果物など味覚の宝庫、福島県。会津ソースかつ丼、川俣シャモなど肉寄りのグルメもたっぷりあります。
白河ラーメンと喜多方ラーメンを筆頭に麺料理が特に豊富で、白河そば、山都そば、なみえ焼きそばに加えて創作系の麺グルメも。
今回は福島県の旅行者に向けて、福島県の飲食店で楽しめるご当地グルメを紹介します。
セシモ コイ
福島県のグルメ分布図
福島県のグルメはこんなに豊富!番号順に紹介していきます。
A.福島県全域のグルメ
まずは県全域で楽しめるグルメを紹介します。
01.福島産フルーツ(県全域)
フルーツ王国、ふくしま。福島市の西には多くの果樹園が点在し、フルーツラインやピーチラインなど道路に名前が付いているほどです。
他にも国見など果物の名産地があり、6月のさくらんぼに始まり、桃、梨、ぶどう、りんごと冬まで楽しめて、果樹園の果物狩りも盛んです。
また、郡山と会津若松を結ぶ観光列車「フルーティアふくしま」では、車内で福島の果物を使用したケーキを楽しめます。
B.県北(福島)地域のグルメ
飯坂温泉・浄土平・岳温泉のある県北地域(福島市・伊達・二本松・本宮・桑折・国見・川俣・大玉)のご当地グルメを紹介。
02.円盤餃子(福島市)
福島餃子とも呼ばれる、ふっくらとして丸みを帯びた餃子。多くのお店で綺麗な円盤型に盛られて提供される「円盤餃子」が用意されています。
フライパンの形に合わせて丸く餃子を並べてそのままひっくり返すことで円盤型となり、お店にもよりますが20個前後を1皿単位で注文して複数人でシェアして食べるのが一般的。
戦後に飲食店で出されたのが始まり。昔からサラリーマンが仕事帰りに飲食店で食べる文化ゆえ、現在でも夜営業のみのお店が多いです。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 福島市に数十店舗ほど
[推奨店] おがた – ラーメンやビールもある小さなお店で円盤餃子
03.いかにんじん(福島市)
イカのスルメとニンジンを細切りにした、県北で冬に作られるシンプルな家庭料理。
醤油、みりん、日本酒にしっかり浸して味付けするもので、昆布や唐辛子を用いて味を整える場合もあります。
ぬめりが無くニンジンのシャキッとした硬めの食感を楽しめるもので、北海道の松前漬けの前身とも言われるおつまみ、おかずです。
04.エゴマ豚(福島市)
健康食品とも言われるシソ科の「エゴマ」の種を餌に混ぜて飼育した、福島県産のブランド豚。
福島市の福島県畜産試験場で1997年から研究開発を重ねて、2002年に技術確立。
飼育農家は会津地方となりますが、販売は福島市が中心の傾向。柔らかくて味が良く、アレルギー緩和につながる成分を持つのが特徴です。
05.川俣シャモ(伊達市)
絹織物の生産で栄えた伊達郡川俣町にて、闘鶏用のシャモを食用に改良したのが川俣シャモ。
自然の中で放し飼いにし、脂っぽくなく深いコクと適度な弾力が人気の鶏です。
06.安達太良カレー(二本松市)
地元福島の食材をふんだんに使用したカレーとして、各飲食店それぞれがオリジナルで開発した個性豊かなカレー。岳温泉を中心とした二本松市で提供されています。
肉類のカレーであれば福島和牛、安達太良ポーク、あだたら酵母牛などの具材を用いたカレーがあり、他にも煮込んだ野菜類や素揚げの根野菜を使用した野菜カレーも。
変わりものとしてはスリランカカレーやピザカレー、そして昔ながらの食堂カレーはスキー場で提供されているなど。お米も地元産を使用した地元の味を楽しめます。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 二本松市に12店、本宮市に1店
[推奨店] 亀谷坂露伴亭 – 福島素材のスリランカカレー店
07.ざくざく(二本松市)
さいの目に切った野菜を使用した、二本松で伝統的に作られてきた郷土料理の汁物。昔から冠婚葬祭など特別な日に振舞われた食べ物です。
家庭や地域により具材は異なり、野菜はニンジン、大根、ごぼう、こんにゃく、しいたけ、鶏肉などを使用。食材を無駄にしない知恵として、各具材を1cm角のサイコロ状に切ります。
