、うどんも極太のものを使用するお店が多いです。
名古屋市に本社のあるご当地チェーン店「若鯱家」をはじめとして、カレーうどん専門店が多々あります。
名古屋や東海地方でも普通に「カレーうどん」の名前で提供されていますが、他と区別するため「名古屋カレーうどん」と呼ばれることもあります。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 名古屋市に数十店舗、県全域にも数十店舗
[推奨店] 若鯱家 土岐店 – 東海定番チェーンのカレーうどん
13.スガキヤラーメン(県全域)
名古屋市に本社を持つ「寿がきや(スガキヤ)」が展開するラーメンチェーン店「スガキヤ」のラーメンは、名古屋で愛されている代表的なチェーン店の味です。
豚骨ベースのスープに中華麺、チャーシュー、ネギ、メンマなどオーソドックスな内容。スーパーのフードコートなどにも店舗が多い、安さも売りのスローフードです。
箸ではなくスプーンの先端がフォーク型になっている「ラーメンフォーク」で食べるのも特徴で、名古屋市に本社を持つ陶磁器メーカー「ノリタケ」との共同開発したもの。
ラーメンだけでなく甘味も主力のひとつで、ラーメンとソフトクリームを同時に頼んで交互食べをする変わった文化もあります。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 名古屋市に66店舗ほど、尾張地方に69店舗ほど、三河地方に46店舗、他県にも店舗あり
[推奨店] スガキヤ 大須店 – 大須観音などがある大須の店舗
14.玉せん(県全域)
鉄板で炒めた玉子と具材をエビせんべいで挟んだもので「玉子せんべい」の略。主に愛知県のお祭り屋台や駄菓子屋などで販売されるほか、お好み焼き屋のメニューにも。
卵は玉子焼きやスクランブルエッグにし、具材はチーズ、ベーコン、焼きそば、たこ焼きなどを入れてソースで味付けをして炒めます。
エビせんべい(カニせんべいの場合もあり)は事前に鉄板で温めて、出来上がりで半分に割って具材を挟んで紙で包んで出来上がり。マヨネーズで味付けするのも一般的です。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 愛知県内に数十店舗
[推奨店] 蔵家 – 犬山城下町通りで鉄板の玉せんを焼く店
15.守口漬(県全域)
守口大根を酒粕で漬け込んだ漬物で、奈良漬(ならづけ)の製法で作られる奈良漬の一種として分類されている粕漬です。
河内国守口(現在の大阪府守口市)で江戸時代から栽培されてきた歴史ある守口大根を用いており、細長い大根で渦巻状に並べて漬けてU字に曲げてラッピングするのも特徴。
収穫後に塩漬けをして脱水させた後で、酒粕に何度も漬け込んで2年ほど熟成させるもの。守口漬の販売店では守口大根以外の漬物は奈良漬として販売されています。
酒粕を拭きとって軽く洗ってから細かく切って食べ、ご飯やお茶漬けに添えるなどで楽しめる漬物。鰻かば焼きとの相性が良く、愛知県のうなぎ屋さんでも用意されます。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 愛知県内に数十店舗
[推奨店] 壽俵屋 犬山庵 – 犬山城下町通りで試食も楽しめる漬物販売店
B.尾張東地域のグルメ
名古屋城・犬山城・モリコロパークのある尾張東地域(名古屋・春日井・小牧・犬山・瀬戸・尾張旭・長久手・日進・豊明・東郷)のご当地グルメを紹介。
16.鰻ひつまぶし(名古屋市)
静岡県浜松市から三重県にかけて、鰻(うなぎ)の蒲焼の食べ方として「ひつまぶし」があります。木製や漆器でごはんを入れておく器「お櫃(ひつ)」を使うのが名前の由来。
お櫃のご飯にうなぎのかば焼きを細かく切ったものが用意され、お茶碗に移して食べます。わさび、海苔、刻みネギなどの薬味とダシやお茶が添えられ、お茶漬けにもなります。
食べ方は客の自由ではありますが、1杯目はうな丼、2杯目は薬味を乗せて混ぜたうなぎ飯、3杯目は薬味とダシをかけてお茶漬けで楽しむという流れが代表的です。
