雄大な知床の山々、摩周湖などの湖、野鳥の釧路湿原、牧場の十勝、など豊かな道東エリア。
鮭やホッケなど海の幸に加えて、牧場による肉類や乳製品の豊富さが魅力の土地です。
今回は道東の旅行者に向けて、道南エリアの飲食店で楽しめるご当地グルメを紹介します。
セシモ コイ
道東のグルメ分布図
道東のグルメはこんなに豊富!番号順に紹介していきます。
A.北部(網走)地域のグルメ
知床五湖・小清水原生花園・サロマ湖のある北部地域(北見・網走・紋別・大空・美幌・津別・斜里・清里・小清水・訓子府・置戸・佐呂間・遠軽・湧別・滝上・興部・西興部・雄武)のご当地グルメを紹介。
01.オホーツク網走ザンギ丼(網走市)
北海道で一般的にザンギというと鶏肉ですが、網走産のオホーツクサーモン(カラフトマス)を使用したものが網走ザンギと呼ばれています。
網走では特にどんぶりとしてご当地グルメ化。極力地元産を使用し、網走産の貝類を使用した味噌汁が付くのも特徴です。
02.網走モヨロ鍋(網走市)
オホーツク塩を使用した塩味ベースに白魚醤油を使用したスープが特徴の鍋。
オホーツクサーモンをメインにして、魚のすり身、地元産の貝類や野菜などの具材を使用。
アイヌ人とは異なるモヨロ人が存在したことが発掘で判明したため、網走らしさで当グルメの名称に採用したそうです。
03.オホーツク北見塩やきそば(北見市)
生産量日本一の北見タマネギを使用した、オリジナルの塩焼きそば。
オホーツク海産ホタテや道内産小麦の麺を使用するなどルール8か条が定義されています。
北海道じゃらん編集長の提唱により開発された、2007年登場の新ご当地グルメです。
04.北見の焼肉(北見市)
北海道で人口あたりの焼肉屋の数が一位の北見。市内に70店舗ほどあると言われます。
特に名物なのが一般的にハラミと呼ばれる部位「牛サガリ」で、横隔膜のこと。豚ホルモンも名物のひとつです。
新鮮ゆえ下味をつけずに提供されるのも北見焼肉の特徴のひとつで、七輪で焼くのが定番。
05.知床鶏(斜里町)
透明感のある肉の色と白めの脂肪の美しさが魅力とされる、知床の地鶏。
北海道産の小麦や海藻粉末を飼料に配合しているため、鶏独特の臭いが少ないのが特徴。
地元だけでなく全国的な流通もあるブランド鶏とも言えます。
06.海鮮丼(斜里町)
海沿いでは一般的な海鮮丼ですが、知床のウトロ地区では特に海鮮丼を売りにしている飲食店が多くて観光シーズンに賑わいます。
ウニは夏場が知床産、冬場が羅臼産など。イクラ、ホタテ、カニなど色々な魚介類が使用され、海鮮丼のバリエーションも各店で豊富です。
07.斜里産小麦料理(斜里町)
特に知床斜里駅近くの販売店や飲食店では、知床斜里産の小麦粉を使用した製品が多々あります。
パン屋のパン、菓子舗のアップルパイ、飲食店ではラーメンや焼きそばも。
春収穫の強力粉「春よ恋」と秋収穫の薄力粉「きたほなみ」のどちらも斜里町産小麦100%。
B.東部(根室)地域のグルメ
納沙布岬・野付半島・開陽台のある東部地域(根室・別海・中標津・標津・羅臼・北方領土)のご当地グルメを紹介。
08.エスカロップ(根室市)
ピラフの上にトンカツを乗せて、デミグラスソースをかけた根室名物の洋食。
主にバターライスを用いる白エスカが多く、ケチャップライスを用いる赤エスカもあります。
1963年に根室の洋食店モンブランが考案し、語源はフランス語で肉の薄切りを意味する「エスカロープ」というのが有力な説です。
C.南央部(釧路)地域のグルメ
釧路湿原・摩周湖・阿寒湖のある南央部地域(釧路市・釧路町・厚岸・浜中・標茶・弟子屈・鶴居・白糠)のご当地グルメを紹介。
09.炉端焼き(釧路市)
釧路が発祥と言われる炉端焼きは、囲炉裏などの炉で肉、魚、野菜などを焼いたもの。
特に港町として鮭やホタテなど魚介類を中心とした食材を楽しめます。
店によっては焼いた食材を「掘返べら」と呼ばれる大きいしゃもじで客前に提供してくれます。
10.つぶ焼き(釧路市)
食用の巻貝「つぶ貝」は一般的に刺身で食べることが多い食材ですが、釧路では焼いて食べるのが定番です。