汁も地域によって異なり、煮干しでダシをとって醤油、みりん、塩などで味付けがされたものなど。また、同じ福島県でも会津の郷土料理「こづゆ」も似た料理として比較されます。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 二本松市に17店舗以上
[推奨店] 千の花 – ざくざくを楽しめる郷土料理の和食店
C.県央(郡山)地域のグルメ
布引高原・あぶくま洞・福島空港のある県央地域(郡山・須賀川・田村・三春・小野・鏡石・天栄・石川・玉川・平田・浅川・古殿)のご当地グルメを紹介。
08.クリームボックス(郡山市)
厚めの食パンに白いミルククリームが塗られた菓子パン。郡山市のパン屋さんや学校の購買に大抵置いてある、ご当地のパンです。
1976年に市内のパン屋「ロミオ」が提供したのが始まりと言われ、現在では市内パン屋18店舗でスタンプラリーが行われるほどのPRっぷり。
珈琲クリームなどフレーバー付きのクリームを用いた商品もあります。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 郡山市26店舗、県内36店舗、他県にも数店舗
[推奨店] ロミオ – クリームボックスの元祖となるパン屋さん
09.郡山グリーンカレー(郡山市)
緑豊かな農業都市の郡山をPRするために登場した、新ご当地グルメ。
郡山市出身の音楽グループ「GReeeeN」も由来のひとつで、ほうれん草やグリーンピースを使用して緑色を出したカレー。
居酒屋、イタリアン、ホテルレストランなど日本系の店に加えて、海外の店主によるタイ料理やアジアン料理の店でも提供されています。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 郡山市に数店舗
[推奨店] プチグリーン – 郡山商店街のオシャレなイタリアン
10.かっぱ麺(須賀川市)
須賀川名産のキュウリを使用した、ヘルシーなご当地の麺料理。
キュウリの搾り汁を練り込んだ薄緑色の麺を使用し、キュウリと様々な具材を盛り付けたもの。
各店舗で独自の趣向を凝らしたダシ汁に、特製みそを溶かしながら食べるのが特徴。市内で採石される「江持石」の粉を使用した専用の器を使用したお店も多いです。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 須賀川市に約19店舗
[推奨店] 大黒亭 – かぼちゃ乗せの豪快な見た目のかっぱ麺
11.三春三角揚げ(三春町)
三春町では豆腐屋さんによる大豆製品がいくつかあり、その中で三角の形で提供される油揚げ「三角揚げ」が郷土料理となっています。
この「三角揚げ」をもとに創作をした「ほうろく亭」の名物が「油揚げほうろく焼」。古くから提供されている発祥店で、中にネギなどを入れて表面に味噌を塗ったものです。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 三春町で数店舗
[推奨店] ほうろく亭 – 和の雰囲気たっぷりで油揚げほうろく焼が名物
12.三春グルメンチ(三春町)
ピーマンが名産で全国的に出荷量が多い三春町にて、2012年4月に三春滝桜のイベント用に登場したご当地B級グルメ。挽肉に刻んだピーマンを混ぜて揚げた、ピーマン入りのメンチカツです。
下味を付けて揚げることからソースなどを付けなくても美味しく食べられるのがひとつの売りで、お好みでソースをかけるのも可です。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 三春町に7店舗ほど
[推奨店] ほうろく亭 – 名物御膳で三春グルメンチとほうろく焼のセット
D.県南(白河)地域のグルメ
白河関跡・滝川渓谷・鹿角平天文台のある県南地域(白河・西郷・泉崎・中島・矢吹・棚倉・矢祭・塙・鮫川)のご当地グルメを紹介。
13.白河ラーメン(白河市)
豚骨や鶏ガラでダシをとった醤油ベースの澄んだスープに、多加水の縮れ麺を使用した醤油ラーメン。ほうれん草と鳴門巻きがトッピングされるのが特徴のひとつです。