三重県の津市が発祥という説と愛知県の名古屋市が発祥という説があり、名古屋市でも「あつた蓬莱軒」や「いば昇」が発祥店を名乗るなど正確にはわからない状態です。
この料理ができた理由も諸説あり、蒲焼の切れ端部分を活用した、太いうなぎは食感が硬いことからお茶漬けにした、出前などで器が割れないようお櫃を使用したなど。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 名古屋市で十数店舗、他の市にも提供店あり
[推奨店] 稲生 エスカ店 – リーズナブルに楽しめるひつまぶしの名店
17.天むす(名古屋市)
小さい海老天が入ったおにぎり「天むす」は、専門店があるほか飲食店のサイドメニューや駅弁などで扱われていることも多く名古屋名物。
現在は主にアカシャエビ(サルエビ)の天ぷらが使用され、体長12センチほどで夏が旬。かつては車エビなどが主に使用されていたそうです。
発祥は三重県津市の天ぷら定食屋「千寿」で、1959年頃に天むす専門店となり1981年に暖簾分けで名古屋「千寿」が登場。
現在は名古屋名物として認知されており、愛知県でも名古屋市にお店が集中しています。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 名古屋市で十数店舗
[推奨店] 石波志 – 愛地球博記念公園の軽食処で串カツや天むす
18.ういろう(名古屋市)
和菓子の中で蒸し菓子に位置づけられる「外郎(ういろう)」はいくつか名産地があり、名古屋でも代表的な名産品です。
名古屋では他の地域と異なり、うるち米からできる米粉を主原料とするのが一般的。餅のようにもっちりとした弾力を持つのが特徴です。
基本はお土産の販売ですが、和食処のデザートとして提供されることも。味もいくつか存在し、白い砂糖、黒い黒砂糖、緑色の抹茶、ピンク色の桜など和菓子の味が主体。
日本一の販売量を誇る「青柳総本家」は1879年創業と歴史が古く、他にも1949年創業の「大須ういろ」など老舗がいくつかあります。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 名古屋市に販売店数十店舗、飲食店での提供は不明
[推奨店] 青柳ういろう エスカ店 – 定番の青柳で色々なういろうを購入
19.犬山ドッグ(犬山市)
犬山市の新名物として生み出されたホットドッグ「犬山ドッグ」。犬山らしさがあれば何を挟んでも良いという定義で、各店それぞれで創作されたホットドッグを楽しめます。
全国の自治体で名称に「犬」が付くのは犬山市だけで、犬(dog)にちなんでホットドッグを提供するお店が多数あります。
定番のソーセージを挟んだものや、牛肉、豚肉、唐揚げ、串カツなど肉類だけでも多彩。挽肉ピザ、プルコギ、味噌田楽、ハーブなど創作感が強めで、地元産の具材もあり。
デザート系の犬山ドッグを提供するお店も少しあり、ホイップクリームのフレンチドッグやきな粉入りの揚げパンスタイルなどを提供するカフェも。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 犬山市に14店舗ほど
[推奨店] プロスペール 犬山店 – 犬山駅前で甘い犬山フレンチドッグ
20.犬山田楽(犬山市)
豆腐に串を刺して味噌を塗ってから表面を焼き上げる、味噌田楽(みそでんがく)。明治時代創業の「松野屋」をはじめとして、犬山市の色々なお店で提供されます。
乾燥させた大根(カブや水菜の場合もあり)の葉を米に混ぜて炊き込んだ「菜飯(なめし)」とセットで「菜飯田楽」として提供する飲食店が多いです。
田楽は三河産の八丁味噌を用いるのが一般的ですが、白味噌なども使いバリエーション豊かに盛り付けるお店などもあります。
東海道の遠州(静岡県西部)から近江(滋賀県)まで宿場町で広く親しまれており、城下町の犬山でも親しまれている味覚です。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 犬山市に20店舗ほど
[推奨店] 本町茶寮 – 7種類の田楽に菜飯のセットが美しいカフェ
21.瀬戸焼きそば(瀬戸市)
