蕎麦の発祥の地として信州そばを県全域で楽しめて、野沢菜、わさび、長芋など地域ごとの食材も豊富な長野県。
山間部が多く山賊焼き、馬刺し、遠山ジンギスなど肉類の歴史が強い一方、信州サーモンなど魚の名物もあります。
今回は長野県の旅行者に向けて、長野県の飲食店で楽しめるご当地グルメを紹介します。
セシモ コイ
長野県のグルメ分布図
長野県のグルメはこんなに豊富!番号順に紹介していきます。
A.長野県全域のグルメ
まずは県全域で楽しめるグルメを紹介します。
01.信州そば(県全域)
全国の蕎麦のルーツと言われる、信州の蕎麦。
かつて蕎麦の実は団子状の「そばがき」や「そば餅」などで食べられていたものを、現在では主流の「そば切り」と呼ばれる麺状で食べ始めたのも信州だとか。
高冷地で育ちやすい蕎麦は信州の気候に合い、代表品種「信濃1号」は他県にも広く伝播して栽培されるものです。
商標登録としての「信州そば」は長野県信州そば協同組合にて認定されており、そば粉40%以上使用など条件があります。
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[店分布] 県全体で1,000店舗前後
[推奨店] 塩田屋 – 上田駅から徒歩圏内にある蕎麦の食事処
02.信州ひすいそば(県全域)
長野県のみで提供する独自の蕎麦品種ブランド確立のため、長野県野菜花き試験場が10年の歳月をかけて開発した蕎麦の新品種「長野S8号」を使用した蕎麦。
長野S8号の栽培、加工、販売に基準を設けて、商標登録とともに基準を満たした長野県産そばのみが「信州ひすいそば」を名乗れるようにして品質を確保。
従来の「信州そば」の品種に比べて香りが高く、そば粉の色が濃くて鮮やかな緑色をしていて出来上がりの蕎麦も緑色を帯びるのが特徴です。
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[店分布] 県内44店舗
[推奨店] 芳香庵みのる – 塩尻で信州ひすいそばを扱う蕎麦店
03.信州味噌ラーメン(県全域)
辛口が特徴の信州味噌が名物の長野県。タケヤみそ、ハナマルキ、マルコメみそなど県内に有名な味噌製造会社が多いです。
信州味噌を使用したグルメとして、長野県では味噌ラーメンが名物。個人店に加えて、テンホウ、ラーメン大学などのチェーン店もあります。
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[店分布] 長野県内300店以上
[推奨店] ラーメン大学 島内店 – 長野県定番の濃厚な味噌ラーメン
04.馬刺し、馬肉料理(県全域)
長野県は馬肉の生産こそ少ないですが、消費量は熊本県に次いで2位。明治時代に年老いた農耕用の馬を食べ始めたのが由来とされています。
馬肉の郷土料理「おたぐり」や、煮込み、焼きなど調理のバリエーションが豊富。海の無い長野県で魚の刺身の代わりとして広まった背景も。
ヘルシーで栄養価も高い馬肉は、長寿日本一の県となった長野県を象徴する食べ物のひとつと言えます。
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[店分布] 県内30店舗以上
[推奨店] 二本松 – 長野県の郷土料理を楽しめる居酒屋さん
05.信州サーモン(県全域)
安曇野市にある長野県水産試験場が約10年かけて開発した、鱒(ます)類の新しい養殖サーモン。
ニジマスとブラウントラウトをバイオテクノロジーで交配させたもので、繁殖能力を持たないため自然界に流出しても繁殖せず生態系を壊しにくい利点があります。
身が大きくて肉厚で、ニジマスよりも肉がきめ細かいのが特徴。県内に広く流通するとともに、県外でも提供店があります。
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[店分布] 長野県内300店以上
[推奨店] やまへい – 座敷席もある食事処でサーモン丼など
06.わかさぎ料理(県全域)
日本の内湾や湖に生息するワカサギは、水質の悪さや低水温にも適応力があるため湖で育ちやすい魚。冬の氷上ワカサギ釣りも名物で、湖の定番グルメとして天ぷらや唐揚げに。
全国各地で生息しており漁獲量自体は東北がダントツですが、宅地化や観光地化した湖が多い長野県では第5位の17トンという漁獲量をほこります。
