日本一の面積を誇る琵琶湖でブラックバス、本モロコ、しじみなどが採れる滋賀県。
全国屈指の近江牛を代表として高島とんちゃんなどの肉類、さらに近江ちゃんぽんやひこね丼などのグルメもあります。
今回は滋賀県の旅行者に向けて、滋賀県の飲食店で楽しめるご当地グルメを紹介します。
セシモ コイ
滋賀県のグルメ分布図
滋賀県のグルメはこんなに豊富!番号順に紹介していきます。
A.滋賀県全域のグルメ
まずは、県全域で楽しめるグルメを紹介します。
01.近江牛(県全域)
三大和牛のひとつと言われる黒毛和牛で「滋賀県内で最も長く肥育されたもの」が近江牛として表記されています。
肥育飼料と気候に恵まれている滋賀県東部の生産が盛んです。焼肉は滋賀県の信楽の名産「信楽焼」の陶板で出すお店もあり、滋賀ならではの食べ方です。
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[店分布] 県内に提供店50店舗以上
[推奨店] まるたけ近江西川 – すき焼きなどで近江牛を楽しめる店
02.近江牛コロッケ(県全域)
近江牛はステーキや陶板焼きの食事に加えて、食べ歩きやサイドメニューにピッタリなコロッケやメンチカツでも楽しむことができます。
特に滋賀県東部の近江八幡や彦根で販売する精肉店が多い傾向にあり、散策する観光客向けに販売される光景も見られます。
千成亭、まるたけ、徳志満などのお店があり、ピンポン玉の形をした「ころまるコロッケ」といった商品もあります。
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[店分布] 県内に提供店10店舗以上
[推奨店] 千成亭 八幡堀店 – 近江牛コロッケ食べ歩きの定番
03.ふなずし(県全域)
日本最古の寿司とも言われる、鮒寿司(ふなずし)。琵琶湖に生息する淡水魚のニゴロブナを発酵させた、熟れ鮓(なれずし)の一種です。
白ご飯と塩で漬け込んだフナを乳酸発酵させることで、雑菌の繁殖を防ぐとともにタンパク質が分解されてアミノ酸の旨味が発生します。
一般的には春に漁獲と下処理をし、夏にご飯と一緒に樽(たる)で漬けます。11月頃から食べ頃になり、正月に振舞う料理として重宝。長いものでは、数年間発酵させる場合も。
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[店分布] 県内に提供店がいくつかあり
[推奨店] ちか定 – うなぎを筆頭にふなずしや鯉などを提供する料理屋
04.琵琶湖の魚(県全域)
琵琶湖には色々な魚が生息しており、代表的なものとして鮎(あゆ)やワカサギなど塩焼きなどで食べられる魚も棲んでいます。
珍しい魚としては、琵琶湖の固有魚として貴重な「本モロコ」。塩焼きや炭火焼きなどで楽しむことができます。
ふなずしの素材となる「ニゴロブナ」は、刺身としても美味しいと言われるもの。うなぎも生息しているとのことです。
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[店分布] 県内に提供店がいくつかあり
[推奨店] 遠久邑 – ふなずしや魚を扱う近江八幡のお店
05.京都風醤油ラーメン(県全域)
京都市で定番の醤油ラーメンですが、滋賀県でも同じタイプの醤油ラーメン店が多いです。
1997年に京都市で創業した「来来亭」がチェーン店として滋賀県にも広がり、滋賀県の野洲市が本店になったことも滋賀県に醤油ラーメンが定番となった理由のひとつです。
あっさりした鶏ガラに背脂を浮かせた醤油スープで提供するお店が多く、青ネギ(九条ネギ)をトッピングして柔らかいストレート麺を使うところが多いです。
一味唐辛子をふりかける文化も強いです。滋賀県で特に固有の名前が付いているラーメンではないですが、来来亭が「京都風醤油ラーメン」を標榜しています。
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[店分布] 県内に数十店舗(県南に多め)
[推奨店] だるま八 – 近江八幡駅前でもみじおろしの醤油ラーメン
06.丁字麩(県全域)
ふわふわと柔らかい「お麩」ですが、一般的な丸い形ではなく四角に形どられている丁字麩(ちょうじふ)は近江の特産品。
八幡城主の豊臣秀次が街並みの形を参考にして、兵糧として持ち運ぶときにかさばらないよう四角にするよう命じたのが由来と言われます。