瀬戸市街地の深川神社の参道にて、昭和30年代から提供され始めたと言われる市民のソウルフード「瀬戸焼きそば」。
一般のソース焼きそばと見た目は似ていて蒸し麺を使用し豚肉とキャベツを具材にしますが、豚の煮汁に醤油ベースのタレを使用するのが瀬戸ならでは。
俗に陶器を「せともの」と呼ぶ由来となった焼き物の街で、店内飲食であれば瀬戸焼の器で提供するお店もあります。持ち帰りでの提供も定番です。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 瀬戸市に数店舗
[推奨店] 大福屋 – 深川神社で昔ながらの佇まいの焼きそば店
C.尾張西地域のグルメ
清須城・一宮タワー・弥富野鳥園のある尾張西地域(一宮・愛西・あま・稲沢・岩倉・北名古屋・清須・江南・津島・弥富・大治・蟹江・飛島・豊山・大口・扶桑)のご当地グルメを紹介。
22.もろこ寿司(尾張西全域)
コイ科の淡水魚として水深5メートル以上の湖沼に生息する魚「ホンモロコ」。モロコと呼ぶのも一般的で、体長は大きいものでも15cmほどで小魚サイズの魚です。
もともと琵琶湖の固有種として現在も主要漁獲地ですが、木曽三川が集う愛西市や津島市など尾張西エリアでも漁獲できる東海圏を代表する漁獲地です。
尾張西エリアでは、押し寿司として酢飯の上にモロコ佃煮を並べて押し固める「もろこ寿司」が代表的な食べ方。飴色に染まるモロコがたくさん密集して、切り分けて食べます。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 愛西市2店、津島市2店、尾張西エリアに数店舗
[推奨店] 立田ふれあいの里 – レンコンやモロコ料理を購入や食事で
23.ベトコンラーメン(一宮市、県全域)
ゴロゴロと入ったニンニクにニラなどの野菜が乗り、鶏ガラを基本として醤油や味噌などに唐辛子系の辛口に仕上がったスープが特徴のラーメン。
ニンニクは丸ごとや粗く砕いたものが沢山入り、野菜はニラともやしを代表として長ネギや豚肉なども店によって使用。具材は中華フライパンで炒めるのが定番です。
1969年に一宮市で開業した「新京」が開発されたのが愛知県発祥と言われ、一方で1975年に岐阜市で開業した「香楽」が岐阜県発祥とされています。
商標登録をせず暖簾分けなどで積極的に味を広めた結果、愛知県と岐阜県で提供店が増加。青森から北九州まで広がっていますが、全国的にはマイナーなラーメンの位置づけ。
名前の由来は諸説ありますが、食べると元気が出るベストコンディションの略(ベスコンではなく呼びやすいベトコンに)というのが現在の定説となっています。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 一宮市に数店舗、愛知県内で数十店舗
[推奨店] 新京 本店 – 発祥店で油香る野菜に濃厚辛口スープのラーメン
24.レンコン料理(愛西市)
愛知県は全国で第4位をほこるレンコン産地で、その主要産地は愛西市。蓮(ハス)の地下茎が蓮根(レンコン)となるため、夏にはハスの花が鑑賞スポットとしてにぎわいます。
田園風景のいたるところにハス田が存在し、9月から冬にかけて収穫が行われます。ハウス栽培も行われているため、通年で出荷しておりレンコン料理をいつでも楽しめます。
愛西市では「れんこんiプロジェクト」として、色々なお店で美味しいメニュー開発が行われています。お好み焼き、サンドウィッチ、蓮すじ丼、スイーツまで様々です。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 愛西市に十数店舗
[推奨店] 蓮根の里 はすの実 – ハス田の一軒家レストランでレンコン御膳
25.ぎんなん料理(稲沢市)
秋に黄色く染まる銀杏(イチョウ)の木々が至るところにある稲沢市は、愛知県屈指の銀杏(ぎんなん)産地。約1万本と言われるイチョウの木から沢山のぎんなんが取れます。
稲沢市の「祖父江(そぶえ)イチョウ」が秋の名所となり、祖父江産のぎんなんが現地で販売されるとともにぎんなん使用のお土産や料理が市内で提供されます。