釧路ではエゾバイ貝が主に用いられ「青つぶ焼き」という呼び方も。
特に居酒屋で飲んだ後の締めとして、ラーメン屋やそば屋に立ち寄った際に併せて提供されるお店が有名です。
11.釧路ラーメン(釧路市)
北海道の三大ラーメンの札幌、函館、旭川に次いで四大ラーメンと位置付けられている、細ちぢれ麺が主流の釧路醤油ラーメン。
大正時代に横浜から持ち込まれた支那そばをベースに、昭和期の屋台で釧路向けの味に改良されて漁師達に支持されたと言われています。
添加物を使用せず昆布、鶏ガラ、野菜、豚骨など店によってスープの素材も様々です。
12.勝手丼(釧路市)
釧路の和商市場の名物となる海鮮丼で、総菜屋でご飯を買ってから市場の各店舗をめぐって好きな海鮮素材を乗せていくことができる丼です。
もともと北海道を旅するライダーが安く海鮮丼を食べるための工夫だったもので、現在はカニ汁なども添えて楽しむことができます。
13.スパかつ(釧路市)
ミートソーススパゲッティの上にトンカツが乗った、ボリュームたっぷりの釧路名物。
熱々の鉄板で提供されるのも特徴のひとつです。
発祥店はレストラン泉屋。洋食文化が浅かった1960年代の釧路にて鉄皿のスパゲッティを提供して話題になり、当時ご馳走だったトンカツを乗せたことで釧路名物として定着。
14.釧路のそば(釧路市)
蕎麦の文化が強い釧路にて、少し緑色がかった色合いが特徴の蕎麦。釧路では一般的にクロレラを使用することで蕎麦が緑色になります。
もとは収穫したての新そばが緑色になるため、収穫期以外でも新鮮さを表すためにクロレラで緑色にするようになったのだとか。
15.マリモヒート、マリモハイボール(釧路市)
阿寒湖温泉街の食事処「味心」の店主が「阿寒湖らしい飲み物を作りたい」と考案し、2013年2月に弟子屈町のイベントでデビューしたご当地カクテル「マリモヒート」。
爽やかなミント&ライムのカクテル「モヒート」をベースに、青リンゴ味の炭酸クラッシュゼリーと阿寒湖の水草をイメージしたミントの葉が添えられています。
阿寒湖名物マリモを模した緑の寒天が入っており、1cm口径のストローでゼリーと寒天を吸い上げる新感覚のモヒートカクテルです。
さらに、釧路市街地ではハイボールにマスカットエードでグリーンに色づけした「マリモハイボール」も登場。こちらもマリモゼリーが入っています。
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[店分布] マリモヒートは阿寒に数店舗、マリモハイボールは釧路市に20店舗ほど
[推奨店] さかまる – 釧路市街地の居酒屋で北海道の酒が豊富
16.ザンタレ(釧路市、釧路町)
北海道では唐揚げを「ザンギ」と呼びますが、厳密には唐揚げとザンギは味付けが異なる別物。特にザンギ発祥の釧路では、下味にこだわるザンギ店が多々あります。
そして、ザンギの進化系としてザンギに甘辛いタレをかけた「ザンタレ」も釧路で誕生。北海道全般に広がったザンギと比べると、ザンタレは釧路市とその周辺に提供店が多いです。
ザンタレは1980年に「南蛮酊(なんばんてい)」が提供したのが始まりとされ、市内のアイスホッケー選手向けに大量盛りのザンギにタレをかけたものが名物になり今に至ります。
タレは醤油、砂糖、酢などを使用し、最近ではマヨネーズ寄りのタレを使用するお店も。衣に染みつつもベタベタになりすぎず、サクサクな衣の食感を維持。テイクアウトにも力が入ります。
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[店分布] 釧路市、釧路町などに数十店舗
[推奨店] トリッキー – 大きめ肉のザンタレを定食やカレーで
17.行者ニンニク(釧路市 阿寒湖)
東日本での生息が多いネギ属の多年草「ギョウジャニンニク」は「アイヌネギ」とも呼ばれ、北海道でも定番の食材として活用されています。
アイヌ文化が色濃い観光地の阿寒・摩周エリアで料理がよく提供されています。