滋賀県で定番の食べ方としては、辛子や味噌で味を整えた近江名物「丁字麩の辛子和え」。他にも鍋や麺類の具材、ご飯に乗せた丁字麩丼として提供するお店もあります。
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[店分布] 不明、県内に提供店がいくつかあり
[推奨店] 浜ぐら – 丁字麩辛子酢味噌和えに近江牛すきやきの具にも
B.県西(湖西)地域のグルメ
浜大津市街・石山寺・日吉大社のある県西地域(大津・高島)のご当地グルメを紹介。
07.しじみ飯(大津市)
滋賀県の代表、日本一の広さを持つ琵琶湖では「しじみ」がよく採れるため「しじみ飯」「しじみ釜飯」を楽しめます。
特に大津市の南にある名刹「石山寺」で「しじみ釜飯」を提供する茶屋があり、参拝とともに楽しめる地元ならではのグルメです。
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[店分布] 石山寺を中心に大津市で数店舗
[推奨店] 道の駅 びわ湖大橋米プラザ – しじみ釜飯があるレストラン
08.ブラックバス料理(大津市)
琵琶湖に生息するブラックバス(オオクチバス)は、琵琶湖の在来種の生態系を壊す魚ゆえ対処のひとつとして食用化が取り組まれています。
淡水魚は臭くてマズいというイメージが先行しますが、臭みのある部位を取り除くことでクセなく白身魚と似た味わいで楽しむことができます。
バス天丼、バスバーガーなどの食べ方で大津サービスエリアなどで提供されています。
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[店分布] 大津市、草津市、近江八幡市などに5店舗ほど
[推奨店] おうみ屋 – フライを挟んだびわ湖BASSバーガーあり
09.湯葉あんかけ丼(大津市)
滋賀県と京都府をへだてる県境の比叡山。山の東側は大津市の「比叡山坂本」エリアで、日吉神社をはじめとした寺社仏閣が集います。
精進料理のひとつで参拝での食事として今も提供される、豆乳から作る豆腐の膜「湯葉」が名物。比叡ゆば本舗による「比叡ゆば」としての販売もあります。
比叡山坂本で湯葉の楽しみ方といえば「湯葉あんかけ丼」が筆頭で、ご飯の上に湯葉とあんかけが乗ったものです。
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[店分布] 大津市を中心に20店舗ほど(湯葉あんかけ丼の店はさらに少なめ)
[推奨店] 芙蓉園本館 – キレイに敷き詰めた湯葉のあんかけ丼
10.高島とんちゃん(高島市)
高島市で古くから食べられている鶏肉「味付けかしわ」をタレで味付けしたもの。
一般的に「とんちゃん」とは豚モツのことですが、地元では鶏肉が用いられて一昔前までは「焼肉」と言えば鶏肉を指すほど馴染みの食材。
市の南部では味噌ダレ、北部では醤油ダレが用いられる傾向にあります。鉄板で提供されますが、丼に乗せて提供するお店もあります。
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[店分布] 高島市に4店舗ほど
[推奨店] 大吉Grill牧場 – 重箱に味噌ダレの高島とんちゃん
11.アドベリースイーツ(高島市)
日本で珍しい果実「ボイセンベリー」を栽培している高島市の安曇川(あどがわ)。
ブランド特産品として「アドベリー」と名付けて、果実の販売に加えてお菓子など80種類以上の製品販売が行われています。
6月中旬から7月上旬と収穫時期が短く、生産量が少ないため幻の果実と言われます。
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[店分布] 高島市に3店舗ほど
[推奨店] とも栄 藤樹街道本店 – アドベリーのプリンやケーキなど
C.県北(湖北)地域のグルメ
豊公園・長浜黒壁スクエア・醒ヶ井宿のある県北地域(長浜・米原)のご当地グルメを紹介。
12.焼鯖そうめん(長浜市)
甘辛いダシで煮込んだ焼き鯖を、同じダシで煮込んだ素麺(そうめん)の上に乗せた郷土料理。
農家が忙しい5月に、農家へ嫁いだ娘へ親が焼鯖を届ける「五月見舞い」という湖北地方(長浜市周辺)の習慣が由来とされています。
福井県の若狭湾が近いことから、若狭湾でよく採れた鯖を用いたと言われています。
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[店分布] 長浜市に9店舗
