藤子不二雄や永井豪の漫画キャラから現代のアニメまで、イラスト系ラッピング列車が豊富な北陸エリア。
福井県では恐竜観光として恐竜ラッピング列車が走り、旧北陸本線も第三セクター化後に観光列車を投入して期待感たっぷり。
今回は北陸3県(富山県、石川県、福井県)の観光列車を紹介していきます。
セシモ コイ
富山県の観光列車
まずは富山県の観光列車を紹介。藤子不二雄の出身地ならではの列車が走ります。
01.べるもんた(富山県 JR城端線+JR氷見線)
2015年10月に登場した、緑色のレトロな外観が特徴の観光列車。
正式名称「ベル・モンターニュ・エ・メール」と呼ばれ、フランス語で「美しい山と海」の意味。雨晴海岸を筆頭に海岸線の車窓が魅力です。
車内には沿線の伝統工芸「井波彫刻」の木材が美しく、「高岡銅器」をイメージした吊り革などの装飾品による和の雰囲気が出ています。
JR西日本 べるもんた専用サイト
[区間] 高岡駅-城端駅 片道29.9km(土曜)、新高岡-氷見 片道18.3km(日曜)
[時間] 片道約47分(土曜)、片道約64分(日曜)
[料金] 大人 乗車券最大580円+指定席520円
[日付] 通年・土日のみ 1日2往復
02.忍者ハットリくん列車(富山県 JR城端線+JR氷見線)
氷見市出身の藤子不二雄A氏の代表作「忍者ハットリくん」のラッピングが施された列車。背景には富山県の名所や名物が描かれています。
何度かリニューアルが行われており、平成25年11月から白地のラッピング列車が走っています。
走行区間と時刻は日によって異なっており非公開で電話確認とのこと。氷見線ではハットリ君の声で車内案内放送が行われます。
JRおでかけネット 忍者ハットリくん列車
[区間] 高岡駅-城端駅 片道29.9km、新高岡-氷見 片道18.3km
[時間] 片道 約47分~64分
[料金] 大人 乗車券のみ 最大580円
[日付] 不明(当日問い合わせ要)
03.ひみぼうずくん列車(富山県 JR城端線+JR氷見線)
氷見市のマスコットキャラクター「ひみぼうずくん」がラッピングされた列車。
氷見市出身の藤子不二雄A氏が描いた「海坊主の息子」という設定のキャラで、氷見の名物のブリを脇に抱えた姿が描かれています。
ラッピングのみで特に観光列車らしい特徴は無いですが、絵柄の楽しさを得られるデザインとなっています。
JRおでかけネット(公式サイト無し)
[区間] 高岡駅-城端駅 片道29.9km、新高岡-氷見 片道18.3km
[時間] 片道 約47分~64分
[料金] 大人 乗車券のみ 最大580円
[日付] 不明(当日問い合わせ要)
04.ドラえもんトラム(富山県 万葉線)
藤子F不二雄氏が生まれ育った高岡市ではドラえもん関連スポットが幾つかあり、路面電車の万葉線に期間限定のドラえもん列車が1編成登場。
外観は青色をベースに首輪の赤色を配し、ドアはどこでもドアのデザイン。内装も青色を中心としたファンシーな空間です。
外装、内装ともに主要キャラが描かれており、車両の先頭部分にはドラえもんとドラミちゃんのぬいぐるみが置かれています。
万葉線株式会社(解説PDF、時刻表PDFあり)
[区間] 高岡駅-越ノ潟駅 片道12.9km
[時間] 片道 約47分~49分
[料金] 大人 乗車券のみ 最大350円
[日付] 通年・毎日 1日8往復
05.一万三千尺物語(富山県 あいの風とやま鉄道 など)
富山の絶景と味覚を楽しめるダイニング列車として、2019年4月6日に運行開始した観光列車。
標高3,000メートル級の立山連峰の山々と、海洋深層水で馴染みの深海約1,000メートルをほこる海の地形が織り成す「高低差4,000メートル(13,000尺)の景色」がテーマ。
北アルプスの伏流水が日本海へと流れる自然が生み出す、富山湾の魚たちと雪解け水の里山の幸を食事として楽しむことができます。
富山市出身の編集者が中心となってデザインや設計を実施。立山連峰の白と水色、富山湾の海の青をデザインした外観を持つ旧国鉄413系の列車です。
天井、床、テーブルなどに富山県産「ひみ里山杉」を使用した木材感たっぷりの内装に、富山湾を意識した濃い青のクッション。
富山駅から泊駅を折り返して富山駅へと戻る1号「富山湾鮨コース」は、茶碗蒸しや刺身小鉢も付く列車オリジナルの寿司セット。富山駅から高岡駅と黒部駅で折り返して富山駅へと戻る2号「懐石料理コースは、千里山荘が手掛ける四季折々の料理を楽しめます。