米沢ラーメンや十文字ラーメンなどとともに東北で古くから親しまれている、中華そばタイプの郷土食となるご当地ラーメン。
古くは木の棒で麺を打つ手打ちの縮れ麺が主流だったもの。「亀源」が発祥店と言われ「とら食堂」で修行した店員が独立して店が広がっていったと言われます。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 白河市に100店舗以上
[推奨店] 菊忠 – 亀源から派出した白河のラーメン店
14.白河そば(白河市)
約200年前に白河藩3代藩主の松平定信が推奨した、冷害に強い蕎麦(そば)の栽培を起源とする「白河そば」。阿武隈川水系の水に恵まれた土地で生まれた、白河のそば文化です。
信州、出雲、盛岡とともに「日本四大そば処」のひとつとも言われ、打ち方、つなぎ、つゆに技術と伝統を持って今まで味を守り続けているものです。
白河そばの代表的なメニューは、小さめの器に小分けして盛ったもりそばを段々に重ねた「割子そば」。イクラ、なめこ、山菜などの具材も小皿で添えて、少しずつ色々な味を楽しめます。
他にも、かけそば、ざるそばなどの食べ方でいただけます。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 白河市に16店舗以上
[推奨店] 吉田屋 – 割子やざるで楽しめる白河駅徒歩圏の蕎麦屋
E.県東(浜通)地域のグルメ
ハワイアンズ・湯ノ岳平和観音・廃炉資料館のある県東地域(いわき・相馬・南相馬・新地・飯舘・広野・楢葉・富岡・川内・大熊・双葉・浪江・葛尾)のご当地グルメを紹介。
15.カジキ料理(いわき市)
港町のいわきで揚がる魚「カジキ」を使用した、揚げ物を中心とした様々なカジキ料理。(カジキマグロではありません)
寒流と暖流が交わる潮自の海で発生する多くのブランクトンにより、カジキの漁揚として有名。
平成24年度からカジキグルメによる町おこしを進めており、カジキグルメのイベントも開催してブランド化を目指しているものです。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] いわき市に約22店舗
[推奨店] 竹むら – 海鮮丼も美味しく窓口販売でカジキメンチも
16.なみえ焼きそば(浪江町)
もやしと豚肉を具材として、太めの麺を特徴とする焼きそば。ラードで炒めて濃厚なソースで味付けした、ご当地焼きそばです。
1950年頃に登場したものとされており、浪江の労働者のために食べ応えと腹持ちの良い太めの麺を使用したのが由来。一味唐辛子をかけて食べるのが一般的です。
東日本大震災で避難指定区域となったため、現地での提供は断念。福島市など他の市町村で提供を続け、2020年8月に開業した「道の駅なみえ」など浪江町で復活しつつあります。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 県内に数十店舗
[推奨店] 道の駅 南相馬 – 浪江よりも北にある道の駅で焼きそば
F.県西(会津)地域のグルメ
猪苗代湖・塔のへつり・大内宿のある県西地域(喜多方・会津若松・北塩原・西会津・磐梯・猪苗代・会津坂下・湯川・柳津・三島・金山・昭和・会津美里・下郷・檜枝岐・只見・南会津)のご当地グルメを紹介。
17.磐梯山ジオカレー(猪苗代町・磐梯町)
貴重な地形や地質を持つジオパークのひとつ、磐梯山。その磐梯山をご飯、猪苗代湖をカレールーに見立てて盛り付けをしたカレーがコレ。
地元産の野菜を使用したお店もあり、各店で趣向を凝らした具材で楽しませてくれます。
かつて「岩なだれカレー」と呼ばれたご当地グルメがパワーアップして「磐梯山ジオカレー」という名前になりました。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 猪苗代湖の北側に約21店舗
[推奨店] 猪苗代地ビール館 – ブルワリー2階で賑わうレストラン
18.会津ソースかつ丼(会津若松市)
