
九州の中でも寺院の歴史が深い国東半島や、自然の力を感じさせる耶馬渓の山並みなど景観の見どころが豊かな大分県。
由布院や別府などの有名温泉地から津久見などの港町の海岸線まで、ドライブも楽しいエリアです。
今回は、インスタ映えするフォトジェニックな大分県の絶景を紹介していきます。
セシモ コイ
A.県央(大分)地域の絶景
湯布院温泉・大分空港・臼杵石仏のある県央地域(大分市・臼杵・津久見・由布)の絶景スポットを紹介。
01.臼杵石仏(臼杵市)

崖の岩肌を削って仏像の形に仕上げる「磨崖仏(まがいぶつ)」は大分県に多く存在し、壁画とも見てとれる石仏として古くから信仰の対象とされてきました。
その磨崖仏の中でも大分県の代表格で国宝に指定されているのが「臼杵石仏」。平安時代後期から鎌倉時代に彫られたとされており、石仏群が4ヶ所に分かれて鎮座しています。
参拝は有料となっていますが、里山に崖のある寺院として自然の景観を肌で感じながら散策と参拝をすることができます。
[住所] 大分県臼杵市深田804-1(地図)
02.臼杵城下町 坂の町並み(臼杵市)

かつて臼杵城の城下町として栄えた、臼杵城跡の町並み。城跡の南西には寺社仏閣が多く存在し、中でもお寺が並ぶ「坂の町並み」裏路地が散策ポイント。
正式には「二王座歴史の道」という名前が付いており、丁字路のある切り通しから甚吉坂へと続く道はお寺と民家の瓦屋根に石垣も見られます。
道の途中には、かつてお寺だった「旧真光寺」が休憩所として公開されています。古くも手の行き届いた古民家の雰囲気があり、2階和室から通りを眺めることができます。
[住所] 大分県臼杵市臼杵192-6(地図)
03.湯布院 金鱗湖(由布市)

大分県の代表的な温泉地のひとつ「湯布院(ゆふいん)」は、街から由布岳がそびえる姿を見ながら湯の坪街道でのカフェや雑貨ショッピングを楽しめる観光スポット。
湯布院を代表する景観のひとつが、早朝に朝霧で幻想的な雰囲気を醸し出す「金鱗湖(きんりんこ)」。湖に清水と温泉が流れ込むことで水温が高く、湯気や霧が発生しやすいです。
朝に限らず日中にも観光客でにぎわいを見せ、緑豊かな湖として散策路が整備されており湯の坪街道から歩いてくるのが定番。湖の向かいにレストランの建物などが見えます。
儒学者の毛利空桑が「金鱗湖」と名付けたと言われ、湖で泳ぐ魚の鱗が夕日で金色に輝く姿からその名前が付いたとされます。
[住所] 大分県由布市湯布院町川上1561-1(地図)
B.県東(国東)地域の絶景
国東半島・富貴寺・別府温泉街のある県東地域(別府・杵築・国東・姫島・日出)の絶景スポットを紹介。
04.血の池地獄(別府市)

大分県を代表する温泉地として有名な別府では、変わった形で地下から噴出する源泉が集う「別府地獄めぐり」が観光の定番。
地獄めぐりの中で見た目のインパクトが強いのが、赤く染まった「血の池地獄」。天然の鉱泥によって赤い色となる熱泥池で、湯けむりを上げる光景に圧倒されます。
[住所] 大分県別府市大字野田778(地図)
C.県北(宇佐)地域の絶景
宇佐神宮・昭和の町・耶馬渓一目八景のある県北地域(中津・豊後高田・宇佐)の絶景スポットを紹介。
05.深耶馬渓 そば街道の街並み(中津市)

奇岩の岩肌が随所に現れて紅葉の名所にもなっている「耶馬溪(やばけい)」。その中でも「一目八景展望台」のある「深耶馬渓」というエリアが観光としてにぎわいます。
県道28号(森耶馬渓線)沿いには蕎麦屋さんや茶屋が並ぶことから「そば街道」という名前が付き、地産のそば粉を使用したお蕎麦など各店こだわりの蕎麦をいただけます。
建物の屋外では野菜や雑貨の販売に加えて、食べ歩きグルメの屋台も豊富でにぎわいを見せます。
[住所] 大分県中津市耶馬溪町大字深耶馬(地図)
06.深耶馬渓 一目八景展望台(中津市)

