群馬や箱根など温泉地が豊富な関東では、都心を離れつつ行きやすい距離の高原などに宿が色々とあります。
料理を特徴とする宿から温泉や露天風呂が珍しい宿まで多彩で、テレワーク向けとして仕事と温泉を楽しめる宿まで登場しています。
今回は、関東地方の特徴的な宿を紹介します。
セシモ コイ
A.茨城県の特徴的な宿
01.アーク ライフスタイルスペース&ホテル(水戸市)
ドリンクやビールを楽しめるカフェラウンジを持ち、長期滞在や仕事利用を意識したビジネスホテル。JR水戸駅南口から徒歩8分で、駐車場も無料という好立地です。
ラウンジは2階にあり、木材を中心としてソファやテーブルでカフェ的に作られた空間は仕事兼の宿泊としてピッタリ。時間制のドリンクや、茨城県のクラフトビールも販売されています。
部屋は洋室シングルやツインで、大浴場は無いですが、全室バストイレ付き。基本は朝食付きプランで、お膳式の和定食とのこと。
02.うのしまヴィラ(日立市)
JR日立駅から車で約10分の立地で、太田尻海岸の砂浜沿いに建つ海辺の宿。木材を駆使した外観は「海辺に建つカフェのような雰囲気」を意識しつつ「セカンドハウス」がコンセプト。
オーシャンビューに日の出も楽しめる全7室の小さな宿で、木材感の強いフローリング洋室と畳の和室。海を一望できる大浴場からの景色も魅力で、有料貸切できる内湯小浴場もあり。
食事も無添加の素材と手作りにこだわるもので、旬の素材を使用した和朝食とハレの日をイメージした創作の夕食も売り。手間いらずで楽しめるスマートバーベキューも選べます。
03.星野リゾート BEB5土浦(土浦市)
JR土浦駅から直結で入れる「ちょっとルーズに過ごせる」がコンセプトのホテル。星野リゾート系列ですがビジネスホテル価格帯で、大浴場は無いですがバスとトイレが別なのが利点。
オシャレなラウンジ「TAMARIBA」があり、ソファやカーペットでゆったり座り談笑やゲームなど。サイクリスト向けに自転車を置ける場所もあり、レンタサイクルにも対応しています。
自転車を置けてシングルルーム的にも使えるサイクル、シンプルで通常使いしやすそうなダブル、2段ベッドを巨大にしたようなヤグラルームという3種類の客室があり、どれも特徴的です。
B.栃木県の特徴的な宿
04.桓武平氏ゆかりの宿 揚羽 ~AGEHA~(日光市)
湯西川温泉でかつて武家屋敷の住居として使用されていた建物をもとに、江戸初期の1718年に創業した源泉湯宿。現在は38代目まで続き、リノベートで清潔感も保った美しい宿です。
茅葺きの門をくぐり、館内は調度品のタンスなどに欄間など和を感じる古民家の内装。スローライフを意味する「時感」をコンセプトとした空間づくりでゆったりと。
渓谷を見下ろせる露天風呂は岩を配した風情あるもので、夜と朝それぞれ入浴可能。また有料貸切の風呂もあり。食事も武家料理と田舎料理によるバイキングを夜と朝それぞれ楽しめます。
桓武天皇の流れを組み桓武平氏(かんむへいし)大類武士団の末裔が今も宿を運営しており、現在の38代目も大類氏の一族となる社長やダンサー兼女将などにより続いています。
基本は2名以上での予約受付となっており、お部屋おまかせプランで日によっては2食付き5,000円台で宿泊できる日もあります。
05.モンゴリアビレッジ テンゲル(那須町)
モンゴル式のコテージ「ゲル」で泊まれる宿。那須高原にて周囲を木々に囲まれた一帯にゲルが並び、グランピング的に利用できます。
モンゴルの模様が施された赤い扉のゲルに入ると、モンゴル直輸入の机と椅子が中央にありベッドが周囲を囲む異国の雰囲気。2~6名用のエアコン完備で宿泊機能としては充分。
敷地内には那須高原温泉の露天風呂と内湯があり、夜と朝それぞれ入浴可能。夕食は黒毛和牛のバーベキューなどのプランが用意されています。
モンゴル文化を体験できる宿泊施設として、焚き火カフェ、星空鑑賞タイム、馬頭琴の生演奏会もあり。
06.合歓林オリエンタル(那須町)