[推奨店] 翼果楼 – 長浜の街並みに馴染んだ人気の老舗
13.鯖寿司(長浜市)
滋賀県の北部で古くから作られてハレの日に振舞う料理として重宝された、酢飯に鯖(さば)を乗せた寿司。一匹を使用して、箱に入れて押し固めた棒寿司が定番です。
古くは福井県の若狭地方で漁獲した塩漬けの鯖を京都へ運んだ「鯖街道」と呼ばれる道があり、鯖街道の途中にある宿場町で定着して振舞われたものです。
現在では国産ではない漁獲が主流となっていますが、今も滋賀県の長浜市と高島市など湖北地方で提供するお店がいくつもあります。
鯖に火を通した焼き鯖寿司として提供するお店もあり、長浜市で新おもてなしメニューとして力を入れているものです。
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[店分布] 長浜市に11店舗以上、高島市にも提供店あり
[推奨店] 翼果楼 – 焼鯖そうめんや押しずしのある食事処
14.長浜のっぺいうどん(長浜市)
大きいシイタケをトレードマークとして豆腐や麩などの具材が乗った、とろりとしたあんかけのダシ汁が特徴のうどん。
吉野葛でとろみをつけた汁で、その見た目がのっぺりしていることが名前の由来と言われています。
大阪のあんかけうどんと京都のしっぽくうどんをもとに作られたメニューとされており、長浜名物として市内数店舗で提供されています。
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[店分布] 長浜市に数店舗
[推奨店] うどん・そば吉野 – のっぺいうどんと鯖寿司など
15.鴨鍋(長浜市)冬期限定
長浜の冬の名物、鴨鍋(かもなべ)。越冬のためにシベリアから琵琶湖に飛来するマガモを使用した、天然の鴨鍋を楽しむことができます。
引き締まった肉質と脂身の甘さを特徴としており、全国的な合鴨とは異なる味わい。ネギ、こんにゃく、豆腐などの具材で作ります。
長浜市の旅館や飲食店で食べることができ、11月から翌3月まで期間限定で提供されます。
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[店分布] 長浜市に13店舗
[推奨店] 住茂登 – 琵琶湖の魚料理に近江牛と鴨鍋の名店
16.伊吹そば(米原市)
米原市では古くから上質なそば(蕎麦)が栽培されており、伊吹山の中腹で平安時代後期から鎌倉時代にかけてそばの栽培が始まったとされます。
伊吹山麓は昼夜の気温差が大きく、そば栽培の好適地。日本名水百選の名水が湧く地として、そば打ちにも向いた条件を持ちます。
一般的なそば品種の「伊吹そば」提供店に加えて、伊吹地区で古くから伝わる在来種の「伊吹在来そば」を提供するお店も。小粒なそばの実で、挽くと外側の殻も多く入り香りの強いそばになります。
大根おろしを添えるのが食べ方のひとつ。特に秋から12月にかけて収穫される名産の伊吹大根は辛みが強く、甘みあるそばに添えると辛さがアクセントに。(季節外は青首大根などで対応)
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[店分布] 米原市に5店、彦根市に2店
[推奨店] 伊吹野そば – 道の駅の隣で売店も持つ蕎麦店
17.ニジマス、ヒメマス(米原市)
中山道の宿場町として県境にあり散策の名所にもなっている醒ヶ井(さめがい)では、醒井養鱒場で養殖したニジマスが名物。
醒ヶ井の飲食店でニジマスを楽しめるとともに、琵琶湖のヒメマスも楽しめるお店が醒ヶ井や滋賀県内にあります。
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[店分布] 米原市醒ヶ井に4店ほど
[推奨店] かなや – マスの押しずしなどを楽しめるお店
D.県東(湖東)地域のグルメ
日牟禮八幡宮・多賀大社・五個荘のある県東地域(東近江・近江八幡・日野・竜王・彦根・愛荘・甲良・多賀・豊郷)のご当地グルメを紹介。
18.近江ちゃんぽん(彦根市)
長崎ちゃんぽんとは異なり、和風ダシに中華麺を使用した塩野菜ラーメンに相当する麺類。キャベツ、もやし、ネギ、きくらげなど野菜満載。
昭和38年に創業した食堂「麺類をかべ」で創業当時から人気のあったメニューで、そのお店が発展して「ちゃんぽん亭総本家」となり全国チェーン化しました。
かつては彦根市内で広がり「彦根ちゃんぽん」と呼ばれた後、滋賀県のご当地グルメとして現在の呼び名が定着しています。