長野県内ではワカサギ釣り体験を楽しめる場所が10箇所以上あるようで、代表的な諏訪湖をはじめとして霊仙寺湖、野尻湖、木崎湖、蓼科湖、松原湖、白樺湖など県の北部に多め。
飲食店でもワカサギのグルメを楽しむことができます。
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[店分布] 県内に数十店舗
[推奨店] ばんや – 上諏訪駅近くで郷土料理も多い居酒屋
07.信州ポーク(県全域)
信州の気候と風土で育ち、JAグループへ出荷販売された豚の総称「信州ポーク」。日本アルプスなど雄大な自然のもとで育ち、安定的な気候と清らかな水などによる豚肉ブランドです。
年間約75,000頭が信州ポークとして食卓に届くとされており、地産地消で県内シェアトップを目指して自給率は60%ほどとなっています。
獣臭が無い健康に育った肉質を売りとして、適度な脂によるジューシーさと肉のキメ細かさと柔らかさ。冷めても硬くなりにくく、脂肪が白くあっさりしているのが特徴。
信州ポークの中でもさらに細かくブランド化がされており、駒ケ岳山麓豚、信州南部豚、北信州みゆきポーク、信州黒豚など各地域のブランドを総称して信州ポークとなるようです。
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[店分布] 県内に100店舗以上
[推奨店] ばんや – 上諏訪駅近くで郷土料理も多い居酒屋
08.信州牛(県全域)
古くから品質が高くて市場流通も多い長野県の牛肉において、昭和37年に大信畜産工業を設立させて県内の肉牛生産業者が産地加工と品質向上を目指して「信州牛」ブランド化へ。
信州牛は黒毛和牛に位置づけられるとともに「りんごで育った牛」「りんご和牛信州牛」といった呼称があり、リンゴの一大生産地で栄養価が高いことから牛の飼料に使用。
糖質、ビタミン類、ミネラルが豊富なリンゴを飼料にすることで、十分に肉が肥大してできる霜降りのサシの部分が明確な白色となり粘り気がある脂に仕上がるとのこと。
長野市など信州北部の生産農家により研究された歴史があり、現在は県内で広く流通しています。
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[店分布] 県内に100店舗以上
[推奨店] 信州焼肉 悠雅亭 – 信州牛の熟成肉を楽しめる焼肉店
09.おやき(県全域)
小麦粉や蕎麦粉で具材を包んだ、焼き餅タイプの饅頭。稲作が難しかった長野県の多くの地域で作られるようになった代表的な名物です。
中の餡として小豆や野菜などの具材が用いられており、野沢菜、ナス、きのこ、かぼちゃなどバリエーションが豊富です。
地域によって作り方が異なり、鉄板やオーブンで焼くタイプと篭や蒸し器で蒸すタイプに分かれます。かつては囲炉裏で作られていたものです。
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[店分布] 県内50店舗以上
[推奨店] 安曇野スイス村 – 観光バス休憩でも利用されるドライブイン
10.五平餅(県全域)
一般的にうるち米をつぶして木の棒(割り箸や竹串)に練りつけて、素焼きをしたした後で醤油や味噌のタレを塗った食べ物。
長野県では県南地方の木曽、飯田、伊那を中心に県で広く提供されており、県外でも山梨、静岡、愛知、岐阜、富山の山間部広域で食べられている中部地方の名物です。
地域によって形や作り方が様々ですが、ぞうり型や小判型に整えるのが一般的。お蕎麦屋さんのサイドメニューとして提供するところも多いです。
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[店分布] 県南エリアに100店舗ほど、他に県全域で100店舗ほど
[推奨店] 巴 – 木曽町の道の駅で蕎麦と五平餅のセットがある食事処
B.県西(中信)地域のグルメ
松本城・わさび農場・妻籠宿のある県西地域(松本・塩尻・安曇野・筑北・麻績・生坂・山形・朝日・大町・池田・松川・白馬・小谷・上松・木曽・南木曽・王滝・大桑・木祖)のご当地グルメを紹介。
11.山賊焼き(松本市)
鶏モモ肉を効かせた醤油タレに漬け込んで、片栗粉を衣にして油で揚げた料理。
唐揚げや竜田揚げと似ていますが、大きい一枚の肉で出すのが特徴。漬けるタレはすりおろしニンニクやたまねぎなどを用います。