定番となる茶碗蒸しの具材をはじめとして、素焼きなど色々な食べ方で楽しめます。中華料理店では、ぎんなんラーメンやぎんなんチャーハンもあります。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 稲沢市に十数店舗
[推奨店] 北京 – ぎんなんが沢山入ったラーメンや炒飯
D.知多地域のグルメ
半田運河・中部国際空港・常滑焼物散歩道のある知多地域(大府・東海・知多・常滑・半田・阿久比・武豊・東浦・南知多・美浜)のご当地グルメを紹介。
26.トマせん焼きそば(東海市)
トマトケチャップやトマトジュースで有名なカゴメ創業の地「東海市」で、カゴメと市や飲食店が連携して誕生したご当地焼きそば。
東海市はエビせんべいが名物で玉ねぎも県内屈指の産地。トマト、エビせんべい、カゴメソース、玉ねぎの4種類を使用した焼きそばが公式に「トマせん焼きそば」を名乗れます。
居酒屋やインドカレー店など様々な業態の飲食店で提供されています。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 東海市に7店舗ほど
[推奨店] ヒマラヤ 東海店 – カレー屋のナンに乗った焼きそば
27.常滑焼うどん(常滑市)
知多半島にある焼き物の街、常滑(とこなめ)。常滑焼の器で提供される焼きうどん「常滑焼うどん」があり、焼き物の散歩道に提供店があります。
特に具材の形が決まっているわけではないですが、海に面した常滑産の具材を活用した焼きうどん。店によっては、かつて窯仕事の職人のために塩分と糖分が強いところも。
提供店が明確ではありませんが、麺吉、侘助、八戒の3店が陶芸の散策路にあるとのこと。他にも三角庵というお店でも提供されているという情報があります。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 常滑市に数店舗
[推奨店] 麺吉 – 挽肉あんかけとろろを絡める常滑焼うどん
E.西三河地域のグルメ
八丁味噌蔵・西尾の街並み・足助町香嵐渓のある西三河地域(岡崎・豊田・安城・刈谷・高浜・知立・西尾・碧南・みよし・幸田)のご当地グルメを紹介。
28.西尾の抹茶(西尾市)
愛知県三河エリアの西尾市はお茶の栽培地として「西尾茶」として販売されており、加えて「西尾の抹茶」として全国初となる抹茶の地域ブランド登録もされています。
西尾の抹茶の産地指定としては「西尾市に加えて安城市と吉良町で生産された茶葉を同地域で加工と茶臼挽きした抹茶」のみが名乗れるブランドです。
栽培地は矢作川と矢作古川が織り成す三角州で、水はけのよい砂状の赤土に川霧で適度な湿度となることからお茶の栽培に適しています。
城下町由来の老舗が点在し、茶葉に加えて抹茶製品も並びます。全国の抹茶生産量の約30%を占め、抹茶を飲めるカフェも存在します。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 西尾市に十数店舗
[推奨店] あいや 本店 – 店内で楽しめる抹茶でほっこり
29.あん巻き(知立市・豊橋市)
愛知県三河地方の名物で、知立市が発祥となる「あん巻き」。細長い生地で餡を巻いたどら焼き風の和菓子です。
かつて東海道の宿場町だった池鯉鮒宿(ちりゅうじゅく)は水が少なく稲作に適さない土地で、栽培の中心となった麦や小豆を使用して江戸時代に考案されたものです。
現在も知立市(ちりゅうし)で営業している「小松屋本家」の創業者が考案した「大あん巻き」が現在の名物で、知立市には「藤田屋」も老舗として市内や市外で営業。
東海道を経て豊橋市でも「お亀堂」の「もっちりあん巻き」が名物に。知立市よりも豊橋市のほうが販売店舗は多めです。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 知立市に2店舗ほど、豊橋市に12店舗ほど
[推奨店] 藤田屋 豊橋駅構内販売所 – 列車移動時に利用しやすいあん巻き販売店
F.東三河地域のグルメ
豊川稲荷・渥美半島・豊橋公園吉田城のある東三河地域(豊橋・豊川・蒲郡・田原・新城・設楽・東栄・豊根)のご当地グルメを紹介。
