ISO感度、絞り、シャッタースピード、露出の意味と設定をシンプル解説

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写真撮影

カメラに関心を持って知識を覚えたいものの、絞りやISO感度の意味がわからず、デジカメや一眼レフの扱い方がわからない人は多いと思います。

実は、解説本やネットの記述は「正しい解説」をしているものの、本質的な意味がわかりにくく解説順を間違えているものがほとんどです。

今回は、カメラ初心者や学習に挫折した人でも理解できるようシンプルに解説してみました。

まず理解しておくこと

カメラの設定を理解するための最大のポイントはふたつ。

・カメラの品質を決める設定項目は4つあり、各項目の設定値には良し悪しがあること。
・この4項目はトレードオフの関係(どれかの値を良くするとどれかの値が悪くなる)であること。

この2つを土台にして各知識を覚えていくと理解が深まります。

特に「トレードオフの関係」であることは一般の解説書では明記されておらず、曖昧な書き方がなされています。これがカメラの理解を妨げる要因です。この「トレードオフの関係」を頭の片隅に入れておくだけで理解できるようになります。

カメラの品質を決める設定項目は4つ

カメラでの4要素の見方

一眼レフでは電源をオンにしたときに「4要素の設定値」が表示されます。そして、この設定値の変更も一眼レフのボタンとダイヤルで瞬時に変更でき、設定値の変更を画面で見ることができます。

画像にも記載したとおり、4要素とはISO感度、絞り、シャッタースピード、露出の4つです。
まずは、この4要素それぞれをわかりやすく解説します。

要素1.シャッタースピード

写真というのは目の前の景色を光として継続的に取り込んで作ります。1枚の写真を撮影するとき「光を取り込み始めてから取り込み終えるまでの時間」をシャッタースピードと呼びます。

たとえば1秒間に75メートルも進む新幹線を「シャッタースピード1秒」で撮影すると、75メートルも動く新幹線が撮れるのでブレが生じます。これを「シャッタースピード0.00025秒」という短さで撮影すれば、新幹線でもブレずに撮影できます。

動物、列車、往来する人、スポーツなど常に動くものを撮影するときは、シャッタースピードを短く(数値を低く)することで「ブレずに止まったように」撮影できます。

【ポイント】
シャッタースピードは短い(数値が低い)ほうが良いです。もちろん例外はありますが、短いほうが被写体(撮影するもの)がブレない写真が撮れると理解するのが早いです。

要素2.絞り

写真というのはピントを合わせた部分がくっきり写り、ピントからはずれた部分がぼやけて写ります。そのピントからはずれた部分もできる限りくっきり写すか決める値が「絞り」です。

ピントを人物に合わせたとき、絞りの値を低く(F=3.5など)すると遠くの景色がぼやけて写ります。反対に、絞りの値を高く(F=10など)すると遠くの景色もより鮮明に写すことができます。

写真を「近くも遠くも鮮明に写す」ときは絞り(F値)を高くします。

【ポイント】
絞りは値が大きいほうが良いです。もちろん例外はありますが、近景も遠景もくっきり映すことができます。

要素3.ISO感度

ISO感度というのは、取り込む光の感度です。ISO感度が高いと光を短時間で多く取り込めるのですが、正確には「ISO感度が高いと光を雑だけど一気に取り込める」のです。

ISO感度が低いほうが良いです。ISO感度を低くすることで「光を丁寧に時間をかけて取り込む」ので、出来上がりの写真が綺麗になるのです。

【ポイント】
ISO感度は低いほうが良いです。特に空や列車の側面など単一色になりがちな部分のざらつきを防ぐことができます。

要素4.露出

露出とは「撮影した写真の明るさ」と考えると良いです。(厳密には違いますが)

写真は明るすぎてもまぶしいですし、暗すぎると何を写したのかわかりにくくなります。人の目で見たとおりの明るさで写真が出来上がるのが自然ではあります。

【ポイント】
露出は、まずは人の目で見た景色と同じ明るさになる値が良いです。

この4項目はトレードオフの関係

3要素を良くして撮影してみると……

先ほど解説したとおり、
 ・シャッタースピードは短いほうが良い(数値が低いほうがブレない)
 ・絞り値は高いほうが良い(F値が大きいほうが遠くもブレない)
 ・ISO感度は低いほうが良い(数値が低いほうが空などがくっきり写る)
のです。

それでは、上の3要素すべてを良い値にして撮影してみるとどうなるでしょうか?

一眼レフを持っている人はMモードで試してみるといいでしょう。
Mモードにして、3要素の値を最大に良く設定して撮影してみると結果がわかります。(初めての方は説明書を読んで試してみるといいです)

どうかるかというと、真っ黒な写真になります。
何も見えない真っ黒な写真です。

シャッタースピード、絞り値、ISO感度をすべて高望みすると、光の量が足りなくなるので真っ黒な写真が出来上がるのです。

それでは、各項目の設定値を少しずつ悪くしながら撮影してみると、少しずつ写真が明るくなるのがわかると思います。

つまり、各項目の設定値を良くしすぎると写真が暗く出来上がるのです。
 ・シャッタースピードを良くする(短くする)→写真の露出が暗くなる
 ・絞り値を良くする(高くする)→写真の露出が暗くなる
 ・ISO感度を良くする(低くする)→写真の露出が暗くなる

これが冒頭に言った「トレードオフの関係」です。
4項目すべてを最高に良くして撮影することはできません。撮影する被写体に応じて、どれを妥協するのか考えて撮影する必要があるということです。

常に4要素のバランスを撮影時に意識して設定する

外の明るさや天気などで明るさが異なるため、撮影時の状況によってシャッタースピード、絞り値、ISO感度の設定は常に確認して撮影するクセをつけます。

あとは、実践として一眼レフを外に持ち出すなどして撮影してみるとよいでしょう。

記事を書いた人&運営者
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セシモ コイ (瀬下 恋衣)
趣味の国内旅行ライター

観光1,000日超の国内旅行マニア。一眼レフで撮影した花や絶景の写真を活用して当旅行サイトを運営。

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当サイト運営者が執筆した旅行本の第1弾。国内旅行の景勝地80ジャンルを解説。