松本市などの名物で、山賊が物を取り上げる(鶏揚げる)ことが名前の由来とする一方で、塩尻市の居酒屋「山賊」が元祖という説もあり。
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[店分布] 松本や塩尻に十数店舗
[推奨店] 松本からあげセンター – 山賊焼きを定食などで
12.山形村の長芋(東筑摩郡山形村)
北アルプスから風が吹き下ろす松本盆地にある山形村は、全国屈指の長芋の産地。昼夜の温度差が大きいことで濃い味に仕上がるのだとか。
擦りおろしたときの粘りの強さが特徴で、輪切りなどのシャキシャキの食感も魅力。信州そばとの相性も良いゆえ、蕎麦屋さんで扱われていることもある食材です。
チェーン店の「水舎」や「小木曽製粉所」でも扱う店舗があります。
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[店分布] 県内に十数店舗ほど
[推奨店] 水舎 松本今町店 – オシャレな和のお店で蕎麦と長芋を
13.やまっちそば(東筑摩郡山形村)
山形村には蕎麦ツウの中でも知られている「唐沢そば集落」の蕎麦が有名で、山形村に約20軒の蕎麦店があるが長野県屈指の蕎麦どころです。
その山形村の蕎麦に、先ほど紹介した山形村特産の長芋を組み合わせた山形村の新名物。すりおろさず麺状に切った長芋を乗せた蕎麦です。
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[店分布] 村内に9店舗
[推奨店] からさわ亭 – 山形村で温そばとざるそばに長芋を
14.キムタクご飯(塩尻市)
ベーコン、キムチ、たくあんを入れて薄口醤油などで味付けをして炊いたご飯。
キムチとたくあんを使用しているのが名前の由来ですが、木村拓哉を思わせる名前で話題になる塩尻の郷土食です。
塩尻市のオリジナル給食メニューで、塩尻の小中学校で人気。ご飯やチャーハンで提供するお店が塩尻市内に少しだけあります。
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[店分布] 県内に数店舗ほど
[推奨店] ミドリカフェ – キムタクご飯と山賊焼きが名物の喫茶店
15.わさび丼(安曇野市)
わさび生産量1位の長野県。その殆どが安曇野(あずみの)産で、中でも日本最大規模のわさび園を持つ「大王わさび農園」が有名です。
観光地ではわさびソフトクリームなどがあるとともに、わさびの茎も食べることができます。
そして定番は、身をすりおろしてご飯丼に乗せて食べる「本わさび丼」が有名です。
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[店分布] 市内に数店舗ほど
[推奨店] レストラン大王 – 大王わさび農園の名物わさび丼の食事処
16.白馬ガレット(北安曇郡白馬村)
そば粉の生地をクレープ状に焼き上げて、野菜やチーズなどの具材を乗せた料理。
もとはフランスの郷土料理ですが、白馬産のそば粉を使用して白馬豚や信州サーモンなど信州産の具材を用いた長野県ならではのガレットです。
肉や魚を使用した食事系ガレットを扱う店が多く、お店によってはアイスや果物を使用したデザート系ガレットを用意するところもあります。
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[店分布] 市内29店舗
[推奨店] りき – テイクアウトも可能な食事系と甘味系のガレット6種類
17.白馬豚(北安曇郡白馬村)
八方尾根などスキー場や登山が人気の白馬エリアにて、銘柄豚「はくば豚」を使用した豚丼やカレーライスが名物。
抗生物質をほとんど使用せず、清潔な環境で病気なく育てられたSPF豚に位置づけられています。
肉の保水性が良くて肉汁を多く含んだジューシーさ、柔らかくて冷めても硬くなりにくいのが特徴です。
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[店分布] 県内に数店舗ほど
[推奨店] スカイアーク – 白馬豚の豚丼は温泉卵乗せ
18.栗スイーツ(木曽郡)秋季限定
栗の名産は岐阜県の中津川市の「栗きんとん」が有名ですが、中津川の馬籠宿から木曽の妻籠宿を経て長野県央へ向けて宿場町が続く「木曽路」の一帯で栗が名産となっています。