会津では卵とじのカツ丼ではなく、衣にソースを馴染ませたソースカツ丼が昔から親しまれています。丼ご飯に千切りキャベツを敷いてソースカツを乗せたものです。
大正時代の洋食カフェでカツレツと鰻かば焼きをヒントとした説や、昭和時代に東京の洋食コックを招いて生み出した説など起源は諸説あります。
ロース肉とヒレ肉のどちらを使用するかは店によって分かれ、卵とじソースかつ丼で提供するお店も少しあります。2004年にソースカツ丼の会が結成されてPRにも力が入ります。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 市内に加盟店14軒と他にも提供店あり
[推奨店] ハトヤ分店 – 七日町でソースカツ丼が名物の食堂
19.わっぱ飯(会津若松市)
会津のグルメのひとつで「わっぱ」と呼ばれる竹の器にご飯と具材を盛った料理。
鮭、イクラ、カニなどの魚介類をはじめとして、タケノコ、キノコ類、山菜などの具材を盛り付けたものです。
20.会津白べこラーメン(会津若松市)
会津産の牛乳を使用した白いスープが特徴のご当地ラーメン「白べこラーメン」。
濃厚クリーミーさを売りとして寒い冬に体が温まるものとして、新しい名物として売り出しています。
お店によって塩味や味噌味があり、味噌ラーメンは白味噌と牛乳の相性の良さにバターやコーンなどのトッピングが魅力です。
21.会津の馬刺し(会津若松市)
全国的には熊本などが馬刺しで有名ですが、会津もまた馬刺しが名物の土地柄。
会津では辛子味噌を付けて食べる文化で、飲食店でも大抵は辛子味噌が皿の端に付いて出てきます。
22.会津地鶏(会津若松市)
平家の落人がペット用として会津地方に持ち込んだのが由来とされている鶏。
養鶏文化が弱い土地柄な上に、産卵頻度が少なく繁殖性も低い鶏ゆえ絶滅寸前になったことも。
福島県養鶏試験場による原種維持と繁殖によって現在は食用のブランド化まで進んでいます。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 会津若松市を中心に約27店舗
[推奨店] 地鶏ーな – 豊富な280円均一料理が売りの居酒屋
23.会津地鶏卵(会津若松市)
前述の会津地鶏の卵もご当地の味として活用されており、味付け卵、玉子焼き、オムライス、プリンなど色々な形で楽しめます。
会津地鶏は2日に1度くらいの頻度でしか卵を産まないため、2日分の濃さの卵という特徴があります。
[店一覧] Google店一覧検索
[店分布] 会津若松市を中心に約6店舗
[推奨店] フクスベルグ – 猪苗代の街にひっそり佇むケーキ屋
24.喜多方ラーメン(喜多方市)
豚骨と煮干しのダシをベースにした透明な醤油味のスープに、独特の縮れと柔らかさが特徴の「平打ち熟成多加水麺」が特徴の醤油ラーメン。
チャーシュー、白ネギ、メンマ、ナルトのオーソドックスな中華そばで、醤油の蔵が多い喜多方の街を象徴するグルメです。
市内120店舗とダントツの店舗数を誇り、日本三大ラーメンのひとつとも言われています。
25.山都そば(喜多方市)
飯豊連峰のふもとの山都では、つなぎを使用せず「製粉歩留り70%以内」という条件で打つ十割そばが名物。
寒暖差が激しく良質のそばが育ち、おもてなしにそばを振る舞う習慣が息づく街。
毎年「新そば祭り」「寒晒しそば祭り」「雪室そば祭り」という祭りが行われる、蕎麦の街です。
26.菜の花はちみつ(喜多方市)
喜多方市のスキー場「三ノ倉高原」は、春の菜の花や夏のひまわりが名物の観光地。
地元の方の試行錯誤により、国内では珍しい「菜の花から採れた蜂蜜」を販売しています。
まとめ
有名な喜多方ラーメンだけでなく、様々なグルメを楽しめる福島県。
福島餃子やカレーなど食事として楽しめるものに加えて、いかにんじんなど酒の肴として楽しめるグルメもあるので旅行の夜の居酒屋も楽しい土地。
今回紹介した以外にもまだまだご当地グルメが多く、特に「浜通り」と呼ばれる海沿いの街の名物を紹介しきれていませんので随時追記しておきます。
以上、福島県全般のご当地グルメ特集でした。