富山県の日本酒もいくつか用意されています。
あいの風とやま鉄道 一万三千尺物語
[区間] 1号は富山駅-泊駅-富山駅、2号は富山駅-高岡駅-黒部駅-富山駅
[時間] 約2時間7分~約2時間26分
[料金] 大人 通常プラン13,000円
[日付] 通年・土日祝 1日2往復
06.とやま絵巻(富山県 あいの風とやま鉄道 など)
2016年8月28日に運行開始した、富山の名物が外観にラッピングされた列車。
旧JR北陸本線時代にも走行していた国鉄413系の交流直流両用車が用いられ、車内も洋式トイレ化や座席シート張替など手が加えられています。
区間や時刻が日々変わる定期運行に加えて、県内のイベント開催に合わせた臨時運行や年3回ほどお酒を楽しめる観光列車として運行されます。
あいの風とやま鉄道 とやま絵巻
[区間] 金沢駅-糸魚川駅間の一部区間
[時間] 不定 片道1時間前後が多い
[料金] 大人 乗車券のみ
[日付] 通年・毎日 時刻と本数は不定
07.レトロ電車(富山県 市内電車)
富山地方鉄道が有する富山駅南側を走る路面電車に、水戸岡鋭治氏デザインの電車があります。
富山地方鉄道7000系路面電車を改造し、地味なカラーリングの外観は旧配色に近いデザイン。
床やテーブルに用いられた木材による温かみある車内が魅力。座席のクッションもモダンなデザイン。昔の電車に用いられた灯具による柔らかい明るさと、つり革の木製つり輪でレトロ感満載。
富山地方鉄道 レトロ電車
[区間] 南富山駅前駅-大学前駅 片道6.7km(富山駅発着もあり)
[時間] 片道 約37分
[料金] 大人 乗車券のみ 固定200円
[日付] 通年・土日祝のみ 1日9往復
08.アルプスエキスプレス(富山県 富山地方鉄道)
2011年11月23日に登場した、立山や宇奈月温泉と富山駅を結ぶ富山地方鉄道の観光列車。普通、急行に加えて特急アルペン号として運行。
かつて西武鉄道で特急レッドアロー号の初代として使用された5000系車両で、外観は殆ど変えずに内装を水戸岡鋭治氏がデザイン。
木材をふんだんに使用した内装で窓向きカウンター席やカップルシートなど色々な席が用意されており、サービスコーナーでお酒販売もあり。
富山地方鉄道 アルプスエキスプレス
[区間] 電鉄富山駅-宇奈月温泉駅 片道53.3km、立山駅発着もあり
[時間] 片道 約1時間5分~1時間39分
[料金] 大人 普通と急行は乗車券のみ 特急は乗車券+特急料金 特急2号車はプラス220円
[日付] 通年・土日祝 1日5本程度
09.ダブルデッカーエキスプレス(富山県 富山地方鉄道)
2号車に2階建車両が使用されていることが名称の由来となる、観光列車。
かつて京阪電車の特急として用いられていた列車で、ヘッドマーク位置に京阪時代の鳩マークが復刻されてボディには京都の時代祭行列絵図が。
2号車の1階はプラットホームと近い視点で、2階は通常より1メートルほど高くて遠くまで見渡せる景色が魅力です。
富山地方鉄道 ダブルデッカー
[区間] 電鉄富山駅-立山駅 片道34.0km、平日は岩峅寺駅発着と宇奈月温泉駅発着もあり
[時間] 片道 約49分~1時間13分
[料金] 大人 普通は乗車券のみ 特急は乗車券+特急料金 特急2号車はプラス220円
[日付] 通年・毎日 1日4~6本程度
石川県の観光列車
石川県では、加賀の優雅な列車と能登のアニメラッピング列車を楽しめます。
10.花嫁のれん(石川県 JR七尾線)
和と美のおもてなしをコンセプトに、北陸の伝統工芸の輪島塗や加賀友禅をイメージした外観と内装を持つ優雅な観光列車。2015年10月登場。
石川県を中心に北陸地方各地で見られる婚礼用の暖簾(のれん)および暖簾を用いた風習を「花嫁のれん」と呼ぶのが列車名の由来。
伝統芸能の披露や地元産品の試食販売「楽市楽座」が行われる日もあり、加賀水引や加賀手まりの車内展示も綺麗。
1号車にて食事アルコールなどの車内販売コーナーもあります。
JRおでかけネット 花嫁のれん専用サイト
[区間] 金沢駅-和倉温泉駅 片道71.0km
[時間] 片道 約1時間20分
[料金] 大人 乗車券全区間1,380円+指定席特急券1,370円
[日付] 通年・主に金土日祝 1日2往復
11.のと里山里海号(石川県 のと鉄道)
2015年4月に登場した、能登の「ぬくもり」「懐かしさ」を盛り込んだ観光列車です。