栗の実を細かく刻んでから砂糖を混ぜ丸めて蒸しあげた「栗きんとん」は、木曽エリアにも取り扱う老舗があります。木曽では栗のあんころ餅「栗子餅」という和菓子も代表銘菓。
他にも栗まんじゅう、栗もなか、栗ようかんなどの和菓子が多く、食事であれば栗おこわを提供するお店もあり。収穫期となる秋、9月下旬あたりに新栗としてにぎわいを見せます。
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[店分布] 木曽エリアに十数店舗
[推奨店] 芳香堂 寝覚直売店 – 寝覚の床で栗の和菓子やアイスがある販売店
19.すんき蕎麦(木曽郡、県全域)冬季限定
木曽地方で昔から作られている伝統的な漬物「すんき」を、蕎麦に乗せて食べる「すんき蕎麦」は木曽を中心として県で広く食べられている冬の味覚。
塩や砂糖を使用せず乳酸菌で発酵させる酸っぱい漬物で、主に地元で採れる赤カブの葉にすんき種を混ぜ込んでから1ヶ月ほど置くことで出来上がります。
名称は「すっぱい茎」や「すぐき漬け」がなまって「すんき」と呼ばれるようになったと言われます。
冬に漬けることから冬期限定で提供するお店が基本で、温かいそばで食べるのが定番。冷たいざるそばで食べることが可能なお店もあります。
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[店分布] 木曽エリアに20店舗以上、県全域に15店舗以上
[推奨店] くるまや本店 – 11月下旬頃から提供される冬のすんきそば
C.県北(北信)地域のグルメ
善光寺・小布施の街並み・野沢温泉のある県北地域(長野市・須坂・千曲・小布施・高山・飯綱・信濃・小川・坂城・中野・飯山・山ノ内・木島平・野沢温泉・栄村)のご当地グルメを紹介。
20.長野ヤキメン(長野市)
長野県の素材として信州味噌と松代産長芋を使用し、生麺を炒めた焼き麺料理。チーズも用いてイタリアン風に仕上げたものです。
長野市の新グルメ開発として2010年に開催された「ながのB級グルメコンテスト」にて、市内のイタリアンシェフが考案して優勝したのが長野ヤキメンです。
長野ヤキメンとして公式に認定される条件として、モチモチ食感の専用麺に信州味噌と松代産長芋を使用して温泉卵をトッピングしたニンニク風味の味付けです。
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[店分布] 長野市に認定3店舗
[推奨店] やじろべえ – 中華食堂で長野ならではの麺料理
21.おしぼりそば(千曲市)
長野県での独特な蕎麦の食べ方として、そばつゆだけでなく辛みの強い大根を絞った汁で食べる「おしぼりそば」というものがあります。
辛みの強い大根(ねずみ大根などの品種)をすりおろしてから、布巾(ふきん)で包んで絞った汁を使用。さらに信州味噌を溶かして味を整えて、ざるそばのつけ汁として使用。
わさびの代わりとして辛みをつける食べ方として考案されたと言われています。
千曲市を中心として県北で提供するお店があり、坂城町では同じ手法で食べる「おしぼりうどん」があります。
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[店分布] 千曲市など県北で十数店舗
[推奨店] ゴトーファーム – 昭和の食堂で食べるおしぼりそば
22.おしぼりうどん(埴科郡坂城町)
埴科郡(はにしなぐん)の坂城町(さかきまち)では辛みの強い大根を絞った汁で食べる「おしぼりうどん」があり、隣接する千曲市の「おしぼりそば」より認知度が高いです。
こちらも辛みの強い大根を使用するもので、先端がネズミのしっぽのような「ねずみ大根」を筆頭に中之条大根、上野大根、戸隠大根などの品種が使用されます。
辛み大根をすりおろしてから布巾(ふきん)で包んで絞った汁を使用し、信州味噌を溶かして味を整える点は同じ。ざるうどんのつけ汁として使用して食べます。
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[店分布] 坂城町など県北で十数店舗
[推奨店] かいぜ – 甘みと辛みが混在する坂城町産ねずみ大根のおしぼりうどん
23.小布施の栗(上高井郡小布施町)
古くから栗の栽培が盛んな小布施。戦国時代にもさかのぼると言われ、江戸時代初期に松代藩の御林として栗林が管理され始めたとか。