奇岩の山肌が見どころの「深耶馬渓」では、無料の観光案内所駐車場から先ほど紹介した「そば街道」を経て、ゴールの「一目八景展望台」で奇岩を見るのが定番です。
柱状の岩肌が特徴的で、複数の山並みが織り成す姿もまた一興。紅葉時期は特に美しく、大分県を代表する紅葉の名所のひとつとして人気です。
展望台近くの吊り橋から裏手の自然豊かな散策路を経て、観光案内所駐車場へとたどり着くこともできます。
[住所] 大分県中津市耶馬溪町大字深耶馬(地図)
07.青の洞門(中津市)

中津市の自然景観で「耶馬渓」の一部として、セットで来訪するのが定番な「青の洞門」。
古くは断崖絶壁に鎖のみで結ばれた難所として命を落とす通行人がおり、旅の途中で立ち寄った禅海和尚が安全のために30年ほどかけて手作業で掘ったのがこのトンネルです。
明治時代の1906年頃に陸軍日出生台演習場への輸送路として拡幅と整備されたことにより、現在の舗装された道路の姿に。当時の姿を残した部分やノミの削り跡もあります。
1車線で車のすれ違いができないことから、信号により一方向の交互通行になっており車で運転しながら洞窟を見ることができます。
もちろん歩道もあるので、徒歩で洞窟を見ることも可能。付近に無料駐車場があり、全長342メートルにトンネル部分が144メートルほどで歩ける距離です。
[住所] 大分県中津市本耶馬渓町曽木(地図)
08.馬溪橋(中津市)

山国川に架かる「馬溪橋(ばけいばし)」は、石造の5連アーチ橋として中津市の有形文化財に指定されている橋。中津市「青の洞門」から車で近くにあります。
下流にある「羅漢寺橋」「耶馬渓橋」とともに「耶馬渓三橋」と呼ばれており、石造の橋として景観の美しさを楽しめるスポットです。
1923年竣工という大正時代の橋で、豪雨により損壊する歴史を経て今に至っています。
[住所] 大分県中津市耶馬溪町大字平田(地図)
09.羅漢寺(中津市)

耶馬渓の中でも知名度の高いお寺「羅漢寺」は、日本三大五百羅漢のひとつとして3,770体もの石像があり石仏が並ぶ姿に存在感がある寺院です。
645年にインドから渡来した法道仙人がここで修行したのが始まりで、1339年に中国から臨済宗祖の円龕昭覚(えんがんしょうかく)が訪れて1年かけて五百羅漢像を作ったとされます。
耶馬渓ならではの荒々しい崖に作られたお寺として、平地から本堂まで石畳の参道を30分ほど歩く傾斜のある場所。有料でリフトもあるため、楽に訪れることもできます。
[住所] 大分県中津市本耶馬渓町跡田1051(地図)
D.県西(九重)地域の絶景
豆田町の街並み・九重連山・飯田高原のある県西地域(日田・玖珠・九重)の絶景スポットを紹介。
10.豆田町の街並み(日田市)

日田市の中心地「豆田町(まめだまち)」は江戸時代に幕府直轄の城下町として栄えた「天領」で、丸山城の城下町として整備された街並みや用水路が残る街並みです。
往年に栄えた商家などの伝統的な建物が多く、現在も観光エリアとして様々な店が入っています。飲食店、雑貨屋、日田醤油の販売店など色々なお店が並びます。
[住所] 大分県日田市豆田町8-8 上町通り(地図)
11.飯田高原(九重町)

大分県の由布院と熊本県の南小国町を結ぶ、一般道のドライブルート「やまなみハイウェイ」。九州屈指のドライブルートとして自然景観の素晴らしいエリアです。
その「やまなみハイウェイ」の大分県側にある高原のひとつが「飯田(はんだ)高原」で、秋にはススキが一面を覆うスポットです。
木で造られた散策路が整備されているハイキングコースがあり、一帯は「阿蘇くじゅう国立公園」に含まれています。
高原野菜の栽培や酪農なども行われており、やまなみハイウェイ沿いのドライブインでお土産や食べ歩きグルメとして楽しむこともできます。
[住所] 大分県玖珠郡九重町大字田野(地図)
12.九重“夢”大吊橋(九重町)