6つの貸切風呂を特徴とする、ペンションタイプの宿「合歓林(ネムリン)オリエンタル」。那須ハイランドパークから徒歩圏内で、旅館やペンションが多いエリアにあります。
6つの貸切風呂は24時間予約不要で貸切利用でき、朝風呂も可能。ヒノキ風呂に岩や緑を配した露天風呂など、各お風呂それぞれ異なる風情があります。
部屋は色々なタイプの洋室があり、アジアン風にも感じられるアンティーク調の空間を間接照明が温かい色合いを出す空間もまたこの宿ならでは。
基本は2食付きで、夕食のメインとなる牛ステーキは追加料金で食べ放題に変更も可能。夕食のアルコールとソフトドリンクの飲み放題もあり、サラダバーもあります。
07.ピラミッド元氣温泉(那須町)
建物外観がピラミッドで建物入口がスフィンクスになっているという、外観のインパクトが大きい宿。館内の奇石などの展示物もあり、瞑想室まである変わった宿です。
地下1,200メートルから湧き出る天然温泉の評判が良く、露天風呂や洞窟風呂など数種類あり。風呂によっては別料金となっていますが、各々特徴ある内容となっているようです。
部屋についてはクチコミで「埃があり掃除されてない」など酷評も見られますが、どうやら年季の入った本館プランの様子。多少値段が上がっても新館の部屋を取ったほうがよさそうです。
C.群馬県の特徴的な宿
08.ル・ヴァンベール湖郷(みなかみ町)
水上(みなかみ)の定番温泉地「猿ヶ京温泉」にて、本格ナポリピッツァと5つの貸切露天風呂を特徴として赤谷湖に面した宿「ル・ヴァンベール湖郷(こきょう)」。
本場ナポリで100年以上の歴史をほこるマリオ・アクントの窯を使用した、日本初「薪窯本格ナポリピッツァが楽しめる温泉宿」。ピザに加えて、洋風の夕食を売りとしています。
5つある無料貸切露天風呂は予約不要で利用でき、猿ヶ京温泉100%を源泉かけ流しで。共同の内湯も用意されています。部屋は和室15室と和洋室1室で、全室トイレ有り。
09.四万温泉 積善館 本館(みなかみ町)
四万川の上流域にある四万(しま)温泉にて、朱塗りの橋に歴史ある和の旅館の佇まい。「千と千尋の神隠し」に出てくる「油屋」のモデルと言われ、ジブリ映画ファンも訪れる宿です。
300年以上前に創業した江戸時代の典型的な2階建て湯治宿で、改装を加えつつも太い梁や柱の玄関など建築当時の色を残すことで県の重要文化財に指定されています。
洋風モダンなホール風の内湯大浴場が特徴的で、当時の贅沢さを感じさせる5つの湯船が並ぶ姿にアーチ式窓から入る光も印象的。
食事付きプランでも漆器の和弁当タイプ。セルフサービスの宿として布団は自分で敷いて、トイレ共同など不便さはあります。音も響くそうで、気になる方は別館「佳松亭」もあります。
D.埼玉県の特徴的な宿
10.働Co-living みなのsubako(皆野町)
秩父エリアにて静かな環境で籠って過ごせる宿として、テレワークなど仕事のしやすさを意識した宿「みなのsubako」。共用スペースと各部屋の双方で仕事をして過ごせます。
2タイプの部屋があり、ひとつは靴を脱いで窓向きのデスクで仕事できてベッドも仕切りがある部屋。もうひとつはDIYで巣箱風に2段ベッドとデスクを用意した狭さが特徴の部屋。
宿に隣接した「秩父温泉 満願の湯」があり、宿のプランで1日入浴し放題券が付くものもあり。付近はキャンプ場やドローン養成所があり、川が流れる自然豊かなエリアです。
E.千葉県の特徴的な宿
11.アラビアンアート(富津市)
エジプトでの生活によりアラブ文化に魅了された家族が経営する、アラビアをコンセプトとした洋風ホテル。鴨川シーワールドが近い立地で、レジャーを楽しむ際の宿にピッタリ。
白亜の明るい色を感じさせるテラスや屋外通路からは海を一望でき、6角形ジャグジーの露天風呂からも海を一望できるリゾートホテルの雰囲気たっぷり。
館内も異国文化を感じさせる飾り付けやギャラリーがあり、民族衣装の貸出サービスによるコスチューム体験もあるため非日常を感じることができます。