30.豊橋カレーうどん(豊橋市)
カレーうどんの底にとろろご飯が埋まっており、豊橋産のうずら卵を乗せるのが特徴の「豊橋カレーうどん」。福神漬けなども乗った盛り付けです。
豊橋のうどん屋さんは基本的に自家製麺を使用しており、こだわりのうどんをより多くの人に食べてもらえるよう考案されたグルメです。
丼にごはん、とろろ、カレーうどんの順に入れて盛り付け。カレーうどんは食べ終わると汁だけが残りやすいため、底のとろろご飯でカレーライスとして2度楽しめる工夫です。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 豊橋市で19店舗以上
[推奨店] 庵 – 焦がしチーズに自然薯ごはん入りのカレーうどん
31.渥美半島丼、大あさり丼(田原市)
遠州灘から続く渥美半島では、地元ならではのどんぶり料理の提供店が道路沿いに点在する「渥美半島どんぶり街道」があります。
海に面した魚介類をはじめとして、田原ポークやあつみ牛などの肉類、キャベツや大根などの野菜類など、渥美半島は食材の宝庫。
調理法も各店で色々あり、かつ丼、味噌かつ丼、天丼、牛丼、角煮丼、豚しょうが焼き丼、かき揚げ丼、親子丼、うなぎ丼、しらす丼、海鮮丼など。
そして、渥美半島ならではの肉厚なあさりを使用した「大あさり丼」の提供店が多く、卵とじや天ぷらで調理した大あさりがご飯の上に乗っています。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 田原市で28店舗ほど
[推奨店] 渥美の丼屋 まるみ – 大あさり卵とじ丼のある海鮮食堂
G.愛知県全域のグルメ2
32.モーニングサービス(県全域)
愛知県一宮が発祥とされる喫茶店のモーニング文化は、愛知県をはじめとして東海地方で広く定着しており朝食を喫茶店で過ごすのが定番となっています。
お店によりサービスは大きく異なりますが、代表的なサービスとしては朝食時間帯に飲み物をオーダーすると無料で軽食が付くというおトクなもの。
シンプルにトースト(ハーフサイズ)とゆで卵が付くものから、サンドウィッチやサラダなどが付くものも。パン食べ放題が付く珍しいお店も稀に存在します。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 愛知県で4,000店舗ほどの規模
[推奨店] シャポーブラン メイチカ店 – パンを食べ放題で盛れるモーニング
33.プレスサンド(県全域)
トーストで具材を挟んだ上で、専用のプレス機を用いて圧縮と焼きを入れたもの。圧縮部はカリッとした焼きが入り、具材が外に逃げない役割もあり食べやすいです。
挟む具はお店により様々ですが、一般のサンドウィッチと同じで野菜、肉、小倉餡、デザートなどがあります。
全国的に提供するお店はありますが、特に名古屋や愛知県で多く見かける食べ方です。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 愛知県で数十店舗
[推奨店] リヨン – どの時間帯でもモーニング実施のカフェ
34.エビフライ(県全域)
全国的に食べられているエビフライですが、名古屋の名物でもあります。洋食屋、とんかつ屋、居酒屋などでエビフライを提供する店が色々と存在します。
某番組でタモリが「名古屋の人はエビフライをエビフリャーと訛って呼ぶ」とネタ(あくまでネタ)にしたことで、名古屋名物になったという逸話があります。
名古屋のエビ消費量は日本一にもなっており、エビフライ食べ放題の店があるなど話題性も。エビフライサンドといった食べ方で提供するお店もあります。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 愛知県で2,000店舗ほどの規模
[推奨店] ブルワーズハウス – ビール工場のレストランでエビフライあり
まとめ
以上のとおり、名古屋を中心として愛知県には魅力あるご当地グルメや郷土料理が一杯。
愛知県に立ち寄ったときは、ぜひ八丁味噌をはじめとした甘辛で濃厚な食事を楽しむことをオススメします。