2006年にオープンした「九重“夢”大吊橋」は、筑後川の源流域を流れる鳴子川渓谷の原生林が眼下に広がる巨大なつり橋。
長さ390m、高さ173m、幅1.5mというスケールの大きさ。長さこそ静岡県で400mの三島スカイウォークに追い抜かれましたが、高さは令和に入っても歩道専用として日本一の高さを誇ります。
吊り橋の上からは日本の滝百選にも選ばれた「震動の滝・雄滝」や「雌滝」を遠く眺めることができ、遠くにそびえる「くじゅう連山」を一望できる360度の大パノラマを楽しめます。
[住所] 大分県玖珠郡九重町田野1208(地図)
E.県南(豊肥)地域の絶景
岡城址・白水ダム・豊後二見ケ浦のある県南地域(佐伯・竹田・豊後大野)の絶景スポットを紹介。
13.岡城址 天守閣跡(竹田市)

竹田市にある「豊後竹田城」とも呼ばれる「岡城」は、標高325メートルの天神山に築かれた城として現在は城跡の石垣が残ります。
駐車場から本丸跡までは少し歩くことになります。本丸跡の手前には馬場(ばんば)として坂道があり、石垣の高低差を感じさせる姿を見ることができます。
[住所] 大分県竹田市大字竹田2912(地図)
14.白水溜池堰堤(竹田市)

大野川に作られた「白水ダム」は一般的なダムというよりは、支流の川に作られた小さな堰(せき)として「白水溜池堰堤(はくすいためいけえんてい)」と呼ばれています。
竹田市一帯の水不足解消として昭和13年に築造された、コンクリートの越流式重力ダムです。
日本一の美堰堤と言われることもあるそうで、大分県の名焼酎「いいちこ」のCMでも使われたダムとして日田蒸留所にこのダムの写真が飾られています。
軟弱地盤でも決壊しないように水力を分散するための形状として、表面に石を張り巡らせた武者返しの技法で作られたことで美しい水流を見せるようになったという特徴があります。
[住所] 大分県竹田市次倉9792(地図)
15.明正井路第一拱石橋(竹田市)
竹田市で代表的な石造りのアーチ橋が「明正井路第一拱石橋」という現役の水路として使用されている石造り6連アーチ橋で「明正井路一号幹線一号橋」の名称でも紹介される橋です。
日本一長い水路橋として大正8年竣工の歴史ある橋。6連の一番端は県道8号の道路として車で通ることができ、付近にあるコンクリート橋から側面を見渡すこともできます。
橋の付近には駐車場も整備されており、緒方川に架かる橋として高低差のある川沿いの風景とともに橋を鑑賞できます。
[住所] 大分県竹田市門田(地図)
16.原尻の滝(豊後大野市)

日本の滝百選のひとつとして「東洋のナイアガラ」「大分のナイアガラ」の異名を持つ、大野川水系の滝「原尻の滝」。約9万年前の阿蘇山噴火によりできたと言われます。
弧を描く崖は縦の割れ目が続く柱状節理で、崖の複数個所から水が流れ落ちます。滝が流れ込む大きい円形の滝つぼは、天気など条件により美しい色合いになります。
滝の近くに木造の吊り橋があり、橋から滝を眺めるのも一興。滝の上に広がる田園風景も魅力で、付近にある道の駅にて花水車という水車付近も風情たっぷり。ジェラート屋もあります。
春には緒方チューリップ園として畑の一部がチューリップで彩られ、田んぼに二宮八幡社の鳥居があるなど大自然の中に見どころが多いスポットです。
[住所] 大分県豊後大野市緒方町原尻410(地図)
17.長瀬橋(豊後大野市)
先ほどの「原尻の滝」がある豊後大野市緒方町は、町内の随所に石造りのアーチ橋があります。立派な5連アーチの橋から、旧跡らしさを感じさせる単連や2連のアーチまで様々。
中でも石造りの6連アーチとして緒方川に架かる「長瀬橋」はアクセスしやすく、側面に蔦が絡まる姿の全景を撮影しやすいです。大正12年3月完成とその歴史も感じさせます。
他にも約1km離れた場所にある5連アーチ「原尻橋」や、緒方駅から徒歩圏内にある橋高のある5連アーチ「鳴滝橋」などが大きい橋です。
棚田と3連アーチの「明正井路2幹2号橋」が景色的に素晴らしいですが、多少の悪路と場所のわかりにくさから下調べ要。他にもこのサイトに橋がたくさん載っています。
[住所] 大分県豊後大野市緒方町辻~上年野(地図)
まとめ
以上、大分県のフォトジェニックな観光スポットでした。