松川の扇状地で弱酸性の土壌と内陸の気候ゆえ、美味しい栗を作る好適地と言われています。
栗羊羹、ブッセなど和洋それぞれの菓子で多く販売されるほか、もち米で作る栗ごはん「栗おこわ」も名物のひとつとなっています。
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[店分布] 小布施に数店舗
[推奨店] 竹風堂 アップルライン店 – 栗おこわや和菓子の老舗
24.みゆきポーク(飯山市)
菜の花畑が有名な飯山のブランドとなる産地銘柄豚「みゆきポーク」。
数少ない養豚農家が育てており、芋やキャッサバ(タピオカの原料)等の配合飼料が用いられています。
軟らかくも締まりの良い肉質に、甘みとコクのある脂質が特徴。飯山産コシヒカリのご飯で提供するお店が多いです。
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[店分布] 市内19店舗
[推奨店] 中むら – 小鉢とご飯も魅力の豚カツ御膳とカツ丼
25.野沢菜(下高井郡野沢温泉村)
温泉地としても有名な野沢温泉村を中心に作られてきた漬物。この地方の特産野菜「信州菜」を用いており日本三大漬物のひとつと言われます。
現在も長野県が主要産地となっています。雪が降る前の11月中に収穫を終えるそうで、12月以降の需要に対しては徳島県産を用いるのだとか。
長野県内では無料で出してくれる飲食店もあり、雪国の保存食としてだけでなくお土産の定番にもなっています。
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[店分布] 県内に数十店舗ほど
[推奨店] 野沢菜本舗 – 野沢温泉で代表的な野沢菜販売店
D.県東(東信)地域のグルメ
小諸城址・別所温泉・野辺山高原のある県東地域(上田・東御・長和・青木・小諸・佐久・軽井沢・立科・御代田・佐久穂・小海・川上・南牧・南相木・北相木)のご当地グルメを紹介。
26.安養寺ラーメン(佐久市)
信州味噌の発祥とされる佐久の安養寺の味噌を使用した、味噌ラーメン。
鎌倉時代に安養寺を開いて味噌作りを始めたのが由来となっており、武田信玄も佐久を信州攻略の拠点としたことで味噌が信州全域に広がったと言われています。
現在では安養寺味噌を使用した街おこしとして、安養寺ラーメンを展開。最初は市内数店舗で始まったものが、いまや18店舗にまで拡大しています。
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[店分布] 市内18店舗
[推奨店] 麺や天鳳 – 黒ゴマの香りと濃厚な安養寺味噌のラーメン
27.アカシアの天ぷら(小諸市)
5~6月に白い花を咲かせる「ニセアカシアの花」に衣をつけて天ぷらにした料理で、上田や小諸(こもろ)など東信地域で定番の食材です。
花の房ごと天ぷらにすることで衣の付きが良く、芯は食べずに花の部分を食べます。樹皮や葉には少量ながら有毒成分が含まれているそうです。
もともと香りの強い花で、天ぷらにして食べることで花の香りがほのかに口に広がります。
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[店分布] 県内に30店舗ほど
[推奨店] やまへい – お蕎麦や信州サーモンに天ぷらもある和食処
E.県南(南信)地域のグルメ
千畳敷カール・諏訪湖・高遠城址のある県南地域(諏訪・岡谷・茅野・下諏訪・富士見・原・伊那・駒ヶ根・飯島・辰野・箕輪・中川・南箕輪・宮田・飯田・阿南・高森・松川・阿智・売木・大鹿・下條・喬木・天龍・豊丘・根羽・平谷・泰阜)のご当地グルメを紹介。
28.ローメン(伊那市)
伊那地方で名物の麺料理で、焼きそばに近くも独特の味を持ち羊肉とキャベツが用いられます。
伊那市で羊毛生産のための羊がマトンとして活用されてきた歴史があり、お店によっては豚肉を使用する豚(トン)ローメンが提供されます。
地元の服部製麺所の麺が多く用いられ、蒸し麺で色が茶色っぽく硬めの食感が特徴です。
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[店分布] 市内に加盟店27店舗、他
[推奨店] 萬里 本店 – 伊那ローメン発祥店で独自スープが売り
29.駒ヶ根ソースかつ丼(駒ヶ根市)