素朴さの中に上質な深みのある青の外観。内装はオレンジ色を基調とした里山車両と、青色でスタイリッシュな雰囲気の里海車両が1両ずつ。
能登の伝統工芸品のギャラリースペースや、七尾湾を眺める窓向きの席などが特徴。珈琲やお酒を扱うサービスカウンターもあります。
のと鉄道 のと里山里海号専用サイト
[区間] 七尾駅-穴水駅 片道33.1km
[時間] 片道約62分
[料金] 大人 乗車券全区間830円+乗車整理券300円(平日)、指定席乗車券1,500円(土日祝)
[日付] 通年・月火木金土日祝 1日2.5往復
12.花咲くいろは列車(石川県 のと鉄道)
石川県の架空の温泉街「湯乃鷺温泉街」を舞台にしたアニメで、実際の湯涌温泉と西岸駅などがモデルとして登場。
2012年3月24日からラッピング列車が登場し、現在ではリニューアルの第4弾デザインで走行。
萌え系キャラに桜や青空のデザインが美しく、時間帯によってアニメバージョンの車内放送が流れます。
のと鉄道 ラッピング列車情報
[区間] 七尾駅-穴水駅 片道33.1km
[時間] 片道 約39分~1時間2分
[料金] 大人 乗車券のみ 最大830円
[日付] 通年・毎日 1日1~6往復
13.マジンガーZ列車(石川県 のと鉄道)
永井豪キャラクター列車として、主にマジンガーZが描かれたラッピング列車。
キューティーハニー、デビルマンなど名作が多い輪島出身の漫画家・永井豪さんを由来とした観光列車です。
外観だけでなく車内にもキャラデザインが施されており、原作者の永井豪さんと主題歌を歌った水木一郎さんのサインも飾られています。
のと鉄道 ラッピング列車情報
[区間] 七尾駅-穴水駅 片道33.1km
[時間] 片道 約39分~1時間2分
[料金] 大人 乗車券のみ 最大830円
[日付] 通年・毎日 1日1~6往復
福井県の観光列車
福井県では、恐竜博物館へのアクセスに便利な列車などが活躍しています。
14.越前大野城号・恐竜化石号など(福井県 JR越美北線)
福井県の九頭竜湖、越前大野市街、一乗谷遺跡などへのアクセスとして、福井駅と九頭竜湖駅を往復するラッピング列車がいくつかあります。
2020年時点では雲海の城をデザインした「越前大野城号」、恐竜をデザインした「恐竜化石号」、箱ヶ瀬橋をデザインした「夢のかけはし号」が走っています。
基本はキハ120系の赤色(国鉄色赤色5号)をベースに、黄色い控えめなデザインとラインが入ったものです。
最近ではラッピング列車を減らす傾向にあるそうで、過去にはもっと派手なラッピングの「越前大野城号」「九頭竜湖号」「一乗谷朝倉氏遺跡号」も走っていました。
大野市公式サイト JR越美北線ラッピング列車特集
[区間] 福井駅-九頭竜湖駅 片道55.1km
[時間] 片道 約1時間29分~1時間32分
[料金] 大人 乗車券のみ 最大1,140円
[日付] 不明
15.きょうりゅう電車(福井県 えちぜん鉄道)
えちぜん鉄道唯一の優等列車「きょうりゅう電車」と轟駅で交換。 pic.twitter.com/hLbpnT4BvY
— 吉田 匡 (@yoshi_data) 2018年8月5日
福井駅から福井県立恐竜博物館のある勝山駅へと向かう「えちぜん鉄道 勝山永平寺線」を走る、恐竜をテーマにした電車。
サイドボードとヘッドマークの付いたラッピング列車で、内装はジュラシックゾーンとジャングルゾーンが1両ずつあります。
車内モニターで恐竜の映像を楽しめるほか、恐竜ペーパークラフトのプレゼントもあります。
えちぜん鉄道 きょうりゅう電車
[区間] 福井駅-勝山駅 片道27.8km
[時間] 片道 約40分
[料金] 大人 乗車券全区間770円+特別券300円
[日付] 5月GW、7~8月土日など限定 1日片道1本
その他
他にもラッピング列車があるようですが、最新で走っているか不明です。
・あみたん娘列車(JR城端線+JR氷見線)
・とうはくん号(JR七尾線)
まとめ
北陸新幹線開通に合わせて2015年10月に開始された「北陸デスティネーションキャンペーン」の一環として「べるもんた」「花嫁のれん」が新規運行となったことから、比較的新しくキレイな列車を楽しむことができます。
JR北陸本線から第三セクター化された鉄道にも、目玉となる観光列車を投入していき見どころが沢山ある北陸エリアです。
以上、北陸の観光列車特集でした。