サービスをしない宿「旅籠屋」が便利な9つの理由

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旅籠屋

全国展開する宿の中でも特異なホテル「ファミリーロッジ旅籠屋」をご存知でしょうか?

2階建ての綺麗なマンション風の宿がロードサイドに建てられており、基本は一般的なビジネスホテルと同じようなサービス。

しかし、実は一般のホテルや旅館にあるさまざまな欠点が解消されていて、かなり機能的な宿なのです。

今回は旅籠屋がどのような特徴があって便利なのか、筆者が宿泊した経験をもとに魅力をお伝えします。

料金的には1人だと割高ですが、4~5人の家族宿泊だと激的に安くてオススメです!

1.旅籠屋ってどんな宿?

(1)車移動者向けの宿泊施設

旅籠屋写真 2階建て駐車場付き!屋根付きエントランスからフロントへ

旅籠屋はアメリカのモーテルをモデルにして、国内企業としてチェーン展開した宿泊施設です。

日本でモーテルというとラブホテルをイメージする方もいますが、アメリカでは車移動者向けの宿泊施設として位置づけられています。つまり、

『モーター(車移動者向け)+ホテル(宿泊施設)=モーテル』

で、ビジネスホテルが主体となる前から日本で先駆けて展開してきたのが旅籠屋です。

(2)サービスをしないホテル

創業者いわく、旅籠屋のコンセプトは「サービスをしないホテル」。これは、付加価値をつけない、過剰サービスをしないという意味合いです。

旧来の宿では「夕食があるのでチェックイン時間が早い」「温泉や娯楽施設など充実しているぶん値段が高い」など、付加価値で勝負してきたぶん制約も多いもの。

それに対して「単に寝泊まりしたい」という一定客のニーズに応える形で登場したのが旅籠屋で、朝食はセルフで付くものの他は最低限の宿泊機能のみ備えています。

旅籠屋の概要と創業者によるインタビューは以下の動画が参考になります。

2.筆者が感じる旅籠屋の利点9つ

一般的な旅籠屋の特徴は以上のとおりなのですが、意外に語られない魅力がいくつかあります。筆者の体験をもとに解説してみます。

利点1.フロント受付が簡易的かつ機能的

一般的なホテルに比べて小さめなフロントですが、基本カラーの黄色をイメージした暖かみあるアットホームな印象。マスコットの熊もかわいいです。

旅館やビジネスホテルのフロントは「豪華だけど使われていない」ことが多いですが、旅籠屋は意外とこの小ささゆえソファー使う人がいて朝食時間に利用する人も多いもの。

地域貢献も意識した企業のため、各宿独自の観光パンフレットが充実しているのも特徴。ご当地グルメのマップまで置かれているのがスゴイです。

利点2.チェックイン後はフロントを通らず外出できる

旅籠屋は客室が外廊下でつながったマンションタイプで、2階客室も外階段を利用する構造。

そのため、チェックイン時に鍵を受け取った後はフロントを利用せずに「部屋に鍵をかけて外廊下を経て外出」できるのです。

一般のホテルでは外出時にキーを預けるところも多くて煩わしいので、これはなかなか便利です。

利点3.部屋から駐車場まで1分以内で行ける

部屋から自分の車に乗るまで、わずか1分以内。一般の旅館だと下手すると5分はかかるので、これはガチで便利です。

旅籠屋は夕食が一切付かないので、チェックイン後に「外のレストランで食べよう」「コンビニでご飯やお酒を買ってこよう」というときの外出も簡単。

一般のホテルのように館内で割高かつ選択肢の少ないお酒を買うよりは、コンビニのほうが圧倒的に便利ですしおつまみも豊富。

車に置き忘れたものを取りに行くのも速攻ですし、大荷物は車に置いたままでも不便が無いです。

利点4.全店舗で統一された機能でリピート利用者に便利

旅籠屋写真 クイーンサイズの広いベッドが2つのオシャレな空間

旅籠屋は全店舗でほとんど同じ客室レイアウト。面白くないと言えばそれまでですが、反対にどの店舗でも同じ機能ゆえリピート利用者は慣れた感覚で利用できます。

旅籠屋に泊まれば「この備品は必ずある」「この機能は必ず備わっている」となるので、おそらくリピート率が高いのだろうと推測できます。

利点5.広くて使いやすいテーブル

筆者お気に入りなのがテーブル。朝食利用を前提としているため、何も置いていなくて広く使えるのが実に便利です。

ノートパソコンや書類を広げてすぐに作業できますし、近くにコンセントも2つ空きで存在するので電源確保も不便なし。

一般のビジネスホテルだと細長くて狭いテーブルにもかかわらずテレビ、リモコン、宿案内ブック、有料チャンネルパンフ、内線電話、電気スタンドなどが並べられている不便さ。パンフレットを引き出しにしまおうものなら、中には聖書が!という状態。