5月が旬の食材として葉と茎が主に用いられ、強いニンニク臭で肉料理などにも活用されます。
18.阿寒ポーク(釧路市 阿寒湖)
阿寒連峰のふもと、釧路湿原に隣接した農場で育てられた銘柄豚。
広い飼育場でストレスなく育て、腐葉土によるミネラルたっぷりの水を使用。脂のしつこさや肉の臭みとクセの少ない、柔らかい肉質が特徴。
農場は阿寒・鶴居村にありますが、標茶町など釧網本線沿いの飲食店でも使用される豚です。
19.摩周そば(弟子屈町)
平成2年から生産された浅い歴史ながらも、道東の蕎麦の名産地として名高い摩周産そば。生産量が少ないことで幻の蕎麦とも言われます。
実の青いうちに収穫することから淡い緑色が含まれた蕎麦になるのが特徴のひとつ。蕎麦店が多い釧路で摩周産を使用するお店もあります。
20.摩周鯛(弟子屈町)
ティラピアという魚ですが、鯛と味が似ていることから摩周鯛と名付けて刺身や揚げ物に。
もとは観賞用として弟子屈町の老人ホームで飼われており、温泉水での養殖が可能で食用になることから弟子屈の名物として養殖を開始。
現在は川湯温泉のホテルパークウェイのみで夕食に提供されており、ホテルの裏手で約2万匹が飼われています。
21.摩周ハイボール(弟子屈町)
摩周湖のピュアな青色をイメージして作られた、摩周エリアのご当地カクテル。
レシピが公開されており、ブルーキュラソーのBOLSブルーとウイスキーのブラックニッカを炭酸水で割ったハイボールです。
弟子屈町のバーだけでなく、幾つかの飲食店や宿でも提供されています。
D.南西部(十勝)地域のグルメ
帯広競馬場・タウシュベツ川橋梁・然別湖のある南西部地域(帯広・新得・清水・幕別・池田・豊頃・本別・音更・士幌・上士幌・鹿追・芽室・中札内・更別・大樹・広尾・足寄・陸別・浦幌)のご当地グルメを紹介。
22.十勝豚丼(帯広市)
甘辛いタレが染みた厚切りの豚肉を炭火で焼き上げ、白ご飯に乗せた帯広の豚丼。
牧場が多い十勝エリアでは古くから豚肉料理の文化が強く、豚肉をさらに美味しく食べる方法として1933年創業「ぱんちょう」が考案したと言われています。
脂身の少ないロースが主に用いられ、老舗のお店がいくつも存在する帯広の代表グルメです。
23.十勝チーズ(帯広市)
全国の9割を占める北海道のチーズのうち、約半数は十勝産。ナチュラルチーズ工房が約40軒存在する十勝はチーズの代表産地です。
平坦で広大な十勝平野は乳業が盛んで、湿度が少なく気温の高低差が大きいチーズ製造に向いた気候です。
十勝ワインにも合うカマンベール、ピザなどに向いたモッツァレラ、そして最近ではラクレットチーズも多く見かける種類豊富さも売りです。
24.十勝ボロネーゼ(帯広市)
2012年に十勝のシェフたちが集結し、十勝産小麦を中心とした食材で完成させたパスタ。
十勝産小麦100%の生パスタを使用。具材は店により異なりますが、とかちマッシュ(キノコ)、十勝産の肉、豆類、野菜なども使用。
ミートソース仕立ての味で、イタリアン店を中心に食べることができます。
25.中華ちらし(帯広市)
野菜などの具材を炒めて味付けしてご飯の上に乗せた、野菜炒めご飯。帯広市では中華ちらしと呼び、1970年に作られた料理が起源。
具材はエビ、イカ、もやし、卵、ニラ、きくらげ、など店舗により様々。
中華丼と異なるのは、あんかけスタイルではなく醤油タレでとろみ無く味付けされるところ。紅しょうがが添えられるのも特徴です。
26.十勝豚、十勝野ポーク(帯広市)
十勝の新鮮な空気のもと、良質な水で育てられた十勝の豚。
脂身が多い傾向にあり、とけていく良質な豚バラの脂はしゃぶしゃぶ等にも向いています。
27.おびひろスイーツ(帯広市)
牛乳、生クリーム、チーズなど乳製品の宝庫として全国的にも有名な十勝。菓子王国とも言われ、スイーツのお店も豊富です。
おびひろスイーツめぐり券での店舗巡りも第20弾を超えて、パンフレット付きの引換券を購入して市内を歩いて菓子類を楽しめます。
もちろん飲食店でのデザートもこだわりが多く、食事の最後まで十勝産を堪能できます。
28.新得そば(新得町)
