東京都内には地方の郷土料理を扱う居酒屋が増えてきましたが、かつてマネーの虎に出演していた社長が手掛けたお店も実は多いのです。
飲食業の異端児として活躍した安田久社長。銀座など都心に郷土料理の居酒屋をいくつも出店し、現在でも人気の居酒屋として続いています。
今回は安田久氏が手掛けた「銀座近辺で地方郷土料理を楽しめる居酒屋」を紹介していきます。
目次
はじめに、安田久社長とは?
かつて話題になったテレビ番組「マネーの虎」。起業したい一般人が企画をプレゼンし、有名社長たちが気に入れば出資するという人気番組。
安田久(やすだ ひさし)社長は1997年に独立して手掛けた監獄レストランが人気となり、飲食業の異端児として2001年からマネーの虎に社長側としてレギュラー出演。
2003年に破産したものの、再起して手掛けた郷土料理居酒屋の第1弾が「秋田ダイニングなまはげ」。かまくら風の個室席にきりたんぽ鍋などの秋田の料理、そしてショータイムに伝統文化のなまはげが各席に回って驚かすというイベントもあって話題に。
2006年に株式会社化したエイチワイシステムの社長として、47都道府県それぞれの居酒屋を1軒ずつ出店する目標を立てたものの、リーマンショックと東日本大震災の影響で再び破産。
なまはげを筆頭に手掛けた郷土料理居酒屋たちは他の経営者に売却されつつも営業継続中のお店が多く、現在の郷土料理居酒屋の流れを作った人物と言えます。
現在でも講演活動は続けており、何度失敗しても諦めない不屈の精神が社長向きですね。
安田久社長が手掛けた郷土料理店
01.なまはげ 銀座店(秋田郷土料理)
築120年の藁吹き屋根の古民家を移築した内装、かまくらを模した個室が人気のお店。
男鹿の郷土文化「なまはげ」のショーも名物。仮面と藁をまとって「泣く子はいねぇが~」と各席をまわってくれます。
きりたんぽ鍋をはじめとして秋田の郷土料理と地酒もそろっています。
なまはげ 銀座店
[開店日] 2004年3月
[系列店] なまはげ仙台店(六本木店は閉店)
[筆者談] 2007年に来訪。かまくらの個室は包まれた感じで居心地がとっても良いです。狭い入口からなまはげがグワッと出て脅かす迫力あるイベントに、きりたんぽ鍋やいぶりがっこ(たくあん)も美味しかったです。当時そこまで多くなかったご当地居酒屋にハマったキッカケのお店として、思い入れが深いです。
02.黒薩摩 銀座総本店(鹿児島郷土料理)
六白黒豚しゃぶしゃぶを東京で提供し始めた居酒屋で、さつま揚げなど鹿児島県の郷土料理とさつま焼酎を楽しめるお店。
鹿児島の黒豚の中でも品質の高い「六白黒豚」を使用したしゃぶしゃぶで、鍋の後は九州定番のちゃんぽん麺で締めを楽しめます。
もともと2005年3月にオープンした六本木店は閉店し、2006年12月に銀座へ出店したのが今のお店の原型です。
黒薩摩 総本店
[開店日] 2006年12月
[系列店] なし
03.あまくさ 銀座総本店(熊本郷土料理)
熊本県の天草地方における幻の地鶏「天草大王」を専門にした居酒屋。
福岡で定番の水炊きスタイルや、阿蘇斬の溶岩石を用いた溶岩焼きなどで天草大王を楽しむことができます。
熊本古閑牧場の馬刺しも鮮度が高く、辛子レンコンや燻製盛り合わせなども楽しめます。
銀座あまくさ 総本店
[開店日] 2006年9月
[系列店] あまくさ青山外苑店、あまくさ銀座HANARE
04.佐藤養助 銀座店(秋田郷土料理)
秋田県湯沢市に本店を持つ稲庭うどん専門店「佐藤養助」を首都圏の直営店として開店した「銀座佐藤養助」。
