新選組の歴史を持つ函館をはじめとして、港町が多くて海の幸が豊富な道南エリア。
イカ漁の船の灯りが海に点々と輝く「いさり火」が夏から秋にかけての名物で、イカ料理の文化が色濃い土地柄。
今回は道南の旅行者に向けて、道南エリアの飲食店で楽しめるご当地グルメを紹介します。
セシモ コイ
道南のグルメ分布図
道南のグルメはこんなに豊富!番号順に紹介していきます。
A.東部(函館)地域のグルメ
湯の川温泉・五稜郭・大沼公園のある東部地域(函館・北斗・七飯)のご当地グルメを紹介。
01.函館塩ラーメン(函館市)
北海道三大ラーメンのひとつで、あまり煮立てず透明度の高さが特徴の塩ラーメン。
江戸末期に国際貿易港として開港し、中国南部から塩スープが伝わったのが由来。海鮮ダシを加えるなど独自の進化を経て現在の味として定着。
ストレート細麺にシンプルな具材のお店が多く、老舗だけでなく新たな個性派のお店も人気。
02.イカ料理(函館市)
函館朝市など漁港としてにぎわう函館にて、特に名物なのがイカ。1~5月はヤリイカ、6~12月は真イカ(スルメイカ)の時期です。
成熟した真イカが6月頃に函館沖を通ることから美味しいとされ、船内に生け簀を持つなど流通体制が整っていることが新鮮さの秘訣です。
03.はこだてチャウダー(函館市)
函館近海のシーフードを活用した煮込み料理として、2017年に誕生した新ご当地グルメ。日本でも開港で早くから西洋文化が入った函館ならではの洋風グルメです。
西洋料理のクラムチャウダーを函館流にアレンジしたもので、函館産の昆布をダシに使用。
具材もできるかぎり道南産を使用。シーフードの種類は店により異なりますが、3種類以上のシーフードをメインとして道内産の野菜も使用するなどのこだわりがあります。
04.函館ハンバーガー(函館市)
函館といえばハンバーガーのチェーン店「ラッキーピエロ」が有名。函館にしかないお店で市内ではマクドナルドより多い店舗数を誇ります。
函館ならではの特徴は薄いですが、道南の素材を使用した商品もいくつかあります。
最近では地元牧場の牛肉使用が売りの「ホットボックス」や、地元不動産ビルに入った「シートールドミー」など、高級路線のお店も登場。
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[店分布] 函館市に数十店舗
[推奨店] ラッキーピエロ 峠下総本店 – 七飯町の本店でバーガーを
05.豚肉やきとり(函館市)
豚精肉の文化が強い道南では焼き鳥に豚肉がよく使用され、豚バラ串を主力として色々な焼き鳥をオーダーできます。
代表的なのが函館市を中心に店舗展開する「ハセガワストア」で、1978年にお客さんがお弁当を求めた際に、とっさに店にあるご飯、海苔、焼き鳥を組み合わせて作ったのが由来です。
個人店などの居酒屋でも豚肉のやきとりがあり、豚精肉、豚タン、トントロなど色々な部位を楽しめるお店も。もちろん鶏肉の焼き鳥も豊富です。
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[店分布] 函館市に数十店舗
[推奨店] ハセガワストア昭和店 – コンビニと弁当屋を兼ねる名店
06.大沼だんご(七飯町)
函館よりも北にある国定公園「大沼公園」の名物といえば、大沼だんご。
うるち米で作られた一口サイズの小さい団子に小豆餡、醤油、ゴマ餡などが塗られています。
もともと駅売りから始まった銘菓ゆえ、今でも駅弁風の紙包みで売られているのも特徴。
07.アップルパイ(七飯町)
日本で最初に西洋りんごが栽培された七飯町。現在もリンゴが名産のひとつで、町の花や道の駅のロゴにもリンゴが使用されています。
北海道開拓使が明治時代にりんご苗木を輸入して七重で栽培を始め、それが青森県に広まった歴史があります。
りんごジュースなど加工品も色々ありますが、アップルパイもひとつの名物。七飯町のケーキ屋さんや道の駅で楽しむことができます。
08.はこだて和牛、大沼牛(道南全域)
道南におけるブランド牛の代表は「はこだて和牛」で、木古内町で年間220頭前後しか出荷されない褐毛和種(あか牛)として1991年頃から出荷している代表ブランド。
あか牛の特徴としてサシ(脂肪分)が少なく赤身が柔らかく、牛肉本来の旨みを楽しめます。
他には国定公園「大沼公園」がある七飯町の名産として、ホルスタイン種の「はこだて大沼牛」とさらに黒毛和種を交配させた「はこだて大沼黒牛」があります。