オーナーの手による地中海風コース料理もひとつの売りで、洋風ツインベッド8室の部屋も明るく上品に作られています。基本は2名以上の予約で、1万円台で宿泊できるコスパの高さも魅力。
12.サカヒジリホテル富津(富津市)
富津市でもダムやゴルフ場などがある山側にて、一棟貸しの家が9つ並んだ宿「サカヒジリホテル富津」。一棟料金ではなく人数で変動するため、少人数でも利用しやすいです。
それぞれの家に駐車場やバストイレが付いており、共同設備がなくて気兼ねなく宿泊できるのが売りという宿です。洋室7件と和洋室2件があり、各々で間取りや雰囲気が異なります。
食事無しプランのみのため、夕食などは事前に計画しておいたほうがいいです。
F.東京都の特徴的な宿
13.タカオネ(八王子市)
東京都を代表する登山ハイキングの定番「高尾山(たかおさん)」にて、高尾山口駅から徒歩1分の場所で2021年7月にオープンした体験型ホテル「タカオネ」。
中庭で楽しむ焚火がひとつの売りで、焚火で作る袋麺「高尾山タキビメン」や焼き芋などを楽しめます。高尾のクラフトビールもあり、食事も楽しめます。
部屋は3~6名用のテラス付き「テラス」や、4~9名用で階段のルーフが付いた「ルーフトップバス」など5タイプの部屋があります。洋室ベッドは木材による2段ベッドなど。
14.Train Hostel 北斗星(中央区)
2015年8月に廃止された寝台列車「北斗星」で使われていた2段ベッドの寝台を部屋に設置し、北斗星ヘッドマークをモチーフにした看板が目立つ宿。JR馬喰町駅すぐの立地も便利。
ベッド幅を10cm広げる改良がされており、コンセント付きでカーテン仕切りも健在。また、A個室としてロイヤルの部屋を再現した部屋もあり、人気で予約が埋まりやすいとか。
2階ラウンジは食堂車「グランシャリオ」を再現しており、当時の机、椅子、ランプが使用されているそうです。共用キッチンも自由に利用可で、シャワー室も男女別で24時間利用可。
(2021年7月をもって営業休止となり、2022年7月段階で再開はしていない様子です)
15.BOOK AND BED TOKYO SHINJUKU(新宿区)
泊まれる本屋として話題の「BOOK AND BED TOKYO」。カプセルタイプの客室ベッドと本棚を一体化させた、木材DIYによるダークブラウンの雰囲気造りがなされたオシャレな空間が特徴。
池袋、浅草、博多(福岡県)、心斎橋(大阪府)など複数店を展開しており、楽天トラベルで予約できる新宿店が利用しやすいです。
新宿店はカフェが併設されており「Coffee supreme」の豆を使用したコーヒーをはじめとしてオリジナルドリンク、フード、アルコールも楽しめます。
シングル、少し広めなコンフォートシングル、そして1~2人で利用できるダブルや窓からの都市夜景を楽しめるスーペリアルームも。共同のシャワーとトイレがあります。
G.神奈川県の特徴的な宿
16.まいきゃっと(湯河原町)
JR東海道本線の真鶴駅から徒歩8分。一時期SNSで話題にもなった「ネコといっしょに泊まれる旅館」で、ねこカフェとペットホテルを併設した宿です。
ねこフロアと宿泊部屋は別のため、ネコちゃん目的でなくても利用できます。海水浴場が近いため、夏場の海水浴目的で利用するのもアリです。
和室6室のみの小さな宿で、お風呂は小浴場ですが石タイルで状況によっては貸切も。安く泊まりたい場合は6畳和室の1~2名用トイレ無しの部屋があります。
まとめ
北関東の温泉地をはじめとして温泉宿が多い中で、異国情緒を感じさせる宿やリゾートホテルは比較的リーズナブルで機能面もしっかりしている様子。
外国人観光客向けも考慮された泊まれる本屋「BOOK AND BED TOKYO」や、神奈川県のネコちゃん宿など色々なコンセプトで楽しめる宿がたくさんあります。
以上、関東7県(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川)の特徴的な宿の紹介でした。