なめらかさと細さに強いコシが特徴の稲庭うどんを筆頭に、比内地鶏の水炊きやきりたんぽ鍋を楽しむことができます。
はたはた、山菜、きのこ、そして秋田の地酒もそろっており、稲庭うどんのテイクアウトも。
銀座 佐藤養助
[開店日] 2006年12月
[系列店] 銀座佐藤養助養心蔵、佐藤養助日比谷店、佐藤養助赤坂店(旧・稲庭)、佐藤養助浅草店(秋田と福岡にも店舗あり)
05.能登輪島 銀座(石川郷土料理)
日本海に面した石川県の海鮮しゃぶしゃぶ、とりわけ「ブリしゃぶ」を名物とした居酒屋。
イカ黒造りやフグ卵巣など珍味も豊富で、石川県の日本酒もあり。
能登牛や能登豚など肉類もあり、合鴨の治部煮も石川県ならでは。加賀野菜など野菜類の豊富さも売りのひとつです。
能登輪島
[開店日] 2007年4月
[系列店] なし
[筆者談] 2018年に来訪。黒を基調としたスタイリッシュな空間がいいんですよね。畳の個室の雰囲気がとても良くて落ち着けて、家族で利用してゆったりブリしゃぶ鍋を囲めました。能登豚の炭火焼きなど一品料理も美味しくてオススメです。
06.阿波尾鶏 六本木(徳島郷土料理)
徳島県の地鶏「阿波尾鶏」を中心とした、徳島料理の居酒屋。
肉色が濃くてコクのある旨みを持つ鶏肉で、炭火ころがし焼き、豪快焼きなど網焼きで提供してくれます。
鶏たたきや唐揚げでも楽しめますし、水炊きもあり。卵焼きや炊き込みご飯も地鶏で。
阿波尾鶏 六本木
[開店日] 2011年5月
[系列店] なし
07.三番船ハ印 浜松町(秋田郷土料理)
レトロな雰囲気でちゃぶ台席などの畳席もある、一軒家タイプの居酒屋さん。
もとは北海道料理を扱うお店としてスタートしましたが、現在は秋田県の郷土料理を扱うお店に。
日本酒は秋田の銘柄だけがそろい、なまはげも登場するそうです。
北前海鮮問屋 三番船ハ印
[開店日] 2010年7月
[系列店] なし
08.ハタハタ屋敷 銀座店(秋田郷土料理)
秋田県で定番の魚ハタハタを筆頭に、きりたんぽや比内地鶏など秋田の味覚が豊富な居酒屋。
老舗料亭「九重」から直接教わった「だまこ鍋」も秋田の味として楽しめます。
ハタハタ屋敷 銀座店
[開店日] 2011年12月
[系列店] なし(浜松町店、田町店は閉店)
補足
銀座有楽町エリアにはアンテナショップも多い立地ということもあって、銀座のお店が多い傾向にあります。また、秋田県の郷土料理店が多いのは、安田久氏が秋田県出身のためです。
銀座のお店については、銀座駅や有楽町駅が近いだけでなく新橋駅からアクセスしたほうが近いお店もあります。各店舗リンク先の地図にて立地を調べてみるといいでしょう。
以上のとおり残っているお店も多い一方で、残念ながら閉店してしまったお店もあります。博多筑前屋敷、葉隠、函館、函館ソーラン市場など。特に外食アワード受賞で阿波踊りが見られる徳島郷土料理「阿波おどり」が閉店してしまったのは痛いですね。
まとめ
マネーの虎の出演から紆余曲折がありつつも、郷土料理の居酒屋というジャンルの発展に寄与して講演活動を続けている安田久氏。
プロデュースしたお店は当記事で紹介したとおり8店残っており、知名度の高いお店も健在となっています。
オシャレな銀座の街で、地方の美味しい味覚を楽しめる郷土料理の居酒屋。筆者も2店舗行ったことがあって質の高さに驚いたくらいですので、ぜひ皆さんにも利用をオススメします。
以上、安田久社長がプロデュースした郷土料理居酒屋の特集でした。