とうもろこし等の専用飼料と豊富な地下水を用いて自然豊かな大沼で育てられた牛で、味わい深い赤身に甘みある脂が特徴。大沼周辺に多い洋食の店でよく利用されています。
09.たらこ料理(鹿部町)
噴火湾に面した鹿部町の名物は「たらこ」。冬の噴火湾で産卵のために来遊するスケソウダラの卵を使用したたらこ料理が豊富です。
昭和43年に鹿部町で創業した道場水産が扱うたらこを近隣飲食店が活用し、たらこ天丼をはじめとして様々なたらこ料理を楽しむことができます。
10.いかめし(森町)
もち米、うるち米などのご飯をイカの胴内に詰めて炊き上げた、北海道渡島地方の郷土料理。
森町の名物として有名。森駅の駅弁として「阿部商店」が昭和16年に考案したのが発祥と言われる一方、森町「柴田商店」も元祖を名乗る名店です。
戦時中に米を節約しても満足感を得られる料理とされており、現在はご飯だけを入れるシンプルなものから、ゲソ、タケノコ、人参などを入れた商品もあります。
B.南部(松前)地域のグルメ
松前城・青函トンネル記念館・滝瀬海岸のある南部地域(松前・福島・知内・木古内・江差・上ノ国・厚沢部・乙部)のご当地グルメを紹介。
11.松前マグロ、マグロ三色丼(松前町)
松前城を持つ城下町の松前(まつまえ)町。青森県の大間マグロと同じ津軽海峡に面した松前でも、マグロが名物で松前マグロと呼ばれます。
マグロの体温で身焼けをするのを防ぐため、船の上で活〆にする処理を迅速に行うことを売りにしてブランド化。
最近では活〆技術も向上しており市場で高く評価されてきています。また、ご当地グルメとしてマグロ三色丼を提供するお店もあります。
12.松前漬け(松前町)
海産物と昆布を醤油で漬けこんだ保存食で、松前藩の郷土料理として発祥したもの。
数の子、スルメがよく使用されますが、タコやホッキ貝など様々な海産物で作られたものも。
人参、生姜、唐辛子が入ることもあります。海産物の販売店だけでなく、松前や北海道の食事処で小鉢として付随することもあります。
13.知内牡蠣(知内町)
青函トンネルから北海道新幹線が出てくる海沿いの知内(しりうち)町。知内産の牡蠣(カキ)は国内で唯一、外海で育つと言われています。
津軽海峡の冷たく澄んだ海水と知内川から流れ込む山からの養分によって、臭みが少なくてプリっとした食感と旨みを持つのが特徴です。
知内番屋やお祭りで提供される他、周辺の町の飲食店で提供されることもあります。
C.北部(八雲)地域のグルメ
噴火湾・間歇泉公園・玉川公園のある北部地域(鹿部・森・八雲・長万部・せたな・今金・奥尻)のご当地グルメを紹介。
14.二海カレー(八雲町)
道南の酪農王国と呼ばれる八雲(やくも)町の新ご当地グルメとして、八雲の牛乳を使用したホワイトカレー。牛乳を使用したシチュー的な見た目ながら、味はカレー。
二海郡八雲町は全国で唯一、太平洋と日本海の双方に面した市町村として二海(ふたみ)と名付けられた土地。その名前を活かして二海カレーという名前のグルメに。
太平洋側の八雲のホタテ、日本海側の熊石のタコをメインに使用した、二つの海の素材が合わさった具材。旬の野菜も使用されます。
15.塩キャラメルプリン(八雲町)
八雲のご当地グルメコンテスト2012でグランプリを獲得したスイーツ。地元菓子舗で商品化したのが、塩キャラメルプリン。
八雲産の牛乳、ミネラルウォーター、熊石の海洋深層水から採った塩などを使用した豊かな味わいのプリンです。
16.かにめし(長万部町)
酢飯などのご飯の上に茹でた蟹の身を乗せたもので、蟹の身をほぐした状態で散らしたお弁当として売られているのが一般的。
今では北陸や山陰でも販売されていますが、もとは長万部駅の駅弁として昭和25年に「かにめし本舗かなや」が考案したものが始まりです。
17.ウニ丼、ウニ鍋(奥尻町)
道南の日本海側に浮かぶ離島「奥尻島」は海の幸が豊富で、とりわけウニが採れる道南屈指の名所。
ウニ漁は7月中旬から8月中旬にかけてと短い期間で、夏が旬となるグルメ。キタムラサキウニという種類で、白みがかった身の明るい見た目と上品な味わいが特徴。
食べ方の定番はウニ丼で、どんぶりのご飯を覆うたっぷりのウニが乗ります。お店によってはウニの刺身やウニ鍋として提供するところもあります。
まとめ
魚介類が豊富な道南エリアですが、こうして見てみると市町村それぞれに漁獲できる魚介の種類が異なることで土地それぞれのグルメが存在します。
牛、豚などの酪農畜産も加味されたグルメの数々。函館本線の駅弁「かにめし」「いかめし」も駅以外で広く売られており、道南のあらゆるエリアで味覚を楽しめます。
以上、北海道の道南エリアのご当地グルメ特集でした。