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[店分布] 彦根市に協会認定8店舗、他にもあり
[推奨店] ラーメン本気 – 茹で野菜に塩気ある近江ちゃんぽん
19.ひこね丼(彦根市)
近江米と地元の食材を使用した丼「ひこね丼」。2011年に彦根市制75周年記念事業により誕生した、ご当地どんぶりです。
具材はお店によって多種多様で、代表食材のひとつが近江八幡名物「赤こんにゃく」。居酒屋や定食屋などで提供されます。
温玉が乗った「ひことろ丼」という名前で提供するお店もあります。
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[店分布] 彦根市に11店舗
[推奨店] すし浜 – ひことろ丼を和の食事処で楽しめる
20.糸切餅(多賀町)
細長く伸ばした餅で小豆餡を包み、小さく切った餅。包丁などではなく細い糸で切ることから糸切餅と呼ばれます。
彦根の南にある多賀大社の参拝道にある銘菓で、多賀や、ひしや、莚寿堂(えんじゅどう)の3店舗が老舗として軒を構えています。
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[店分布] 多賀大社周辺のみ約3店舗
[推奨店] 莚寿堂 – 店内の畳席で糸切餅を楽しめる茶屋
21.赤こんにゃく(近江八幡市)
滋賀県では赤いこんにゃく「赤こん」があり、近江八幡市を中心に滋賀県全域で見かける食材。
一説によると、織田信長が近江八幡の左義長(さぎちょう)祭りで朱色の長襦袢(ながじゅばん)をまとって踊ったことが由来で、お祭りにちなんでこんにゃくを赤くしたと言われています。
赤色の原料は栄養を豊富に含む三二酸化鉄(さんにさんかてつ)で、辛くはないもの。
一般的なこんにゃくと食感や味で判別がつきにくいほど似ているため、用途や調理法は一般的なこんにゃくと大差ないです。
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[店分布] 近江八幡市を中心に数十店舗
[推奨店] お食事処 歩 – 赤こんにゃくお好み焼きがある食事処
E.県南(湖南)地域のグルメ
琵琶湖大橋・甲賀忍者村・信楽焼窯元のある県南地域(草津・守山・栗東・野洲・甲賀・湖南市)のご当地グルメを紹介。
22.朝宮茶スイーツ(甲賀市)
甲賀市で信楽焼が有名な信楽(しがらき)の名産「朝宮茶(あさみやちゃ)」は、日本五大銘茶のひとつ。付近の土山茶なども含め、甲賀市は茶の名産地です。
日本最古級の茶産地で、805年に比叡山延暦寺の開祖となる最澄が中国から茶の種子を持ち帰って朝宮地区はの岩谷山に植えたのが始まりとされます。
国道307号沿いの朝宮地区にて、朝宮茶の販売店と煎茶や抹茶を使用したスイーツの店があります。抹茶葛餅、ティラミス、ロールケーキ、かき氷など。
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[店分布] 甲賀市に数店舗
[推奨店] 山本園 WITH TEA – 茶そば、抹茶かき氷、抹茶ティラミスなど
その他
特定店舗オリジナル料理、提供店がほとんどない料理、購入のみのお土産タイプの料理は以下のとおりです。
・高島市の炊き込みご飯「しょいめし」は、特定1店舗「かばた館」のみで提供されている郷土料理。しょうゆめしが訛ったもので、ダシと具を煮立てた後にお米を入れて炊き上げる「湯たて」という作り方が特徴です。駅弁で食べられるという情報も一応あります。
・長浜市の「イタリアン焼きそば」は、滋賀県では特定1店舗「茶しん」のオリジナルグルメ。古くから提供されているミートソースがかかった焼きそばです。
・長浜市の木之本町にある「サラダパン」は滋賀県の名物として話題になりますが、1951年創業のパン屋「つるやパン」の製造。コッペパンにマヨネーズで和えた刻みたくあんを挟んだもので、コンビニなどの販売メインのパンです。
・甲賀市の「スヤキ」は、秘密のケンミンショーで6店舗提供という情報が出ていたそうですが、実際に調べても発祥店「谷野食堂」のみしか見つからない状態。シンプルで具が少ない焼きそばです。
・県の名物と言われている「近江牛餃子」は、お土産購入のみの様子。東近江市「泥亀汁」や県北「打ち豆汁」は提供店が無い様子。
まとめ
以上、滋賀県全般のご当地グルメ特集でした。