福井、会津とともにソースかつ丼の知名度が高い駒ヶ根市。昭和初期から存在していたとか。
千切りキャベツをご飯の上に敷いて、秘伝のソースにくぐらせたトンカツを載せた丼。基本的に豚ロースが用いられ、他にも幾つかの規定に沿った内容で提供されます。
各店でオリジナルソースを用いるとともに、地元の伊那醤油が醸造する醤油を用いたソースはお土産用として市販されています。
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[店分布] 加盟店が市内44店舗、他
[推奨店] きらく – 厚みあるロースのソースかつ丼専門店
30.飯田の焼肉(飯田市)
県南の飯田市は焼肉店の超激戦区と言われ、市内の焼肉店舗数はコンビニエンスストアより多く人口比で日本一の店舗数と言われる「日本一の焼き肉の街」です。
肉食が一般的になる明治時代よりも前から、飯田をはじめとした南信州では農耕や荷物運搬用の馬や羊毛用の羊を食する文化があり、その歴史が現代の焼肉文化として根付いています。
毎年11月29日は1129(いいにく)の語呂あわせで「飯田焼肉の日」と指定されており、飯田市や下伊那郡の精肉店なども協賛してイベントや各店での焼肉メニュー提供に力を入れます。
各家庭に秘伝のタレがあるという噂もある一方、肉や野菜に鉄板まで用意する焼肉出前を行う店もあります。2021年には世界一長い鉄板で焼肉を焼くギネスにも挑戦するそうです。
信州牛や南信州牛で鉄板焼肉や焼肉丼を楽しめる店も多々あり、ランチでも来訪しやすいエリア。マルマン社による「飯田の辛みそ」を使用した味噌ダレを用意する店も。
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[店分布] 飯田市に50店舗以上、下伊那郡に数十店舗
[推奨店] 信濃屋 桜町店 – 南信州牛を焼肉丼や焼肉定食で楽しめる食事処
31.遠山ジンギス(飯田市)
飯田市の旧南信濃村にある秘境「遠山郷」で、古くから食べられてきた羊肉。遠山ジンギスとして真空パックでの販売に加えて、遠山郷の飲食店で提供されています。
遠山郷でかつて羊毛用で羊を飼う文化があり、昭和35年頃から綿羊の需要が下がったことで羊肉へと転用する形で食用化。現在はオーストラリア産の放牧羊を使用。
市内の精肉店として「スズキヤ」「星野屋」「清水屋」の3店それぞれが、受け継がれてきたこだわりのタレで商品化したものです。
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[店分布] 飯田市で数店舗(元家、味ゆ~楽、喫茶かみ、など)
[推奨店] 食楽工房 元家 – 道の駅で食べる遠山ジンギス
32.ごぼとん丼(下伊那郡松川町)
松川町産リンゴをエサにして育てた「まつかわりんご黒豚」に「長野県産ゴボウ」を組み合わせた新ご当地グルメ。
野菜や果物の栽培が盛んな松川町ならではのグルメとして、加盟店は9店。厚めに切った黒豚にシャキシャキの歯応えがあるゴボウを楽しめます。
お店によって味が異なり、特に使用するタレは各店ならでは。あんダレがかかったものや、タレを使用しないチャーシュー丼タイプまで様々です。
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[店分布] 松川町に6店舗
[推奨店] 清流苑 – 温泉で楽しむ洋食やごぼとん丼
長野県の食文化と健康について
長野県は古くから野沢菜、保存食、塩漬けの魚、信州味噌など塩辛い食べ物が多い傾向にあり、冬場は雪国として雪に閉ざされて運動不足になりがちな土地柄。
かつては脳卒中の死亡率ワースト1位だった長野県でしたが、県を挙げての減塩運動を続けたことによって2013年に沖縄県を抜いて「男女ともに長寿日本一の県」となりました。(厚生労働省のデータより)
野菜消費量が増えたとともに、ヘルシーで栄養価の高い馬肉、蕎麦などの食材も健康増進の一因になったとも言われています。
まとめ
海の無い県で冬は雪が積もる土地柄ならではの料理が多い長野県。自然の恵みをうまく活かした料理が多く、面積が広くて南北で異なる文化がグルメの多彩さにつながっているようにも感じます。
日本酒、ワインなど近隣県と似た酒文化もありつつ蕎麦焼酎も好まれる土地柄。美味しい食事を楽しめる県だと言えます。
以上、長野県全般のご当地グルメ特集でした。