北海道の中央に位置する新得(しんとく)町は、北海道屈指の蕎麦(そば)産地。「新得そば」として道内でも有名で、町内に提供店がいくつかあります。
朝晩の寒暖差がある冷涼な気候は蕎麦の育成に向いており、風味の豊かさが特徴。店にもよりますが太めに打つ傾向があり、ざるそばや温かけそばでいただけます。
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[店分布] 新得町に6店舗ほど
[推奨店] 食事処 せきぐち – 立ち食いでも本格派で太めの蕎麦
29.十勝清水牛とろ丼(清水町)
十勝スロウフードが製造する「牛とろ」を使用して各飲食店が工夫をこらした、牛とろ丼。
細かく挽いた牛とろフレークを温かいご飯に乗せるスタイルで、牛とろの脂のまったりした味わいが特徴。
第9回全国ご当地どんぶり選手権で準グランプリを受賞。清水町を中心に、帯広市でも提供店舗があります。
30.十勝清水牛玉ステーキ丼(清水町)
地元産のブランド牛「十勝若牛」をカットして焼いたステーキに、鶏卵を組み合わせたご当地グルメの牛丼。
ステーキと鶏卵それぞれ味噌で味付けするのも特徴。鶏卵はふわふわのスクランブルエッグにして、北海道産米のご飯に乗せるなど条件に沿うと「十勝清水牛玉ステーキ丼」を名乗れます。
十勝若牛は通常より飼育期間が短い14ヶ月ほどで、やわらかく食べやすい肉質。
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[店分布] 清水町に6店舗ほど
[推奨店] ゆめあとむ – 牛とろ丼と牛玉丼を扱うレストラン
31.十勝芽室コーン炒飯(芽室町)
芽室町はスイートコーンの作付面積、収穫量が日本一で、その芽室産スイートコーンをたっぷり使用した炒飯(チャーハン)。
炒飯の味付けはコーンの絞りかすが入った特製バターと、卵を2個使用して黄色い色合いに。炒飯の上を覆う芽室産スイートコーンは、バターしょうゆで味付けをして後乗せ。
他にも北海道産米「きらら397」を使用し、スイートコーンを使用したスープと野菜サラダを付けるなど10のルールを守ったものが正式に「十勝芽室コーン炒飯」を名乗れます。
2008年に誕生したグルメで、北海道じゃらん、クノール食品も開発に加わって作り上げられたものです。
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[店分布] 芽室町に4店舗ほど
[推奨店] あかずきん – コーン炒飯に名物とんかつ乗せも
32.大樹チーズサーモン丼(大樹町)
大樹町を代表する食材のチーズと秋鮭(サーモン)を組み合わせた、新感覚の天丼御膳。地元で水揚げされた秋鮭と、雪印メグミルク大樹工場で製造された「さけるチーズ」を使用。
チーズと秋鮭を中心とした5種類の天ぷらがご飯に乗った、地元素材の天丼。各店オリジナルのタレとしてつけ塩、つけダレ、かけダレの3種類が添えられて、天ぷらに味付けできます。
地域で開発した新おもてなしグルメとして、2013年に登場。正式な「大樹チーズサーモン丼」のルールとして、香の物、汁物、デザートを付けて専用ロゴの箸袋などルールがあります。
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[店分布] 大樹町に3店舗ほど
[推奨店] サンジュリアン – 洋食店で食べるチーズサーモン丼
その他
・さんまんま:釧路市の「鳥政」が考案した居酒屋メニューで、釧路市のMOO「魚政」で購入販売も手掛けるようになったもの。もっちりとした炊き込みご飯の上にサンマを乗せて挟んだ大葉も香る、棒寿司タイプの郷土料理です。
まとめ
雄大な北海道の中でも摩周湖などの自然と十勝などの広い牧場を有する道東エリア。
その土地や海から産み出される肉、魚、野菜、そして乳製品まで幅広い素材を楽しむことができる魅力の場所です。
各市町村の特産による新しいご当地グルメも出てきて、いろいろなグルメを楽しめます。
以上、北海道の道東エリアのご当地グルメ特集でした。