旅籠屋の場合、利用案内は壁コルクに貼られているので場所取らずで機能的です。

利点6.バリアフリー完全対応の部屋あり

旅籠屋は「誰でも利用できるように」と、ほとんどの店舗でバリアフリー完全対応の部屋が1室ほど用意されています。

また、1階にバリアフリー対応のトイレが共用で用意されていますので「一応歩けるけど普段は車いすで階段は無理」という人も1階客室を利用すれば問題なし。

バリアフリーということは、健常者にとっても安全で便利とも言えます。2階客室だと外階段利用必須ですが。

利点7.明るく清潔感あるクイーンベッド2台の客室

新築に近い香りの客室。水回りが奥にある構図ゆえ、入口から見えるクイーンサイズのベッドが2つというインパクト。

ベッドが広いと着替えなどを広げて荷物整理もしやすいですし、ベッドスタンドで電気をすべて操作できる作りなので寝るときも便利。ベッドスタンドにも電源あり。

全部の客室がこの構成で、4~5人で1室宿泊することでかなり格安に泊まることができます。

利点8.鍵はマンションタイプでシンプル

地味ながら部屋の鍵が便利。一般的なマンションタイプ(左にひねって閉、右にひねって開)なので、使い慣れた感覚で利用できます。

キーの札も細長タイプではなく、オシャレな楕円形でポケットに入れやすい。部屋番号も大きめプリントで見やすく、外出時にも便利。部屋番号も2桁で覚えやすいです。

一般のホテルのオートロックって実に不便。回しながら押す、カードキーを当てる、などホテルによって様々でガラパゴスの典型。特にオートロックは外出時に気を使います。

その上、キーを壁のボックスに差し込まないと電気が使えないという極悪仕様のホテルだと、外出中に充電できないなどのデメリットも。その点、旅籠屋はコンセントも豊富。

利点9.朝食のパンが美味しくてコーヒー付き

旅籠屋写真 部屋に持ち帰って食べられるパンとセルフのコーヒー

宿泊料金には朝食分が含まれていて、朝はフロントで用意されるパンを各自が好きに取ることができます。

かごに盛って部屋で食べるのもOKとなっていますし、フロントの椅子とテーブルで食べることもできます。レンジも用意されていて、温めて食べることも可。

フロントにコーヒーメーカーが置かれていてブレンドを楽しめますし、朝はオレンジジュースも用意されています。

パンは確か4種類あり、ロールパン、スティックパン、クロワッサン。ロールパンの中にはバター(たぶんマーガリン)が入っているので塗る手間が省けるのも好評。

筆者的にはクロワッサンがお気に入り。簡易的な朝食ですが不足のない内容です。

その他の利点

あまり解説しすぎると長くなるので、残りの利点を箇条書きにしてみました。

 ・入口で靴を脱ぐので裸足でベッド周りを歩ける
 ・戸のないクローゼットが便利でキャリーバッグも置ける
 ・トイレとバスが別々
 ・コインランドリーも1階共用部分に設置(有料)
 ・フロントが空いてる時間帯はコーヒーメーカー利用自由
 ・子供、ペットも利用可能

車でアクセスしやすい立地も便利が旅籠屋の特徴で、車必須な立地の店舗が多いため徒歩や公共交通機関での利用は難しいです。

3.料金体系と店舗

旅籠屋
画像 ほとんどの店舗で共通の料金体系表

料金はごく一部の店舗を除き、99%ほどの店舗で全国統一料金表が設定されています。

ハイシーズンとトップシーズンの扱いは店舗によって異なるので厳密には統一ではないですが、おおまかにまとめると以下のとおり。詳しくは旅籠屋のサイトにて。
 ・土曜日はほとんどの店舗がハイシーズンかトップシーズン
 ・一部の店舗では金曜日もハイシーズン
 ・祝日が絡むとハイシーズンかトップシーズンになる

全国約60店舗を展開しており、その多くは本州とくに東日本に集中。北海道はゼロ、九州は2軒となっており、今後の展開に期待したいところ。

サービスエリアにも存在し、佐野SA(栃木県)、宮島SA(広島県)、壇ノ浦PA(山口県)、そしてハイウェイオアシスの吉野川SA(徳島県)。高速道路を降りずに宿泊できます。

筆者が利用したのは愛媛県の新居浜店。宿の方も優しくて、2018年の13県ふっこう割の書類も丁寧に対応してくれた点も良かったです。

まとめ

旅籠屋のコンセプトは「サービスをしないホテル」ですが、以上のとおり基本的な機能に対する利便性は抜群。挙げた特徴9つをまとめると、

 ①フロント受付が簡易的かつ機能的
 ②チェックイン後はフロントを通らず外出できる
 ③部屋から駐車場まで1分以内で行ける
 ④全店舗で統一された機能でリピート利用者に便利
 ⑤広くて使いやすいテーブル
 ⑥バリアフリー完全対応の部屋あり
 ⑦明るく清潔感あるクイーンベッド2台の客室
 ⑧鍵はマンションタイプでシンプル
 ⑨朝食のパンが美味しくてコーヒー付き

一般の旅館やビジネスホテルの不便さを解消した、これらの機能は実際に宿泊した筆者からしても快適すぎて感動したほど。

1人利用だと料金が高めなのがネックですが、平日の安い日や家族など4~5人での宿泊はかなりリーズナブルでオススメできる宿です。

以上、全国展開チェーンホテル「ファミリーロッジ旅籠屋」の紹介でした。

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セシモ コイ (瀬下 恋衣)
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